使徒2:1-3
その日、何が起こったのでしょうか。筆者をルカと呼ぶことにしますが、ルカがそこにいたようには思えません。伝え聞いたのです。ではそれをどう描きましょうか。確かなことは、次の節です。「一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、他国の言葉で話しだした」(2:4)ということです。マティアを加え、使徒は元の12人という形を回復しました。
しかしルカは「皆」と書きます。「ペトロが十一人と共に立って」(2:14)と言うのは、多くの中から代表として立ったのか、十二人だけだったのか曖昧ですが、「この人たちは」(2:15)酔っているのではない、と言うからには、「一同」とある如く、仲間がもっといたと見る方がよいでしょう。時は「五旬節」という収穫の祝日です。
過越祭が出エジプトを記念するなら、収穫は約束の地の獲得でしょうか。神は約束を果たし、大いなる祝福を与えたことになります。「同じ場所に集まって」いました。イスラエルがカナンの地に定着するに至るが如く、教会が始まりの場を得ます。なるほど「教会の誕生」と呼ばれるわけです。それは「突然」のことでした。神の介入はいつも突然です。
人の思惑や予定で決まるのではありません。「激しい風が吹いて来るような音」がしました。音です。視覚的というよりは、まずは聴覚あるいは振動で響く感覚です。しかも「風」です。「霊」あるいは「神の息」と理解してよいでしょう。それは「天から起こり」響きました。神の力は、いつでも人間の外から発されます。
「炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった」のは、果たして視覚的な現象だったのでしょうか。「舌」は人間の放つ言葉と直結しますが、案の定この後に、「他国の言葉で話しだした」(2:4)ということになっています。「舌のような炎」ではなく、「炎のような舌」であることに、もっと注目して然るべきだろうと思います。
それはあくまでも「舌」なのです。そしてその「舌」は、「一人一人の上にとどま」ります。いったいどんな情景なのでしょうか。この出来事の目撃者の見たものは、私たちには確かなことは分かりません。しかし、私たちにもその「舌」はきっと来るでしょう。すでに来ているかもしれません。私たちは当事者として、いまこの出来事を体験するのです。
突然、激しい風が吹いて来るような音が天から起こり、
彼らが座っていた家中に響いた。
そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、
一人一人の上にとどまった。(使徒2:2-3)
その日、何が起こったのでしょうか。筆者をルカと呼ぶことにしますが、ルカがそこにいたようには思えません。伝え聞いたのです。ではそれをどう描きましょうか。確かなことは、次の節です。「一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、他国の言葉で話しだした」(2:4)ということです。マティアを加え、使徒は元の12人という形を回復しました。
しかしルカは「皆」と書きます。「ペトロが十一人と共に立って」(2:14)と言うのは、多くの中から代表として立ったのか、十二人だけだったのか曖昧ですが、「この人たちは」(2:15)酔っているのではない、と言うからには、「一同」とある如く、仲間がもっといたと見る方がよいでしょう。時は「五旬節」という収穫の祝日です。
過越祭が出エジプトを記念するなら、収穫は約束の地の獲得でしょうか。神は約束を果たし、大いなる祝福を与えたことになります。「同じ場所に集まって」いました。イスラエルがカナンの地に定着するに至るが如く、教会が始まりの場を得ます。なるほど「教会の誕生」と呼ばれるわけです。それは「突然」のことでした。神の介入はいつも突然です。
人の思惑や予定で決まるのではありません。「激しい風が吹いて来るような音」がしました。音です。視覚的というよりは、まずは聴覚あるいは振動で響く感覚です。しかも「風」です。「霊」あるいは「神の息」と理解してよいでしょう。それは「天から起こり」響きました。神の力は、いつでも人間の外から発されます。
「炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった」のは、果たして視覚的な現象だったのでしょうか。「舌」は人間の放つ言葉と直結しますが、案の定この後に、「他国の言葉で話しだした」(2:4)ということになっています。「舌のような炎」ではなく、「炎のような舌」であることに、もっと注目して然るべきだろうと思います。
それはあくまでも「舌」なのです。そしてその「舌」は、「一人一人の上にとどま」ります。いったいどんな情景なのでしょうか。この出来事の目撃者の見たものは、私たちには確かなことは分かりません。しかし、私たちにもその「舌」はきっと来るでしょう。すでに来ているかもしれません。私たちは当事者として、いまこの出来事を体験するのです。
突然、激しい風が吹いて来るような音が天から起こり、
彼らが座っていた家中に響いた。
そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、
一人一人の上にとどまった。(使徒2:2-3)