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株券不所持制度について

2007年03月04日 | 商法、会社法
 みなさん、こんばんは。

 私が参加しているMLで、新潟県の方が次のような質問をされました(回答も含めて、一部、加筆・訂正しています)。
 ここで、株券不所持制度とは、株主の申出にもとづいて、会社が株券を発行せず(株券の不発行)、株主名簿に氏名、住所が記載または記録され、株券がなくても権利行使ができる制度です(会社法217条)。

 1 質問
 株券発行会社において、株主の不所持の申出をする権利を剥奪することは可能なのでしょうか?

 
 2 回答
 旧商法226条ノ2第1項では、株式会社(株主総会)の裁量で、定款にその旨を規定すれば、株券不所持制度を採用しないことができました。

 しかし、会社法217条1項では、旧商法226条ノ2第1項にあった「定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外」という文言が削除され、「申し出ることができる。」と規定されました。

 さらには、同条3項で「記録しなければならない。」と規定されていますから、明らかに217条は強行規定と思われます。ですから、定款で「株券不所持制度を採用しない」旨を規定したとしても、その規定は効力を有しない無効な規定だと思います。

 次は、あくまでも私の推測ですが、旧商法時では、「株券発行が原則で、不発行が例外」で、逆に、現行の会社法では、「株券の不発行が原則で、発行が例外」というように、株券発行に係る原則と例外が逆転したためではないでしょうか?

 その原則と例外の逆転が、株券不所持制度の存在理由を百八十度の転換させ、上記のような規定の仕方に変更させたのではないでしょうか?

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1 コメント

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TBをありがとうございました (管理人)
2007-03-22 21:20:31
 大竹先生、はじめまして。
 この度は、TBをしていただいて、ありがとうございました。
 今後ともよろしくお願いします。
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