天地明察
冲方 丁 著 角川文庫 / 2012.5
徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。
即ち、日本独自の暦を作り上げること。
当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。
改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、
算術に生き甲斐を見出していた。
彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。
日本文化を変えた大計画をみずみずしくも重厚に描いた傑作時代小説。第7回本屋大賞受賞作。
面白かったです!
本屋大賞受賞作とは言いつつも、なんだか小難しそう……というイメージがあり、なかなか読む気になれませんでした。
今回、映画化ということもあり、文庫落ちされたので読んでみようかなと思ったのでした。
とても読みやすかったです。
星だの暦だの算術だの、江戸幕府だの朝廷だのに「ん?」と思う間もなくスルスル~っと入っていけました。
春海の人柄に好感が持てますし、春海を支える人物たちもとても魅力的に描かれていたように思います。
そうしたこともあり、お話的にも無理なく入り込めたのではないかと思いました。
何度も何度も挫折(負け)があって、またダメだったんだ~と若干イラッとさせられますが、それでも、そんな簡単なことではないんだなと、やはり、長い年月を要する新しい暦作りというものに挑戦し続けた春海と、やはり、春海を支えて来た人達に感動の気持ちがわきました。
映画が楽しみですね~。
誰がどの役を演じるのか、まずはそこが楽しみです。