おもしろ医療解説

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捻挫と脱臼

2012-05-22 07:38:31 | 病気の仕組み
似ているようで、実はちょっと違います。

前にお話しましたが、それぞれの関節は動く範囲(可動域)が決まっています。

その範囲を逸脱して、本来の可動域を超えて動いてしまうのが脱臼です。

関節の動きは靱帯によって、ある程度制限されています。もし靱帯による制限がなかったら、骨がぶつかるまでいくらでも動いてしまいます。しかしそれでは安定感に欠け、股関節や膝関節のような体重を支える関節の場合、色々な弊害がでてきます。

そんな関節を取り巻く靱帯が引き伸ばされたり、ちぎれたりするのが捻挫です。

脱臼も捻挫も、関節が可動域を超えて動きますが、関節を作る骨同士が離れてしまったものが脱臼、骨は離れていなくて周りの組織が損傷するのが捻挫です。

脱臼は肩関節の脱臼が有名です。肩関節は肩甲骨のくぼみに上腕骨がはまっていますが、このくぼみが浅く平皿のような形なので、簡単に脱臼しやすいのです。

捻挫は足関節で起こりやすいです。足関節はいわゆる足首のことですが、この足首は体重を支え、歩くときによく使います。そんなわけで、バランスを崩し転倒すると、関節が変な方向に曲がった上に体重が乗ってしまうので非常にやっかいです。