3)の続き
あと、気になったことを一つ。最近、装蹄師さんが、バーナー等で蹄底全体をあぶって焼烙して蹄を殺菌する(?)手法があるようで、馬のオーナー様からも相談を受けたことがある。効果があるのか?
これはやめた方がいいと思います。
理由:蹄はケラチンが主成分のタンパク構造で、スルメイカに近いんじゃないかとされている(本当はどうなんでしょう?ただ、水分量等は近いかも。科学的に分析されたのではなく、経験上の話なのをお忘れなく)。スルメをあぶるとどうなるかというと、縮みます。で、組織構造も変性して壊れます。蹄の構造も同様に、あぶると破壊される。従って、元来の耐久性が喪われる可能性が高い。あと、爪組織を再生している細胞((特に蹄底にある細胞群ですね。もちろん生きてます)にダメージを与えかねない。余計なことはするもんじゃない、ということです。
4)蹄葉炎というけど、馬を診察した獣医の誤診なのでは?なんでレントゲンを撮らなかったのか?
馬獣医師の誤診かどうかは、知らん。そんなのは馬の先生方のレベルの問題でしょ。飼い主のこっちには関係のない話。これ、最近始まった馬獣医師認定制度なるものにも響く可能性があるかもですが、じゃあ、誤診するような獣医師がうろうろしてて、なのにそういうのに頼らざるを得ない飼い主の絶望感をどう考えていらっしゃるんでしょうか?
レントゲンもねえ、撮ったらがばっと金を取られる。で、じゃあ、具体的な「こうすれば改善するから、こうやって治療しましょう。治るから」という示唆を受けられます?どーせクラブの管理が悪い・削蹄が下手だからだ・栄養に問題あり、とか何とか文句言われて、具体的な治療の指示なんかなし。そうじゃなければ「毎日蹄を2時間薬浴しろ」みたいな、できっこない事を言う。「できない?飼主失格」とか言われるのがオチでしょうが。そんな暇のある飼主がどこにいるのよ。競馬界では治療代なんかはした金かもしれんけど、乗馬界では、馬の預託費をひねり出すのにゼイゼイ言ってる方が多い、働かにゃ、費用の捻出は無理っしょ。その上で連日乗馬クラブに行って治療?そんな事できるかっつの。
できる&治る治療を提案して実行してもらうのが医療でしょ。
こういう「飼主失格」とか言う獣医はクッソヤブ医者ですから要注意。
他の症例報告を聞いてて感じたことだけども、馬の先生方は(昨今の小動物臨床でも強く感じていることなのだが)病気を診てはいるが、患者を診ていない。だから、治せないのよ。