11月24日の日本民話
蛇の天上のぼり
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むかしむかし、あるところに、それはそれは大きなカキの木がありました。
そのカキの木には、カキの実がすずなりになっています。
村人たちは、ここを通るたびに見あげては
「たくさんのカキの実がなっているなあ」
と、いっていました。
ある日の事、急にあらしになって空が暗くなり、バラバラと大つぶの雨が降って来ました。
ところが鈴なりになっているカキが、一つとして落ちません。
村人たちが不思議に思っていると、急にザァーザァーと、草の上をはうような音が聞えてきました。
しばらくすると天から大蛇(だいじゃ)が下りて来て、すずなりになっていた柿の実を一つ、また一つと食べて、とうとうみんな食べてしまったのです。
そこで村人たちは、
「大蛇が、柿の実をみんな食ってしもうた」
と、口ぐちにいっていました。
しかし、さすがの大蛇もあまりにも食いすぎたのか、おなかをゴロゴロならしながら天へとのぼっていきました。
やがて、ふたたび大つぶの雨が降って来ると、村人たちは、
「くんくん。おや、この雨は、どうも柿くさいぞ」
と、いって逃げだしました。
大蛇が天にのぼって行くときに、おしっこをしていったという事です。
おしまい
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