きょうの日本民話 gooブログ編

47都道府県の日本民話をイラスト付きで毎日配信。

10月24日の日本民話 弘法井戸

2009-10-24 06:31:15 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 10月の日本民話


10月24日の日本民話


弘法井戸



弘法井戸
三重県の民話三重県情報


 むかしむかし、ある村に、惣松(そうまつ)という人がいました。
 ある日の事、惣松は二、三人の村人たちと伊勢参宮(いせさんぐう)に行った帰り道に、乗っていた舟で二見が浦(ふたみがうら)の近くの飛島(とびしま)まで来ると、空から急に白龍(はくりゅう)が舟の中へ飛びこんで来たのです。
 みんなは、ビックリしましたが、
「これは、大漁を知らせる神さまのお告げじゃ」
と、大いに喜んで、白龍を村へ持ち帰りました。
 家に白龍を持ち帰った惣松は、白龍を床の間に置きましたが、白龍は床の間からぬけ出して神棚(かみだな)の中に入ってしまったのです。
 家の人たちは、
「これは福の神だ、きっと良いことがおこるぞ」
と、大喜びして、神棚へだんごやお酒など、いろいろなものをたくさんおそなえしました。
 でも惣松は、おそなえのだんごを一口食べると、
「こんなもの、まずくて食えるか」
と、はきだしてしまいました。
 そのとたんに白龍が神棚から飛びだして、追いかける惣松を尻目(しりめ)に森の中へかくれてしまいました。
 その後、弘法大使(こうぼうたいし)が村へやって来て、
「この村には何か、なんぎなことはないか?」
と、たずねると、村人たちは、
「この村に白龍が一匹いたのですが、森の中へにげてしまいました。何とかして白龍をつれもどして下さい」
と、たのみました。
 すると弘法大使は、
「白龍は水が好きだから、井戸をほってあげよう」
と、いい、持っていた杖(つえ)で地面を突きさすと、不思議な事にそこから水がこんこんとわき出したのです。
 それからは毎日、白龍はこのおいしい水を飲みに来るようになり、村からは出ていかなくなったという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 国際連合デー
きょうの誕生花 → コトネアスター(べにしたん)
きょうの誕生日 → 1973年 ゴリけん(芸人)



きょうの日本昔話 → タヌキとキツネ
きょうの世界昔話 → 魔術の本
きょうの日本民話 → 弘法井戸
きょうのイソップ童話 → オオカミとヤギ
きょうの江戸小話 → ネズミの嫁入り


hukumusume.com サイト一覧


最新の画像もっと見る