



実のところ、この夏から秋にかけて、ホームベーカリーでパウンドケーキを焼くのが、
ちょっとしたマイブームになっておりました。
バナナだの、ニンジンだの、ココアだの、リンゴだの、ナッツだの、ドライフルーツだの、
なんでも入れ放題。
ものぐさの私にも、ケーキが作れるのだと、調子づいておりました。
そして、みな様ご存知のように、先日、大量のイチジクをいただきまして、
生のままにしておけず、イチジクの“何やら”と、パウンドケーキを作る事にしました。
で、ホームベーカリーの本を見ると、生のイチゴを入れるレシビが載っており、
それが雰囲気的にイチジクに一番近そうなので、その通りにする事にしました。



実は、幼なじみにパティシエになったY君という友人がいるのですが、
彼が口癖のように言っていました。
「お菓子作りは、ちゃんと計ってやれば、失敗しないんだよ」と。
なんだか、アバウトな私の性格を見透かしたような、物言いです。



さて、レシピを見ると・・・


まぁ、練乳は無いから、パンを焼く時に使う、スキムミルクを適当に入れるとして、
イチゴ・・・この場合のイチジクは70gね。


で、剥いて小さく切ったのですが、熟れ具合を確かめる為に、ちょっと1カケラ、ぱくっ。

で、また、つまみ食い。

こんなに沢山のイチジクがあるんだから、もっと入れたら、美味しくなるんじゃ、ないだろうか。
で、また剥いて、切って。。。

たぶん4個位、剥いたような気がしますが、つまみ食いも結構したので、正確な量は。。。



いつも、パウンドケーキを焼く時に気になっていたのは、バターの量です。
例えば、このレシピなら、1つのケーキを焼くのに1/2箱を使用するのです。
そんな時、お料理やパンづくりの参考にさせていただいているKazさんのブログ「CAFEMIN」に、
バターの代わりにヨーグルトを使うマフィンのレシピがあるのを発見し、これだ! と思い実践してみました。
で、作ったのが、一番上の写真の数々なのですが(チョコ以外)、
普通より、ややしっとりした仕上がりになり、なかなかいい具合でした。



さて、バター100g入れるところを30gにして、ヨーグルトをドボドボ。
ついでに、オイルもちょっぴり。
材料を計って、ケースに入れて、卵を入れ忘れていた事に気づき、
順番は違うけど、まぁ、いいやと、最後に投入して、スイッチON!



ピピッと鳴ったら、壁面の粉を落として、イチジクを投入!



後は焼き上がりを待つだけなのですが、なんとなく気になって、蓋を開けてみました。
しかし、そこにはイチジクは跡形も無く、心なしか、いつもより“とろーん”とした生地が
お休みになっていらっしゃいました。
で、ちょっと味見・・・

なんか、絵図らも楽しくないし・・・
で、今度はイチジクの切ったのを上に並べて、何事もなかったかのように、蓋をしました。

もちろん、こんなレシピは、どこにもありません。



部屋中に、甘ーい香りが漂い、また、ピピッ、ピピッと鳴って、焼き上がりました!
ここで、釜を取り出して、ひっくり返してケーキを出すのですが、
よく、へばりついて出ない事があり、おもいっきり釜を振ってみました。
しかし・・・ ケーキは、オソロシイ程、あっけなく落下・・・


間違いなく、嵩が低くなり、一部は崩れました・・・

水分過多だろうと思います・・・


この時、私の耳に、パティシエY君の言葉が甦ったのは、言う迄もありません。
まぁ、しかし、出来てしまったものは、仕方ありません。
大方、ケーキらしい様相もしていますし、ひとまず完成であります~!



粗熱が取れて、切ってみたら、どうも上の方と、下の方の質感が違っていました。
(この写真は手前が上です)
で、食べてみました・・・・・
なんと言うか、味は悪くはないのですが・・・
これをパウンド・ケーキと呼んでいいものか・・・
なんと言ったらいいのか・・・

パンプディングのような、食味・・・
うーん、何かに似ている・・・
甘くて、もっちりした感じは、時々お土産にいただく“とあるお菓子”に、似ているような気がしました。

しかし、もうひとつ、粉っぽさが違うような気もしました。

夜になり、アザラシTちゃんと、夕食を食べていたところ、ふと、妙な物が好きだと言いました。
そこで私は、ピン

昼間作ったケーキ・・・・

私は、戦中に“すいとん”を食べた世代ではありませんが、かつて叔母が作ってくれた“すいとん”の、
そのもっちりして、ちょっと粉っぽい食感は、間違いなく同じ物でした。
イチジクのすいとん・・・
でも、すいとん好きな筈のTちゃんは、食べてくれませんでした・・・



