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蹄病を理解するーちょっと番外編 消毒・除菌・殺菌等々1

2020年03月16日 | 裸蹄管理

 世の中「コロナウイルス」で大騒ぎになってますね~~。で、もう一度この図を。

 前回は蹄の消毒や蹄洗について書いていません。これ、きちんと理解して行わないとやるだけ無駄になることも多いので。昨今とにかく「消毒だああ!」となっているようですので、その件も踏まえて書いてみようと思います。

 いわゆる感染症というのは、病気の元になる生物が体内に入り込んで体の細胞に悪さをする、で下手をするとそのせいで死んじゃう、という病気の総称です。細菌という単細胞生物(一匹=1細胞のこと)、あるいは細胞の体もなしていないDNAやRNAの固まりであるウイルスが原因で起こるものです。ウイルスは極小で、光学顕微鏡なんかでは全くつかまりません。野口英世博士が悩んだ挙句罹患して死んじゃった「黄熱病」もウイルス性感染症です。野口博士は光学顕微鏡を駆使して色々な細菌感染症を見つけ出したすごい方なんですが、ウイルスを映像化できる顕微鏡が当時皆無だったので、ウイルスの存在を確認できなかったんですね。ウイルスを映像で映し出せるのは、現在電子顕微鏡だけです。コロナウイルスの映像がやたら出回っていますが、電顕で極大にまで拡大してやっとこさ確認できる代物、その辺に「いるなあ」なんて分かるわけないものだから、対策が難しい。

 寄生生物による病気、となると、多細胞生物が宿主にはりついて悪さをすることをいいます。真菌&寄生虫&ダニやノミのような虫類あたりまで。虫クラスなら、肉眼でもまあ見えます。かなり小さい単細胞生物の寄生虫もいることはいて、例えばマラリアのようなもの。これらは「原虫」と総称されますが、これも光学顕微鏡の低倍率で引掛けることができます。

 このように、体に悪さをする生物の種類は多種多様で、それにそれぞれ対応してそれなりにやっつけることができる、体内の「免疫」システムは相当なものですが、これだけで完治できるかどうかは、もう「運」的なものが大きい。だから未だに感染症でばったばった人が死ぬ。感染症との闘いは、今現在でも医学の大きな一分野といえます。

 感染症に薬で対抗する方法のうち、最初に発展したのは対細菌感染症で、それすなわち抗生物質ですね。抗生物質は細菌を殺したり、増えないように抑え込んだりできる物質のこと。色々種類があって、なんでもかんでも有効です、なんて都合のいいものはありません。次がウイルスで、すなわちワクチン接種です。ワクチンは要するに体の免疫をそれ用に強化して対抗するもので、ワクチン自体がウイルスをやっつけているわけではない。

 真菌や寄生虫に対する薬は発展が遅れがちでした。ただ、最近はなかなかいい薬がどんどん開発されてきてはいるんですが。

 薬は、このように、体内からどうにかする、という対抗策です。一方、消毒だ、除菌だ、というのは、悪さをしてくる病原体を周囲の環境からなるべく減らして、感染の可能性自体を減らす、のが目的。

 でね、消毒だ、除菌だ、殺菌だ、滅菌だ、と、色々あるんです。非常に混乱している。なぜかというと、言葉の種類に法律が絡んでくるから。



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