Performance Automotive Registration Service (ピーエーアール)  

   

    PA-Rの仕事,モノ作りを考える。溶接,CFRP成型,改造車の強度計算及び登録,車検

古い車の樹脂整形補修

2017-07-19 21:24:13 | 自動車

車齢も30年が経過すると樹脂パーツの劣化が激しく脆くなる。

そこに容赦なくネジを締め付ければ割れてしまう事間違いなし。

古い部品は割れないような力加減をするセンスが必要なのだ。

今回、メーター部分を外す予定なんぞ全くなかったがトラブル続きでそんな部品に出くわしてしまった。本当に予定外、、、

これはメーター周りのパネル裏だが、こういう状況に出くわした時、一般人はどう対処するのであろう?大きな丸ワッシャーを挟んでネジこむか?無視して無意味に指定のネジを突っ込むか?不幸にも今回は後者のやり方でやり過ごされていた。

しかし、こういう状況を見ると我慢できなくなる性分で困る。

そこで下の画像は同種の樹脂を熱溶着させて整形した状態。

実はここ数年、接着剤を使った記憶と言えば指を切った時に瞬間接着剤を使って止血した位しか無い。


エアコン修理

2017-07-07 22:14:13 | 自動車

今年の5月に馬鹿高い代替えフロンガスを3本半入れたと言うが、コンプレッサーがカチカチ断続運転をしている。

所有者さんはまだ数時間しかエアコンを使っていない。

このまま使い続けりゃクラッチが壊れるのも時間の問題である。

何処の何方がレトロフィットとして組み込んだのか解りませぬが明らかに失敗例。

今回の漏れはリークテスターが反応しなかった為、各接続部位8箇所を外しOリングの点検から仕切り直しとなった。

すると出てくる出てくる問題点。

134ガスに対応出来ない黒く古いR12用のOリングは潰れて形が固まっている。

また、部分的にせっかく入れた134対応のOリングはアッセンブリーミスで外周が千切れている。

 

配管途中にあるオリフィスチューブはその存在を無視されたのか知らなかったのか?異物が絡みついたまま放置プレイ。

結局、各部位に特別な漏れ止め処置を施した後、Oリングを全て交換し再組み付けを完了。

真空引きをした後POE+オイルとCOLD12プロパンガスを3本入れたらオリフィスチューブの高圧パイプが白く凍るほどバッチリ冷えました。

これでしばらく様子を見て、万が一漏れるようなら配管途中のゴムホースも134対応に変え、コンプレッサーも交換しないとダメですな、、、一度でも不適合なガスやオイルを入れられるとゴム類が覿面にヤラレます。

今やネットでレトロフィットの材料が安易に入手出来る時代、しかしながら素人が見よう見まねでやっても上手くいかない典型的な失敗例のご紹介でした。


ジョイントヨークからのATFリーク

2017-07-06 22:56:23 | 自動車

TH350トランスミッションのオイルリーク、とはいってもU-ジョイントヨーク中心にあるピンホールからの漏れ。

元々はヨーク内部のエア抜き用のピンホールだと思われるが、

アウトプットハウジング内に過剰なATFが溜まり込むと厄介な漏れとなる。

本来はアウトプット内に適量が循環するようになっているが、ミッション内部シールの経年劣化で本来の機能が失われた時にこのような状況になると推測され、理想を言えばミッションのO/H。

シャフトを外して見ると、、なんとヨーク内にタオル生地がギュ〜っと、、

こんなもの突っ込んでも数分後には飽和状態。

 


古〜いアメ車のブレーキキャリパー

2017-07-06 20:51:57 | 自動車

よく見る作業項目に「ブレーキフルード交換」なんて言う内容が有るが、実際どのように交換されたか疑問に思うことは無いだろうか?

本来、フルードを総入れ替えするのであれば「キャリパーやホイールシリンダー各部のブリーディングニップルから」エア抜きを兼ねて一連の作業を行う事が理想であろうと考える。

しかし、横着するなら上の作業をパスしてリザーバタンクのフルードをスポイトで抜いて新しいものを継ぎ足す人もいるかも知れない、この場合、各シリンダー内に水分を含んだ古いフルードが残留し、キャリパーやホイールシリンダーを腐食させ、「ブレーキの固着」や漏れという危険な状況に発展する。

特にホイールシリンダーに関しては容積が小さいため、水分結露のダメージが顕著に現れ、最低限2年に一度はO/Hしなくてはその性能を維持できない。

 

今回の車は今年の4月にブレーキフルードを交換されたと言うが、6月末で既にフルードは真っ黒。

比較に新しいフルードを入れてみた。

今回の車両のキャリパーニップル、一体何年間触らないでいたらニップルの穴が塞がるのであろうか?8年?10年?

経験上5年程度じゃこんなにならん。

察するに、キャリパーからのブリーディングが実行されるはずもないと判断、キャリパーをバラす事となる。

案の定、キャリパー内部はサビサビのドロドロ。

これはシリンダー内部のホーニングを行いリビルドとなる。

この状況が悪化するとブレーキが効かないどころかブレーキが効いたままになり、まともな走行は絶対不可能。

(過去にK-5ブレイザーで高速道路を走行中、この片効き状態に陥り60キロ走行でサービスエリアに転がり込んだ経験有り)

 

ピストンもマズイ状況なので綺麗に磨き、シールキットを入れ替え再組み付けとなる。