ハミなし頭絡で楽しい馬生活!日本ビットレスブライドル協会

テーマ別に連載形式になっています。テーマ別に最初の記事からお読みください。

裸蹄か装蹄か?

2019年06月30日 | 裸蹄管理

 以前「乗馬ライフ」という雑誌があって。現在は

という雑誌形式の「書籍」という登録らしい、という本になってます。乗馬関係の雑誌はこれ一つになってしまってて、乗馬は衰退の一途であるなあと思うんですが。この中で、「裸蹄の勧め」という連載がありました。蹄鉄は必要ない、蹄鉄なんぞ履かせるから馬は故障するし、蹄病にもなるし、裸蹄にすればいいことづくめです、という話だったように思う。

 この連載はかなり興味を持って読んでいました。そもそもどうして蹄鉄が必要なのか、分からん、という疑問が大きかったし。動物は体に余計なものを付けられるのを嫌うことが多い。よく馬は我慢してるなあ、と最初から疑問だらけでしたから。

 馬の蹄の構造はこのページに詳しいので、特に書きませんが、まあ、もし本当に蹄鉄が「必要」なものなら、最初からくっついてる筈ですわね。

 これに関しては、「人や荷物を載せるから、蹄鉄が必要になったんだ」という話もあります。多分出まかせです。そもそも、日本は明治期まで馬に蹄鉄なんぞ履かせてはいませんでした。蹄鉄も履かずに、激重いミソ樽等々を背中にしょって山道を歩いていたんです。明治になって、しょぼい日本の馬よりか、西洋のご立派な馬を手に入れなくちゃ、そしたらその馬どもには蹄鉄がくっついていたから、履かせなくちゃ、程度の理由で蹄鉄を履かせる、ことが広まったわけ。要不要の議論はなされていないはずです。

 それとは別に、現在日本の乗馬馬の大半を占めているサラブレッドですが、この品種の馬の蹄には、大きな問題が起きているとされています。事の起こりはサンデーサイレンスと、今はディープインパクト。サンデーサイレンスも蹄には問題があったらしいのですが、特にディープはとにかく蹄が薄くて釘を打つ蹄鉄を履かせられない、しょうがないので接着装蹄してたそうなんです。なまじ勝ちまくってくれたもんだから種牡馬になって、で、子孫も結構勝つので、遺伝を背負った馬がどんどん増える、結果、今のサラは蹄質がすこぶる悪い馬が増えているとのこと。困りましたね~~。

 こうなると、裸蹄だ装蹄だというよりも、そもそも装蹄に向いていない馬が増えてしまっているのではないか、という疑問すら出てきてしまうんですが。 


蹄の管理は難しい・・・のか?

2019年06月24日 | 裸蹄管理
今の日本で、蹄が健康です、と真から言える状況になっている家畜馬っているのでしょうか?日本だけではなく、世界的にどうなのか?  
 というのも、例えばFBに「蹄」がテーマのグループが山ほどあって、世界中のあちこちの人が「うちの馬の蹄がおかしい、どうしよう?」とか「どっかにマトモな装蹄師あるいは削蹄師を知らないか?」と悲鳴を上げている事態になっている。裸蹄だとか装蹄しているとか、という蹄の状況と関係がなさそうなのも、おかしな話なのですが。  
 
 一方、馬の臨床についてざっとまとめている本

を読むと、「蹄病」にはそれなりのページを割いてはいるが、結局治るのか治らないのか、治療方針をどうすればいいのか、が、全く読み取れないのですよ。なんでしょう、要するに諦めムードなのかな?「予後は良好」だったり「完治には数か月要する」だったり「致命傷になりうる」だったり。治療内容も、ほとんど変わり映えせず。「削蹄する」「特殊装蹄する」「悪い部分を削り取る」。皆さんこれはおやりになってるはずです。なのに治らない。どうすりゃいいの?という悲鳴を獣医の先生方は聞いているんでしょうか?それとも、装蹄師さん任せってことなんでしょうか?

 そういえば、日本の競馬界におそらく最大の貢献をしてきた種牡馬、サンデーサイレンスが死んだ原因も蹄葉炎でした。これには呆れてしまったのだけど。何が何でも治す、という気合にならなかったんでしょうか?

 この件については、馬に関わり始めてからずうう~~~っと考え続けてきました。そもそも、なんでこんなに馬は簡単に病気になり、死んでしまうのか、こんな変な生き物は他にはいない。しかし、その割には野生馬は全滅する気配がないし。家畜馬をめぐる状況がおかしい。その辺をじっくり書いていきたいと思います。