ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

死んだレモン / フィン・ベル

2020-08-29 | 本 海外作家
死んだレモン / フィン・ベル 著 安達眞弓 訳

創元推理文庫 / 2020.7


酒に溺れた末に事故で車いす生活となったフィンは、今まさにニュージーランドの南の果てで崖に宙吊りになっていた。隣家の不気味な三兄弟の長男に殺されかけたのだ。フィンは自分が引っ越してきたコテージに住んでいた少女が失踪した、26年前の未解決事件を調べており、三兄弟の関与を疑っていたのだが……。




いやー、面白かった!
でも、終盤の謎解き開始辺りで、私の興味は失速。
1番肝心なクライマックスがショボ過ぎてがっかりでした。
これって、やっぱり、オープニングで事件当日を描いてしまったことが失速の原因だったとしたら、どっちがどうなんだろうなー?(オチはラストか、最初にネタバラシか)と思いました。

そして、結局、ゾイル家の三兄弟も真犯人も死んでしまうのがモヤモヤします。
更に、ラストでゾイル家の家業がダラダラと歴史を交えて説明されるのですが、これって、もう少し中盤あたりから判っていたら違和感なく飲み込めたと思うのです。
結局、最後にワーッと説明されても、ふーんとしか思えず、これが私が感じた失速だったと思います。

もう一つ、失礼ながら、主人公のフィンには全く魅力を感じません。
事業に成功してアル中になって妻に出ていかれて、飲酒運転で事故って車椅子生活になってって、正直どうでもいいです。
そして、ニュージーランドにやってきて、フィンには勿体無い素晴らしい友人ができて、家族ぐるみの付き合いができて、恋人までできて、それらすべての人達のお陰でボロボロだった人生から立ち直り、幸せまで感じさせてくれている人達、その人たち全てを巻き込むかもしれないのに、それなのに、興味本位が基本でしかないゾイル家の事件を掘り返す、本当にわがままな人間だなーと思いました。

双子の刑事がとても印象的で、この2人のシリーズ化があってもいいかも?と思いました。
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