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最近はフィギュアスケートと歌舞伎鑑賞記録が主流でござります

七月大歌舞伎 十二夜

2007年08月15日 | 歌舞伎
先月からずっと仕事が忙しく、先週はついに体調を壊して風邪をひき、あげくに家で突然ネットが繋がらなくなるハプニングが起き、遅れに遅れて今更ながら「十二夜」の感想です。明後日の金曜日は納涼歌舞伎に行くし、もう今書かないと一生書かないだろうということで(^^;ゞ 記憶もちょっぴり薄れているので、本当にごく簡単に。

2年前の初演の時は歌舞伎チャンネルで拝見して、かなり面白かったので、再演の話を知った時には、今度こそ行くぞ!と意気込んでおりました。もともと蜷川作品が好きなので、蜷川さんと歌舞伎とのコラボにも全く違和感や拒絶感も無しに入っていけましたし、おりしも周囲には「決闘!高田馬場」や「風林火山」で亀ちゃんにハマった友人達がおりましたので、誘って一緒にレッツGO!
生で観て印象的だったのは、やっぱり蜷川流舞台美術の美しさ。舞台一面の鏡張りのセットは初演を観て知っていたにも関わらず、幕が開くとやはりおお!っとどよめいてしまいますね。でも私は3階席だったんですが、1階最前だったら自分の姿が終始映っててちょっと恥ずかしくて嫌かも(^^; 
その後の船のセットも凄かった。3階から観ると、舞台上に照明で波が作られているのがすごく綺麗に観えて、本当に海の上を大きな船が進んでいくようでした。もうこの序幕の舞台セットだけでも充分に生で観て良かった~という感動を味わえましたしね。

もちろんストーリーも役者も良かったです。
「十二夜」はシェイクスピア作品の中では数少ない喜劇なので、笑いどころも満載だし、菊之助君が兄妹の二役を演じてその早替わりが本当に凄かった。ああいう早替えって着物だからこそできるらしいですが、それにしても、鬘から着物まで一式替わってあっという間に出てくるのだから凄い! 物語の中では妹のほうがメインに出てくるんですが、この妹が職に就くために、また男装してお小姓になるものだからややこしいんです(汗) 時々うっかり女に戻っちゃって慌てるのが面白いところなんですけどね。劇中で3役演じた菊之助君は素晴らしかったですね。もともと男でありながら女形をやり、さらに男を演じるなんて、もう何が何だか?って感じで感覚を想像できないですけどね。でもやっぱり菊ちゃんのハマリ役だなあ。

菊五郎さんも二役で大忙しでしたが、やっぱりあの鬱金色には大笑いでした。菊五郎さんって真面目な顔でああいうことやるから余計に可笑しいんですよね。この前の俳優祭でも「北千住観音」で全てかっさらっていきましたし(笑)
そしてまじめな菊五郎さんを鬱金色に染めたのが、亀ちゃん、左團次さん、翫雀さん、團蔵さんのカルテット。「風林火山」を観た後では、亀ちゃんと左團次さんがイチャコラしてる姿が可笑しくてしょうがなかったですけどね。でも亀ちゃんはこれでもかっ!ってぐらいハジケてましたね。初演の時もこんなにいろいろやってたっけ?と思ったぐらいに。ほふく前進とか綺麗にズルリと滑ったり、女中・麻阿としての仕草もいろいろと細かいんですよね。
翫雀さんの役だけが今回初役で、初演の時の松緑さんと比べると、道化役の中にも、あえて道化の振りをしてるんじゃないかというような賢さみたいなものが見えました。どっちの解釈が正しいのかはよくわかりませんが、とにかく初演の松緑さんの奇抜ぶりがものすごい印象的過ぎたので(^^;でもマフラー可愛かった。
團蔵さんは相変わらず若々しくて素敵♪ 怖面系の役もいいですけど、こういう軽いお調子者も上手いですね。

錦之助さんの左大臣はやっぱりハマリ役! ただこの左大臣、役としてはやっぱり突っ込みどころは多いです。菊ちゃんの獅子丸が実は女性だったとわかったらあっさり織笛姫から鞍替えすんのかよ?とかね(笑)
同様に織笛姫も獅子丸そっくりのお兄ちゃんが現れたらそっちに鞍替えかよ?!と。性格全然違うけど、顔だけでOKなの!? まあ時蔵さんが綺麗だったからいいけどさ(爆)
ハッピーエンドでめでたしめでたし…だけど、冷静に考えると、皆それでいいの?!と思えなくもないストーリーですな。

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