

「gooひとこと」で、臓器提供の意思カードについての問いかけがあったので、
思わず書き込みをした。
私自身は、ちまちま生きて、さしたる社会貢献もできないので、
せめて死んで、この身体が役に立つなら、なんでも使って下さいな、と考えている。
それで、未来への夢を持った子供や若者が助かるかもしれないし、
小さな子供のお父さんやお母さんの命が救われるなら、本望である。
しかし、その考えを、友人達の集まりで話したら、
「絶対止めなよ、殺されちゃうよ」と、強い口調で言われた。
彼女の弟は、バンク登録の骨髄移植で、白血病から生還したにもかかわらずだ。
今、日本の臓器移植は、まだまだ提供者が少なく、政府は躍起になって、
症例を増やそうとしているので、助かる可能性があっても、
臓器が使えそうだと見切られる、と、いうのだ。
うーん。。。。うーん。。。。。

それはそうと、臓器移植の意思表示カードのホームページを見た。
はぁ・・・・

結局、臓器提供の意思はあっても「家族の同意」がなければ、それは遂行できない。
私には、もう悲しんだり責任を感じたりする家族もいないのだから、
私が「いい」って言ったら、いいじゃないかと思うのに・・・






母が亡くなって、一番初めに打ちのめされたのは、
家族がいないと、生命保険の受取人の設定には現実離れした制限があったり、
もしも脳卒中等で寝たきりになった時に、代わりに保険請求してくれる人を
自分の思う人に設定できないという事だ。
特に代理請求人は、2親等以内の同居の家族といわれた。
私には、2親等以内の血縁者は誰もいない。
しみじみ、自分は一人なんだと思い、悲しいような、くやしいような涙が出た。
3親等は、兄の子供達(未成年の為、実質は新興宗教盲信の兄嫁となる)と、
父と母の姉妹達である。
何もしなければ、第一位の法定相続人である兄の子供達が、その権利を持つ。
しかし間違っても、私に消えて欲しいと思っているであろう兄嫁になど、私の命を預けたくない。
解約をチラつかせたり、散々、保険会社と交渉をして、やっとの事で伯母を代理請求人に設定した。
それだって、遠くに暮らす70半ば過ぎの伯母である。
遠からぬ将来、また別の誰かに切り替えなければならないのは間違いない。
誰がいるというのだろう・・・


本当は、もう長いつきあいのパートナーTちゃんを代理人に設定したかった。
一番私の意思を解っているのは彼だし、もし私の意思と違う事を彼が行ったとしても、
それは彼の判断であればかまわないとも思っている。
そのくらい彼の人間性を信用している。
しかし、別々に暮らし、夫婦でもない私たちは、まったく話にならず、
保険会社が出して来た唯一の条件は、私を受取人にした同額の保険にTちゃんが入る事だった。
結局、保険金殺人予防の倫理観よりは、顧客が一人増えればいいという、
その考えにあきれて、肩を落とすしかなかった。
保険金殺人の可能性から、身内以外に、保険金の受取人や請求代理人に指定する事は、
現在の日本では、まず認められない。
辛うじて、籍が入っていなくても認められるのは、同居実績のあるの内縁の夫や妻くらいだ。
内縁と言っても、もちろん不倫でない事は必須。
成年後見人制度もあるが、それだって、請求代理人が精一杯だ。
後見人を法律のプロに頼むと、そこにみんな巻き上げられる可能性が高いとも、
その業界の方からも聞いた。
しかし、結婚した当時に配偶者を受取人にしてかけた保険は、
離婚してもそのまま受取人として成立する。
おかしいと思いません?
今、私に家族がいないのは、私自身の招いた結果であるので、仕方ないのかもしれない。
しかし、私のように、兄弟も夫も子供もいない人は、これからどんどん増えると思うのだが、
そういう人は、安心する為に入る保険に不安を覚え、
社会貢献の為に臓器提供をする志も、手折られてしまうのだろうか。
こんな事で打ちのめされるとは、思ってもいなかった・・・
20数年かけた生命保険を、もう解約しようかとも思っている。
保険料は、年間で40万円位。65歳迄貯金すれば、かなりの額になる。
病気になったって、高額医療費の払い戻し制度がある現在、
ある程度の預金があれば、なんとかなるのではないだろうか。
保険以外の財産は、遺言書を作成すれば、好きなように行き先を設定できる。
(遺言の件は、また別途記事にしますネ)
少子化が進んで、私のような境遇の人間が増えたら、保険会社はもっと緩和するのだろうか。
保険金殺人予防の為の線引きの方法は、もっと考えた方がいいと思う。
こんな自社保身みたいな事ばかりやっていたら、保険会社そのものが危ういような気もする。
あと何十年先もおたくの会社は大丈夫ですか、N生命さん!
運命というものを別にすれば、私の命は、私が決めたい!
一人は自由、でも一人の不自由もある。
なんだかなぁ・・と、呑気に言ってられない。
でも、この為に、入籍っていうのも、なんか違う気がするでしょ!?
ましてや、そんな事、私から言える訳がない。






