風 かざみち 道

笑顔の日々を話したい

雨の土曜日

2007-11-10 | 日記
雨の土曜日、朝から可愛らしい声が聞こえる。

その声を頼りに窓の外を見た。

聞き覚えのない声が、雨の音と交じり合う。

間違いない。確信した私は窓に手をかけた。

と、その時彼の姿を目に捕らえた。

極力音を立てずに窓を開け、ベランダに出る。

視線は彼から一瞬たりとも離さない。

手には既に小さなカメラを携え、手探りで電源を入れる。

そして忍び足で手すりに寄り、構えた。

目一杯望遠にする。

厳しいか、これで限界か。

パシャ。



   

トリ、とり、鳥、TORI。

最近噂を聞いている。

オレンジ色のニクイ奴が現われるという事で

トリ締まり強化中だったのだ。

その姿と声で女性をトリこにし

週刊誌にもトリ沙汰されてると聞く。

トリ越し苦労ならいいが、一応トリ調べをする。

君の名は。

   

「ジョウビタキ」

スズメ目ヒタキ科。初冬に日本にやって来る。

暖かくなると中国・サハリンに戻り繁殖。

   

このあたりに住処があるのか。
恋人はいるのか。

「ひトリ。テリトリはこの辺」

14、5センチほどの小さな体を上下に動かし

「カッカッ ヒッヒッ」と高音で鳴く。

トリえはあるのか。

   

「トリあえずこの色かな」

オスは胸から腹がきれいなオレンジ色。

そしてメスは黄褐色で地味目なのだ。

「彼女との間をトリ成してくれないか」

驚いた事にトリ引きを持ちかけて来た。

トリもちか?・・・いや意味が違う。

縁をトリ持つ、だろ。

いや、単なるトリつぎかもしれない。

「いいだろう。トリはからってやる」

   

彼は最後のトリでの、背中を見せた。

「この白い斑点が目印だ」

そう言って雨の中、トリ舵いっぱいで飛び立っていった。

スズメとそう変わらぬ小さな体で、中国まで飛ぶのか。

しかも群れない一匹狼だと言う。

この場合一羽トリと言うのか。

何とも不思議なトリックを見たようだ。

彼の名は「ジョウビタキ」 

またの名を「Mr.トリック」

トリの市のこの月には毎年、姿を見せるであろう。


日記@BlogRankingこの話はそっトリかいして下さると嬉しいです。