ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

定年ゴジラ / 重松清

2006-06-16 | 本 男性作家


  定年ゴジラ

  重松 清 著     講談社文庫 / 2001.2


  開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。
  途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。
  「ジャージーは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、
  単身赴任で浦島太郎状態のノムさん。新天地に旅立つフーさん。
  自分の居場所を捜す4人組の日々の哀歓を温かく描く連作。 
  「帰ってきた定年ゴジラ」収録の完成版。





これも面白かったです。
重松さん、いつも自分の年齢近辺の主人公のお話が多いように思いますが、この作品では、重松さんの
ご尊父の年齢層が主人公でした。
連作の短編集となっているので間違いなく読みやすいですし、短編ではあるものの連作ですので、読後の満足感はいつもの重松作品と何ら変わりはありませんでした。

それぞれ4人(始まりは5人だったのですが)の人物描写がとてもリアルで、それだから決して微笑ましくはなく(?)、どちらかというと物悲しい印象を持ってしまいました。
特に、ずーっと単身赴任をしていたノムさん、定年になってようやくマイホームに帰ってきたけれど、小さかったはずの子供たちが今は立派な大人になっていて、自分の居場所を見つけられずにモヤモヤと過ごしていくのですが・・・。

私は文庫で読んだのですが、単行本の装丁は4人の定年ゴジラたちの正面のイラストが描かれています。
文庫では彼らの後ろ姿が描かれていて、どの人が誰なのかが判らなかったのですが、単行本の正面の姿を見てすぐに判りました!!
こういう遊び心もニクいですな~~~。



 ←こちら単行本の表紙

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