ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

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「可愛い・可哀そう」の危険性

2018年03月05日 | はじめに
 馬を語る場合、日本では今、そのほとんどが「サラブレッド」なる品種について語られています。「一生懸命走ってきたのに、引退肉にされちゃうなんて可哀そう」という主張は昔から山ほど語られてきています。馬=癒しという話もしょっちゅう聞く。

 管理人は、獣医で、立場的には動物側に立っているつもりではありますが、この動物=「可愛い・可哀そう」理論は怖いなあと思っています。究極の「差別思想」だと思うから。

 上野動物園の子パンダのシャンシャンちゃんは、ホッント可愛い。しかーし、蛇の子供の子ヘビは可愛くもなんともない、だからどうでもよろしい、という話になりかねない。

 乳牛でも、乳量が出なくなった牛は、残念ながら即廃牛で、速攻肉になっちゃいます。「可哀そうだから廃牛専門の牧場を」という話は、あまり、というかまず聞かない。人のために一生懸命働いているのは同じなんですが。

 ので、馬がかわいそうだから、どうにかしてやれ、というのは実に身勝手な考え方のように思う。ある意味「偽善」です。

 ヨーロッパで、廃馬の馬がどうなっているのか、よく知りませんが、全頭乗馬に変換、とはなっていないでしょう。やっぱり廃馬になっている馬も多いでしょうし、食用にならない以上、ただの産廃です。それならまだ、食肉として利用するほうが「マシ」な面もあるのではないかと思っています。引退する馬を全頭面倒見るのは、どう考えたって不可能ですから。

 馬を一頭きっちり面倒を見るのには、そこそこの物件を借りるくらいの金を要します。しかも、それが場合によっては20年以上続くのです。たとえ、競技等々に使わない、ただ牧場に置いておく、だけでもです。面倒を見る金もお持ちでない、のなら、ごちゃごちゃ非難するなよ、と思っちゃうわけです。