ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

テーマ別に連載形式になっています。テーマ別に最初の記事からお読みください。

草刈り刃とか

2021年06月03日 | 厩舎管理等

 クラブ周りで草刈りって絶対に必要だと思う理由は、草むらがハエの寝床になっちゃうからですね。で、朝夕にご出勤と。出勤先が近いというのは便利だし、体力が要らないですもんね。これはまずい。ハエの生活環をクラブ周囲で完結させてはいけない。

 で、草刈機にっくっつける「刃」なんですが。これも色々・・・・。うーむ、こういうのって、どうしてこう多種類なんだ?と思うんですが、男性向きと言いますか、あれこれ機能をくっつけて、男性陣の「あれもこれも試してみたい」欲を掻き立てる、仕組みなのかしら?どことなく、髭そり用具に似ている感あり・・・・。

大体大まかに分けて、今3種類だそうです。

金属刃  チップソーナイロンコード 

の3種類。一番危険なのが金属刃だそうですが。いずれにしても、高速回転してる刃なんだから、安全対策しないと危ないのは当然ですね。

 で、この草刈なんですが、なんと、最近はYOUTUBEで一大ジャンルになっているようなのです。それほどに、ちょっと田舎になるともう、草刈しないと獣害が酷いってことかもしれない。で、皆さんあれこれ工夫してて、凄いことになってます。

 しかし、見ていてちょっと危惧も感じる。草刈りは本当に危険らしくて、消費者庁が注意喚起しているなんだけど、なんか、テキトーっぽい方が多いんですよ、装備等。一回くらい、きちんと講習を受けた方がいいんじゃないかとも思う。

 という事で、音ですが、どうやら、ナイロンコードが最も静からしい。特に

 みたいな、静音をうたっているタイプは、かなり静からしいので、これ+充電型刈払い機だったら最強かもしれない。ナイロンコードは、頼りなさそうな見た目と裏腹に、かなり強力だそう。

 で、草刈時の刈高なんですけど。へえ~~と思ったのは、草刈って、短く切ればいいってものではないらしいんです。地面すれすれに刈るのが常識みたいになってますが、むしろ、ちょっと高く刈る方が、石等も飛ばず、安全性が高まり、草も却って伸びにくくなるそうな。こんな事でも、旧来の考え方がどんどん駆逐されているのが面白いですね。

高刈の効用についての動画


草刈り機あれこれ

2021年06月02日 | 厩舎管理等

 今いるクラブ、もう周囲、草ボーボーなんですよ・・・・・。草刈りしたいなあ。。。。。鬱陶しくてしょうがない。

 オーナーが嫌がるんですけど、多分めっちゃ煩いからでしょうね。馬が驚くかも、ってことで。

 という事で、草刈り。というか、草刈り機。最近は、機種もまあ様々、驚きます・・・・。

  1. エンジン式。これも2系統あるんです。前からあるのは混合ガソリンで動く、パワーはあるけどめっちゃ煩い奴ですけど、最近出てきたのはガスボンベタイプ これは軽い(燃料も軽いし、本体も軽くなる)、燃料の持ち運びや交換が楽勝、パワーも遜色なしということで、エンジン式は、いずれこっちが主流になるんじゃないかと思う。あ、ちなみに、このガスボンベは、その辺で売ってるカセットガスコンロ用の奴とは違うんだそうです。純正を使ってほしいとのこと。
  2. 充電式。巷では「マキタ沼」とか言われてるようなんですけど、バッテリーの互換性があって、色んな機種を動かせると謳っているせいもあるでしょう。実際評判いい。圧倒的に静かだから。マキタ以外にもあちこちのメーカーがバッタ物も含めて出し始めてます。安全装置とかをみると、バッタ物はやめといた方がいい感じですが。

で、草刈りの刃。これも様々・・・・・。草刈り時の音って、一つはエンジン音ですけど、もう一つ、侮れないのが金属刃の回転音のようです。ナイロンコード&充電式だとめっちゃ静かになる、みたい。いやあ、草刈も一大ジャンルになってきてます。実際、とにかく刈らないと野生動物がどんどん押し寄せてくるし、かといって除草剤を撒きまくるわけにもいかない。刃については次回。


堆肥化というけれど

2020年07月14日 | 厩舎管理等

 堆肥について、基本的な情報はこちらなんですが、今はYOUTUBE先生が大勢いらっしゃいますので、その方の講義の方がなんぼも分かりやすいですね。後半には馬糞堆肥の話もちょっと出てきます。

で、酪農の場合、堆肥化施設は下手をすると畜舎よりずっと規模が大きかったりする。作業規模も大きい。

凄いです。ローダーが運転できないと、牛舎管理はできない感じね。最大手の乗馬クラブでもせいぜい飼ってる馬の数は1カ所につき100頭前後ですけど、牛の場合は1000頭とか、当たり前だものね。

 堆肥化について真剣に考えてしまうのは、どこの乗馬施設でも、馬糞や敷料の行き先は名ばかりの「堆肥舎」らしき所にどさっと積み上げて終了、になってしまっているから。家畜排せつ物法は、その辺に馬糞をぶん投げる「野積み」を禁止している。ので、屋根と床と壁が付いてりゃいいんでしょ、的ないい加減な堆肥舎に放り込んで終了になってしまってるんです。これは、ただの廃棄物で、堆肥とは言えない。その結果、堆肥舎=サシバエ製造工場になっちゃってるケースが大半ではないでしょうか。

 サシバエ対策については、いずれ詳述する予定ですが、現状の乗馬クラブで、個人の努力でサシバエをどうにかするのは不可能だと思います。クラブが根性出さないと。根性の出し方の一例として糞便&敷料の堆肥化にしっかり取り組んでみればいいのに、という話。その上で肥料取締法に基づいてちゃんと届を出して馬糞堆肥を売りまくる、という手もあると思うんだけどな。昨今、どのクラブも金がなくて往生してる、教える仕事以外のなにかで金を生み出す仕組みを考える方が生産的じゃないかと。難しいでしょうか?

 そもそも堆肥の原料になる糞便や尿は、不衛生なものです。「ボロ」とかいってごまかすべきではない。それをなんとか衛生上問題がないレベルに分解するのが「堆肥化」で、この仕事をしてくれるのが微生物。うまく働いてくれれば、堆肥化の過程で堆肥プラントは60℃以上の高温になる。60℃以上ともなれば、サシバエの卵もウジも生きてはいられない。小規模のたい肥作りの一例はこちらに紹介されています。堆肥化にかかる時間は、馬糞を使うとやや効率的になるようだけど、やっぱり1か月くらいは必要になる。施設に置いておけないよね・・・・。

 でも、堆肥をつくるというのは大変な作業なんですよね・・・・・。好気性発酵させなくちゃならないから切り返し(空気を混ぜるために掘り返して混ぜ直す事)・微生物がちゃんと働き、かつ、火災にならないように加水すること(50%以上はないといけない)、手動でやったら重労働、水分を大量に含んだ土を掘り起こして切り返し作業って、大変過ぎます。。。
 やってみている動画。枠が簡単に外れる工夫があるからまだマシそうですけど・・・・

 最近は、通気装置を使って強制通気して切り返し作業を省略します、という装置もある。これを使っている乗馬クラブもある。使い勝手は良さげですけども。ブロワーを要するだけで、大きな設備は必要ないから、機械が壊れる可能性は低そう。送気型だから、送気管の目詰まりもしにくそう。とにかく発酵熱を70℃近くまで上げられれば、堆肥内のサシバエの幼虫や病原細菌・雑草の種等々が死滅してくれるから。

 ただねえ、堆肥=土壌改良剤として考えると、農地に撒くというのもそんなに量を使うように思えなくて。農家さんとうまいこと契約できるといいですけど、だぶつくと難しいですね・・・・。商売にするなら、まずは肥料取締法を順守した上で届け出をして、販路開拓となります。やってやれないことはなさそうなんだけど。

 で、堆肥舎の管理をちゃんとした方がいいと思うのは、一体どこからサシバエが湧いて出てくるのか、散々考えたから。


堆肥と肥料

2020年07月13日 | 厩舎管理等

 ワタクシ、農学部獣医学科卒なんですよ。なのになのに、堆肥と肥料の違いを今日まで知らんかった~~~~ アホか~~~~

 でもねえ、農学部といっても、獣医学科ってなんか離れ小島風でしてね。これ、問題です。小動物ならともかく、大動物や公衆衛生方面に行くなら、農業部門に対する理解がないと、務まらないでしょう。こんな事、学生の頃は全然考えなかったんですけど、もったいなかったな。。。。

 家畜の糞尿については、今やちょっとでも臭うと近隣住民とやらの逆鱗を食らうということで、どう処理するか、は大問題になっている。昨年行った「畜産エキスポ」でも、「悪臭対策」についての講演会があったし。講師の先生がおっしゃるには、臭い&騒音は、あくまで「主観」に基づいた判断になりやすい、臭いについては、かなり頑張って1/10にしました、で、やっと「少し臭わなくなった?」程度の評価しかしてもらえないんだそう。だから、とにかく最初の対応が非常に大切なんだそうです。家畜飼うなら、家畜以前に糞尿対策をがっつりやらないとイカンということなんでしょうね。

 もう一つ、臭いはハエを呼び寄せる。どんどん衛生状況が悪化してしまう。イエバエも、サシバエも、対策はそこからやらないと。で、家畜の糞尿対策の柱は、焼却処分か、堆肥化か、とこの2つにほぼ集約されている、とみていい。日本は特に、堆肥化率が非常に高いそうで、酪農家さん達の努力をしみじみ感じるんですよ・・・・。

 で、堆肥なんですけど。馬施設で、「馬糞の堆肥差し上げます」というのどこでもやってますよね。あれ、実は、「堆肥」じゃないんですよ。っていうか、今後は大丈夫なんでしょうか?心配しているのは、この間、メルカリで肥料を小分け販売してた人が逮捕されちゃったから。「肥料取締法」が根拠法なんだそうですが、初耳・・・・。ただ、理解はできます。肥料に何らかの有害物質が含まれていて、それが回り回って野菜に入っちゃって、で、食べたら食中毒とか、普通に起こりそうですもん。堆肥は肥料じゃないから大丈夫なのか?なんだか危なっかしい・・・・。

堆肥と肥料の違いは、簡単にいうと

  1. 堆肥:土壌を改良するもの
  2. 肥料:植物に栄養を与えるもの

なんだそうです。そうなのか。。。こういう理解でいいのかしら?で、堆肥は、作成法としては、有機物(落葉のような植物質や家畜糞のような動物質)を発酵させて(腐敗させないということ)無害な物質に変えつつ、畑や田んぼの土地を耕作栽培に向いた土地に変更する、もの、のようです。堆肥ってまともにつくるとなるとエライ大変なんですよ。その話は次回。


敷料問題

2020年07月09日 | 厩舎管理等

 床は多分防水より透水の方がいいのではと思うのは、防水だと敷料がどんどん湿ってしまうから。そうなると、敷料をしょっちゅう交換したり継ぎ足したりしなければならなくなる。これがかなり重労働で。おが粉を使っている施設が多いと思うのだが、木粉が舞い上がっているのを見ると、これを毎回吸い込むのは人馬共にどうなのか、という疑問もある。一方藁だと臭ってしょうがない。大学の馬術部の臭いも、大概敷料の藁を一々乾かして再利用するせいだったんじゃないか。藁が臭くて。

 一方、おが粉をしょっちゅう交換して清潔にしています、を売りにしている乗馬施設も多いけど、そんな重労働をしなくても衛生的に管理できればいいわけで。乗馬施設=3Kじゃ、しょうがないですもん。

 敷料については、対象は主に牛ではあるが、色々研究されている。というのも、敷料はそのまま大量の廃棄物になるわけで、どう処理するのだ、という問題が常に付きまとうから。パッと来るのは「堆肥」、堆肥化して農家さんに引き取ってもらおうじゃありませんか、という事なんですけど、となると、堆肥になりやすい敷料を考えなくちゃならないのだ。最近はおが粉の価格が上がっちゃって、なんとかして安くて病気になりにくくて堆肥化等処理がしやすくて、という敷料を皆さん探しているんですね・・・・。酪農家の方は本当に大変。

 敷料研究資料としては、熊本畜産広場にあるものがかなり詳しい。さらっと表になっていますが、ここまで調べ上げるのは大変だったと思います。農水省も考えています。農水省が頑張る理由は「家畜排せつ物法」が大きいでしょうね。糞尿処理について、こうも色々な法律が絡むという事は、旧来かなり問題が大きかったことを示しています。真剣に考えなくちゃなりません。

 敷料の表のうち吸水性だけに着目すると、圧倒的におが粉と藁が強いですね。時々使われるもみ殻は吸水性はかなり悪め。通気性は高くなるから、動物はまあ喜ぶだろうし堆肥の質もいいいそうなんだけど、逆に腐りにくいから堆肥化はしづらい。馬施設で使われるのは、圧倒的におが粉なんだけど、理由としては、通年入手できる、うまくすると製材所等々から安く譲ってもらえる、かもしれない、というあたりか。もみ殻や藁は通年入手は無理で、通年使うとなると、保管設備が必要になる。乗馬施設は牛や豚の施設に比べたら、全然小規模だから、保管庫まで建設できない、というのもあるか。NTCはビニルハウス内におが粉を保管している。でも、ビニルハウスすらつくる場所がない、という所も多いでしょうね。

 敷料の行き先なんだけど、家畜の場合、圧倒的に「堆肥化」のようです。だから、条件として「堆肥化しやすい」というのも入ってくる。というか、もう、堆肥化を前提にした敷料研究になっていますね。これとか これ とか。敷料に含まれる細菌についての研究は これ 。かなり面白いです。というか、こういうの卒論でやってよ、獣医科の学生諸君。こういう基礎研究がない状況であれこれ言っても、説得性に欠けるんですよね。
  代替敷料として、全農が出しているのが「あんしん君」。これは古紙リサイクル品なんだそうですが、堆肥率が高い、無菌である、圧縮されているので場所を比較的取らない、等の利点があるそうです。勿論有料ですけども。

 敷料のおが粉代替品、自分が思いつくのは、例えば竹パウダーとか。最近は性能のいい粉砕機があって、竹のように固いものでもパウダー状にまで粉砕できるらしい。竹パウダーは消臭・抗菌作用もあるし、乳酸菌がかなり優勢になるそうなので、敷料に混ぜるといいのではないか。同様に、間伐材やもみ殻を粉砕して敷料にできないものか?

 敷料についてあれこれ考えてしまうのは、敷料=床=サシバエ!と関連しているから。それからもちろん、蹄管理に直接かかわってくるものでもあるし。