ヤコブ4:1-10
「上からの知恵」(3:17)に適う「柔和な行いを、良い生き方によって示しなさい」(3:13)という指針を教えたヤコブ書は、「地上のもの、自然のもの、悪魔から出たもの」(3:15)としての人間の陥りやすい知恵もどきと巧みに対比させながら、上からの恵みによって変えられてゆくべき道について語ります。説教としてのメッセージの分かりやすい構図です。
人間の内から湧く欲望なるものが、私たちの道を歪ませます。「戦いや争い」は、そこから起こります。大きく見るならば、戦争の原因が欲望である、ということは否めないでしょう。欲しがる。しかし欲しがるそのままにすべて得られるとは限りません。いくら熱望してもうまく得られないとするところに争いと戦いが始まり、人を殺すのです。
イエスが口にした「求めなさい」(マタイ7:7)について否定する必要はありません。ただ「自分の欲望のままに使おうと、よこしまな思いで求める」なら、それは間違っています。「神に背く」ことです。「神の敵」となるからです。そして「世の友となる」故であるに外なりません。人は自己義認の沼にはまると、抜け出すことができなくなります。
すると「聖書が空しい言葉を語っている」などと見なすようにすらなります。それはひとつの「妬み」によるものだとヤコブは見ています。どうすればこの沼から抜け出せるでしょうか。ヤコブは「へりくだる」ことと「神に従い、悪魔に立ち向か」うことを掲げます。人は悪魔と戦うことはできません。神こそが、悪魔に勝つことができます。
神に従うならば、「悪魔はあなたがたから逃げ去」ることになるでしょう。しかし、その神に従うためには、いろいろと高い障壁が立ちはだかるかもしれません。人間は、自分の力や勢いでは、それを乗り越えることはできません。ただ、それがあるのは確かでも、「神に近づきなさい」との言葉には、注目することができると思われます。
「神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます」というのです。ヤコブ書において「二心ある者たち」の指摘はかなり重いものがあります。信仰が一つに定まらず、裏を有しているからです。口先と本心とが食い違うということです。人からと神からとは逆のことです。神の思いに一筋に重なる信仰が大切だと気づく必要があるのです。
神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます。
罪人たち、手を清めなさい。二心のある者たち、心を清めなさい。(ヤコブ4:8)
「上からの知恵」(3:17)に適う「柔和な行いを、良い生き方によって示しなさい」(3:13)という指針を教えたヤコブ書は、「地上のもの、自然のもの、悪魔から出たもの」(3:15)としての人間の陥りやすい知恵もどきと巧みに対比させながら、上からの恵みによって変えられてゆくべき道について語ります。説教としてのメッセージの分かりやすい構図です。
人間の内から湧く欲望なるものが、私たちの道を歪ませます。「戦いや争い」は、そこから起こります。大きく見るならば、戦争の原因が欲望である、ということは否めないでしょう。欲しがる。しかし欲しがるそのままにすべて得られるとは限りません。いくら熱望してもうまく得られないとするところに争いと戦いが始まり、人を殺すのです。
イエスが口にした「求めなさい」(マタイ7:7)について否定する必要はありません。ただ「自分の欲望のままに使おうと、よこしまな思いで求める」なら、それは間違っています。「神に背く」ことです。「神の敵」となるからです。そして「世の友となる」故であるに外なりません。人は自己義認の沼にはまると、抜け出すことができなくなります。
すると「聖書が空しい言葉を語っている」などと見なすようにすらなります。それはひとつの「妬み」によるものだとヤコブは見ています。どうすればこの沼から抜け出せるでしょうか。ヤコブは「へりくだる」ことと「神に従い、悪魔に立ち向か」うことを掲げます。人は悪魔と戦うことはできません。神こそが、悪魔に勝つことができます。
神に従うならば、「悪魔はあなたがたから逃げ去」ることになるでしょう。しかし、その神に従うためには、いろいろと高い障壁が立ちはだかるかもしれません。人間は、自分の力や勢いでは、それを乗り越えることはできません。ただ、それがあるのは確かでも、「神に近づきなさい」との言葉には、注目することができると思われます。
「神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます」というのです。ヤコブ書において「二心ある者たち」の指摘はかなり重いものがあります。信仰が一つに定まらず、裏を有しているからです。口先と本心とが食い違うということです。人からと神からとは逆のことです。神の思いに一筋に重なる信仰が大切だと気づく必要があるのです。
神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます。
罪人たち、手を清めなさい。二心のある者たち、心を清めなさい。(ヤコブ4:8)