石原信市郎です。

頑張ろう福島!!力を併せてこの国難を乗り切ろう!!

ちょっと真面目に議会での活動をまとめてみました。

2009年11月02日 16時39分59秒 | 日記
私は平成21年6月の福島県議会定例会において、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行い、障害者の社会参画を促進していくことが社会や行政に求められていると考え、特別支援教育と障害者の就労支援について何点か質問いたしました。
障害者を取り巻く環境は障害者自立支援法が平成18年10月から本格運用されたことにより大きく変わってまいりました。障害を持った方々の多くはこの法律改正に対し、「本当に自分たちの福祉向上に役立っているのか?」と疑問を感じているところですが、その声は福島県にも十分に伝わっています。
私たちはどのように制度が変わろうとも「最も援助を必要とする最後の一人の尊重」、「可能性の限りない追求」、「共に生きる社会づくり」の理念を変わることなく持ち続け、様々な問題を包含する障害者自立支援法を利用者にとってより良いものとするために、縦割り行政の枠組みを超えて、取り組んで行かなければならないと感じているところです。
そのような中、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律が制定され、障害を持った方々の意欲や能力に応じた障害者の雇用機会の拡大が図られ、今後の障害者雇用の拡大に大きな期待が寄せられているところです。  
そこで、まず障がい者の就労支援に県としてどのように取り組んでいくのか県の考えを伺ってみました。県としては障がい者の就労支援について、県が福島市に設置している障がい者就業サポートセンターと国が県内五カ所に設置している障害者就業・生活支援センターの連携により、県下全域においてきめ細かな就職相談や職場実習等を行うとともに、事業所への委託訓練、テクノアカデミー郡山における職業訓練などを行っていく、また、県内十二カ所の福祉施設において、一般就労に必要なマナーや職業習慣の習得等を支援する就労移行支援事業などを実施しており、今後も、障がい者の職業能力の開発、企業に対する雇用の促進等について積極的に取り組んでまいる考えであるとの見解が示されました。残念ながら幼児教育を含めた特別支援教育との長期間にわたる連携を視野に入れ、就労支援に結びつけて行こうとする視点はありませんでした。
続いて特別支援教育の充実とどのように就労と社会参加に結びつけて行くのかについて何点か質問いたしました。
特別支援教育は平成19年4月の学校教育法の一部改正などにより大きく変わり、小・中学校においては、通常の学級に在籍する発達障がいを含む、障害のある児童生徒についても適切な教育を行なう事が規定されました。
一方で特別支援学級への入級が引き続き増加しており、「一人一人の教育的ニーズ」といったその理念を実現するための特別支援教育コーディネーターの配置状況は、全国調査によると調査で幼稚園で46.4パーセント、小学校で99.2パーセント、中学校で94.3パーセント、高校で71.1パーセントと、全国的に見ると地域差及び学校差があることが浮き彫りになっています。
このような状況の中、自分の住む地域に希望する特別支援学級が無いために学区外に通学する例があるなど、特別支援学級の設置をさらに求める声もあります。そこで、特別支援学級の設置基準を緩和することがきめ細やかな教育を行う大前提になるのではないかと、県教育委員会対し考え伺いました。県は特別支援学級の設置基準について、対象となる児童生徒が四人以上で学級を編制することとなっているが、その設置に当たっては、障がいの程度や、小学校から中学校への教育の一貫性、通学可能な範囲における特別支援学級の設置の有無等を勘案し、基準に満たない場合であっても設置を認めるなど弾力的に運用をしており、その結果、平成21年5月1日現在で特別支援学級全体の54.3%が児童生徒数3人以下となっており、小中学校における設置については十分であるとの見解が示されました。
しかしながら、発達段階における一番重要な時期である幼児期においての特別支援教育への支援については答弁を引き出すことができませんでした。ただし、9月18日に示された福島県学校教育審議会の答申である「今後の特別支援教育の在り方について」では高等学校においても特別支援教育支援員を配置したりするなど、校内支援体制の整備・充実を図る必要がある。との文言が組み入れらたところであり、今後の取り組みを支援していきたいと考えています。
また、小中学校における特別支援教育を円滑に実施するためには特別支援教育コーディネーターの存在と役割が重要であり、LD、ADHD、高機能自閉症等の発達障害の有る児童生徒の問題についても精通している事が求められていますが、小中学校における特別支援教育コーディネーターの専門性の向上をどのように図っていくのかについて、県教育委員会の取組みを伺いました。県としては特別支援教育コーディネーターについて、校内委員会や校内研修の企画・運営、関係機関との連絡・調整などコーディネーターの役割を十分果たすことができるよう、講義や演習等による研修を行うほか、各市町村教育委員会が実施する特別支援教育コーディネーター研修会に要請に応じて指導主事を講師として派遣することとしており、こうした取り組みを通じてコーディネーターに必要な知識や技能を身につけさせ、その専門性向上を図ってまいりますとの答弁がありました。
特別支援教育を成功させるためには人と人とのつながりが重要であり、その結節点になる特別支援コーディネーターについては、今後も人材育成に十分に配慮して頂きたいと感ずるところです。
また、「一人一人の教育的ニーズ」に応じた個別指導計画の作成するに当たっては、学校内や保護者などのコンセンサスを得ていく事も求められており、さらに、特別支援教育を必要とする児童、生徒ともに生活を共にしながら作り上げていく個別の指導計画の引継ぎも、一人一人の個性を引き出すためには今後絶対に必要とされるものと私は思っています。障がいのある児童生徒が在籍する特別支援学級においては、最終的に児童生徒の社会参加につなげるためにも、個別の指導計画の積み上げは重要であると考えており、小中学校の特別支援学級における個別の指導計画の作成と活用と、特別支援学級を支援するために、地域における特別支援学校のセンター的機能の充実に向けた県教育委員会の取組みについて県の考えを伺ってみました。県からは、特別支援学級における個別の指導計画については、保護者の願いや本人の希望を踏まえ、多角的な視点から児童生徒の状況を把握し、具体的な目標や支援の方法を明確にして作成するとともに、その活用に当たっては、すべての教職員の共通理解のもと、授業の改善や一貫した指導、さらには保護者との連携に生かすことが重要であると考えているとの見解が示されましたが、それをどのように社会参加に生かしていくのかという視点での答弁を引き出すことはできませんでした。
その後、9月18日に示された「今後の特別支援教育の在り方について」という福島県学校教育審議会の答申において保護者との連携の下、個別の指導計画及び個別の教育支援計画を幼稚園などから小学校、小学校から中学校、中学校から高等学校へ適切に引き継ぐ必要があるとの答申がなされ、一定の前進を得ることができたところです。
さらに、特別支援学校のセンター的機能については、これまで特別支援学級の求めに応じて相談、研修、情報提供などを行ってきたが、今年度はより専門性の高い効果的な支援ができるよう、すべての教育事務所に特別支援教育を専門とする指導主事を配置して特別支援学校の指導に当たらせているところであり、こうした取り組みを通じてセンター的機能の充実に努めているところであるとの答弁がなされました。
現場からは各学校に設置されている特別支援学級の連携や情報交換などが、今後の特別支援教育を成功させるために必要であり、そのためにはセンター機能が必要であるとの声を寄せられているところであり、今後もその充実に向けて積極的に発言をしていきたいと感ずるところです。
先にも述べましたが、福島県学校教育審議会の答申において、市町村教育委員会は、県教育委員会以外が実施する研修に加え、幼稚園、小・中・学校のすべての教員に対して特別支援教育関する基礎・基本となる内容について研修を行うとともに、特別支援教育コーディネーターや直別支援学級などの教員に対して、より専門性の高い内容の研修を実施するなど、それぞれの役割に応じた専門性の向上を図る必要がある。と述べており、全般的に制度を作るだけで終わりとするのではなく、今後も人材育成を積極的に図って行くのだという、県に対する期待感を持つことができたところです。
 今回の質問を通じて思ったことは、特別支援教育という現行の制度そのものが、まだ始まったばかりであり、県も市町村も教員も試行錯誤の中精一杯の努力をしているが、社会の要望に応えるところまでは行っていないということでした。走りながら態勢を整えているという感じですが、議会でのやり取りを通じ、特別支援教育がその本来の目的に合致したものになるよう努力していきたいと思うところです。

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