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板の庵(いたのいおり)

エッセイと時事・川柳を綴ったブログ : 月3~4回投稿を予定

エッセイ:「 痴漢と下着ドロ(28) 」2016.12

2016-12-26 22:46:30 | エッセイ
エッセイ:「 痴漢と下着ドロ(28) 」2016.12

本年も振り返ると、世界中でいろいろなことが起こった。シリアの内戦及びISとの戦争はシリア国民を難民に追いやるなど悲惨なものである。
 EUや米国などでイスラム過激派によるとされるテロが頻発。混沌とする状況下、英国のEUからの離脱、またEUでは難民の受け入れ反対が強まり、この先混乱に拍車をかけかねない。
 世界はフィリッピンのドゥテルテ大統領や米国次期トランプ大統領のような強い個性派リーダーを期待する時代になるのであろうか。
 
 明るい話題としては、ブラジルのリオは治安が悪くスリや窃盗、強盗が横行する。こんなところでオリンピック大会はどうかと懸念されながらも成功裏に終了。世界は、つかの間の平和を明るい国民性のブラジルに貰ったようなものだ。
 
 ところで、世界でも治安がよい国と言えば、日本や北欧、オーストラリア、ニュージランドなどであろうか。少し話が長くなるがヨーロッパの治安の様子をひろってみる。
 
 EUでは、ポーランドに行くというと、車を貸してくれないレンタカー会社も多いらしい。キャンプ場で車の横にテントを張って寝ていたが、翌朝目を覚ましたら車がなかったと。ウソではない、本当の話だそうだ。
レストランで外の駐車中の車を視野に入れ、食事を済ませ支払いをして外にでたら車がなかったと。魔法に掛かったような本当の話だと。
 国境の往来が自由にできたため、チェコに隣接する、ドイツでは夜の間に電柱の電線から玄関のドアの取っ手まで盗まれるようになった。ここまでやるのと言いたい、本当の話だそうだ。
 
 日本人が海外旅行ツアーに出かける際には、添乗員からスリなどの被害に合わないように散々注意されることだ。
 イタリアでは数人のロマ(ジプシー)の子供に物乞いのボール紙を突きつけられ、たじろいた瞬間(3秒)にジャッケットのポケットが全開となり財布だけが消えていた。

ドイツ人がローマで路線バスに乗ったら数人の男に詰め寄られて、やっとの思いで下車したら、財布がなかった。 
イタリアのスリは、お金を抜いたあと財布を郵便ポストに入れるそうだ。郵便屋はそれを警察に届けるので財布も身分証明書もちゃんと帰ってくる。イタリアに比べるとドイツ人のスリはモラルが低いと。
 
 スペインもスリで有名だ。日本人の家族は、バカンスで高速道路のドライブインで休憩。発車しようとするとパンクしていると親切に教えてくれる二人組みが、タイヤ交換まで手伝ってくれた。後で助手席においてあった貴重品やバッグが消えていた。
 
 車を取られた二日後にスペイン警察から車が見つかったと言う連絡が来た。引き取りに行くと真っ赤な嘘で、意気消沈してドイツに帰宅すると、家からごっそり貴重品が消えていたと。国際的な窃盗団チームワークに引っかかったのだ。
 
 泥棒の話はまだまだいくらでもかける。これもそれも新聞で読んだ話ではなく、すべて自分の身近で起こった話なのである。ヨーロッパというとは物騒なところである。
 日本で遭遇したすりの話を書けと言われても何もかけない。その代わり、落し物が戻ってきた話はいくらでもかけると。(講談社:川口マーン恵美、ドイツに30数年在住)
 
私は、首都圏に在住して60年近くになるが、友達や身近な知り合い、あるいは勤務した会社の仲間から、スリや窃盗の被害にあった経験談や噂話は一度も聞いたことがない。
 よく日本人は世界で一番治安がよい国は日本であると自負している。ところが昨今、はたしてどうなのかなと首を傾げたくなる。それは「痴漢」「下着泥棒」と「振り込め詐欺(特殊詐欺)」などで、おそらく日本に特有の犯罪のようだ。

 痴漢は対象とされる女性からすると、物品は取られない、危害も加えられないが身の毛もよだつような犯罪であろう。
 痴漢は「痴漢罪」などという刑法犯罪ではなく、都道府県の条例に定められた迷惑防止条例などで罰せられる。

「なぜ日本人男性には痴漢(ちかん)と下着泥棒が多い?」として、その理由を以下のようにあげている。

① 外国では、レイプ事件は頻繁に起きているが、痴漢と下着泥棒は、めったにない。
  この二つの性犯罪は、日本名物とさえ言える。 
② 日本人男性に痴漢と下着泥棒が多いのは、一口に言えば、性的な欲望が抑圧された形で、
性的ストレスがたまっているためといえる。
③ 会社で、まじめな社員を演じ、家でも、やさしい夫を演じる。 
④ そういう仮面的な生活でたまったストレスのハケ口として、痴漢と下着泥棒に走るの  
  だ。  
⑤ 日本人男性には女性をレイプするほど、暴力的で攻撃性の強い人は、比較的まれだ。

 以上は、当らずとも遠からずか、ナンセンスか  どっちだろう?

 電話を利用した「オレオレ詐欺、振り込め詐欺」は、固定電話の時代では犯人の身元が割れるから無理であった。携帯電話の普及により、それが担保されるようになり急激に増加している。
 
 振り込め詐欺は、年間500億円を超えているそうだ。高齢者を中心に大きな社会問題になり、政府、警察、自治体、銀行などから広報で呼びかけている。今では「オレオレ」の単純なものからいくつものバージョンに進化しているようだ。
 
 こんな単純な詐欺によくも500億円も盗られるものだと驚く。そこには日本人特有の人間性や社会性が根ざすからだろう。  
 
 欧米社会は、個人主義で成り立っている。成人した子や孫の金銭的不祥事を親や祖父母が代わりに保証する概念がない。
 従って電話による「振り込め詐欺」の芝居が成り立たないのであろう。下手にやれば怪しい電話だとして警察に内通され御用となりかねない。
  
 日本の社会では、子や孫の金銭の不祥事を親や祖父母がうことが当然のような風潮がまだ残っているのだろうか。私には親や祖父母の方が子離れ、孫離れしていないようにも見える。子や孫が世間様に顔向けできないことになれば可哀想だし、自らも苦しむということ心配するのだろう。
 高齢者が汗水たらして蓄えたお金を騙し取っていく犯罪は許せない。詐欺をゼロにはできないが社会全体の問題として何としても減らして行きたいものだ。
 


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