きょうの日本民話 gooブログ編

47都道府県の日本民話をイラスト付きで毎日配信。

12月11日の日本民話 カッパの贈りもの

2009-12-11 00:51:42 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 12月の日本民話


12月11日の日本民話


カッパの贈りもの



カッパの贈りもの
山口県の民話山口県情報


 むかしむかし、カッパが海や川にたくさん住んでいて、いろいろイタズラをしていたころのお話しです。
 ある日、一頭のウマが川辺で草を食べていると、川の中からカッパが現れました。
 ウマが好きなカッパは、たずなを自分の体に結びつけてウマを川にひきずり込もうとしました。
 ビックリしたウマは、とある百姓(ひゃくしょう)の家にとび込みました。
 ウマが急に飛び込んできたので、おどろいた家の人がよく見ると、たずなの先にカッパがぶらさがって、
「ふうふう」
と、言っています。
「ははん。また悪さをしようとしたな」
 お百姓がなぐりつけようとすると、カッパは手を合わせて命ごいをしました。
「どうか助けてください。もう二度と悪さはしませんから。お願いです」
 あわれに思ったお百姓は、なぐりつけるのをやめると、こらしめのために縁側(えんがわ)の柱にしばりつけておきました。
 タ方になって、その家の娘がカッパがいるのを知らずに、ウマに水をやろうとして通りかかり、カッパを見ておどろいて、おけの水をカッパにうちかけてしまいました。
 水はカッパの元気のみなもとです。
 頭のお皿に水がたまったカッパは、たちまち元気を取りもどして、つなを切って逃げてしまいました。
 さて、しばらくしてその娘がお嫁に行くことになりました。
 その仕度(したく)にいそがしいある日、ふと見ると縁側に誰からともわからないタルに入ったお酒がおいてありました。
 次の晩には、大きくて立派なタイが三匹おいてありました。
 次の晩、不思議に思った家の人が物かげで見張っていますと、この間のカッパが水神さまのお札(ふだ)を持ってやってきました。
 カッパが助かったお礼に、娘の嫁入の祝いを持ってきていたのです。
 この事が村中で大評判になり、大勢の人がカッパがやってくるのをのぞき見するようになったので、カッパは二度と現れなくなったという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 百円玉の日
きょうの誕生花 → ストレリチア
きょうの誕生日 → 1948年 谷村新司 (ミュージシャン)


きょうの新作昔話 → 金のカラス
きょうの日本昔話 → ウサギと太郎
きょうの世界昔話 → カンチール 森のかしら
きょうの日本民話 → カッパの贈りもの
きょうのイソップ童話 → 月の女神と母親
きょうの江戸小話 → ころぶ


hukumusume.com サイト一覧