

<「素粒子」―5月25日>
http://www.asahi.com/articles/ASH5R4RXJH5RUSPT00K.html
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目いっぱいの数を集めて。「爆買い」の返礼のような訪中団に習主席も相好を崩す。3千人の体温で氷を解かす旅。
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日常用語で言えば、「馬鹿じゃないの?」ということだ。安倍政権を批判する言辞とはなんたる違いか?(それにしても二階議員の卑屈な態度はなんだ?)
産経の見方はこうだ。
<習式揺さぶりの術? 二階氏ら「正義と良識ある日本人」、安倍首相が「諸悪の根源」>
■【北京=矢板明夫】中国の習近平国家主席は23日夜、自民党の二階俊博総務会長が率いる約3千人の訪中団(財界や日中友好団体の関係者らで構成)と面会した際、安倍晋三政権の歴史認識を暗に批判する一方、訪中団のメンバーを「正義と良識のある日本人」などと褒めたたえた。日本政府と一般の国民を切り離す「二分論」を展開し、日本の世論に揺さぶりをかけようとする思惑があるとみられる。
日中関係をめぐっては、3月末から5月初めにかけて自民党の谷垣禎一幹事長や高村正彦副総裁、額賀福志郎元財務相ら日本の要人が相次いで訪中し、それぞれ習主席との面会を求めたが実現しなかった。
2012年11月に中国の最高指導者となった習主席は対日強硬姿勢を崩さず、日本政府要人と会うことを極力避けており、今回の二階氏訪中に関しても、「習主席には会えないのでは」との見方が出ていた。
ところが、習主席は人民大会堂で開かれた日中の交流式典に突然登場し、関係者を驚かせた。ある中国共産党関係者は「習主席は日本の民間人に対し『日中関係悪化の原因は全て安倍政権にある』と直接強調するのが目的だ」とした上で、「日本の世論を分断し、8月に発表される戦後70年の首相談話や憲法改正の動きを牽制(けんせい)したい思惑もある」と指摘する。
日本政府と国民を区別する二分論は毛沢東時代からの対日工作の常套(じょうとう)手段だ。「諸悪の根源は軍国主義の復活を図る右翼政治家にあり、日本国民は政府に洗脳された被害者だ」という論法で、日本のリベラル勢力などを味方に付けることを目的にしているという。
習主席はこの日の講演で、唐代の詩人、李白と、唐で学んだ阿倍仲麻呂との友情などを例に挙げ、日中交流には長い歴史があり、今後も民間交流を展開する必要性を強調した。その上で、日中戦争が中国国民に大きい災難をもたらしただけではなく、「日本国民もあの戦争の被害者だ」と主張し、訪中団に「歴史を歪曲(わいきょく)する動きに一緒に反対しよう」と呼びかけた。■
中国側の深謀遠慮なのだ。術策にはまってはいけない。
深謀遠慮 意味http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/idiom/%E6%B7%B1%E8%AC%80%E9%81%A0%E6%85%AE/m0u/
深く考えを巡らし、のちのちの遠い先のことまで見通した周到綿密な計画を立てること。また、その計画。▽「深謀」は奥深い見通しをもったはかりごと・考え。「遠慮」は、ここは将来について考え巡らす、遠く先のことをおもんぱかる、よくよく考える意。
夕刊フジは<習主席、露骨な“すり寄り”「安倍政権分断作戦」 二階氏訪中団に懐柔策>http://www.sankei.com/world/news/150526/wor1505260011-n1.htmlとの記事も掲げている。
その中国側の意図を読売の社説が解説していた。
<二階氏訪中 習氏の対日改善姿勢は本物か>
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150525-OYT1T50127.html
■中国としては、異例の歓待ぶりだった。日中関係の本格的な改善につなげる意思があるのか。きちんと見極め、適切に対応することが大切だ。
自民党の二階総務会長が、観光業界関係者ら約3000人を率いて訪中した。習近平国家主席は歓迎行事で演説し、「中日関係の発展を重視しており、この基本方針は変わらない」と強調した。
遣唐使の阿倍仲麻呂や1972年の国交正常化など、良好だった両国関係史にも触れ、日中友好や民間交流の重要性を訴えた。
二階氏は、安倍政権内での対中関係改善の旗振り役だ。習氏は、二階氏の訪中に合わせて、日中関係を重視するという前向きなメッセージを発したのだろう。
二階氏が安倍首相の親書を手渡すと、習氏は「互いに戦略的互恵関係を推し進めれば、良い結果になる」と応じたという。
歴史問題に関して、習氏は同じ演説で、「日本軍国主義の侵略の歴史を歪曲わいきょく、美化しようとする、いかなる言行も許さない」と述べた。今夏に戦後70年談話を出す安倍首相を牽制けんせいしたものだ。
安倍首相は再三、「村山談話、小泉談話を全体として受け継ぐ」と明言している。先の党首討論でも、村山談話にある「痛切な反省」に改めて言及した。
だが、安倍談話の内容次第では、習氏が強硬姿勢に転じる余地を残しているのは間違いない。
9月3日には「抗日戦争勝利70年」記念式典が予定される。習政権が歴史問題に絡めた反日カードを手放すことはあり得まい。
今回の習氏の融和姿勢には、政権の安定にかかわる成長減速への強い危機感がうかがえる。
中国は、景気下支えのために利下げを繰り返すが、目立った効果は見えず、消費は伸び悩む。日本の対中投資は激減し、企業間の協力や交流も停滞気味だ。
習氏には、日本の技術や資金とともに、減少した日本人観光客を呼び戻す狙いがあろう。
南シナ海の岩礁埋め立て問題を巡り、米国との対立が顕在化する中、対日関係の修復により、日米同盟の圧力を緩和させたい。そんな思惑もあるのではないか。
菅官房長官は、二階氏訪中について「極めて有意義」と評価した。貿易・投資の拡大や安定した日中経済関係は、経済政策「アベノミクス」にとっても重要である。
日本は、中国の反日宣伝や海洋進出には的確な対抗措置を取りつつ、日中関係全体の改善の流れを定着させることが欠かせない。■
常識的な見方であろう。能天気でおめでたいのは朝日だけだ。
戦略的な中国に対して、韓国は相変わらずである。先日も取り上げたパククネらの発言である。
<【世界遺産登録へ】
韓国の“小言”聞かされるために訪韓? ユネスコ事務局長の胸の内は…>
http://www.sankei.com/world/news/150523/wor1505230047-n1.html

■世界文化遺産に登録見通しの「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県)に関する日韓事務レベル協議が22日行われたが、歴史問題に執着し反対する韓国と遺産の政治問題化を疑問視する日本との溝は埋まらなかった。この協議に先立ち、国際会議出席のために訪韓していた国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長に朴槿恵(パク・クネ)大統領をはじめとする高官らが登録反対を求める「直訴」を相次いで行い、韓国内でも大きく報道された。本来の訪問目的である国際会議の話題が二の次になってしまったことをボコバ事務局長は、どう受け止めたのだろうか…。(ソウル 名村隆寛)
7月3~6日の世界遺産委員会(ドイツ・ボン)での登録正式決定を先に控え、ボコバ氏はこのほど韓国を訪れた。ただし、訪韓目的は19日に仁川で開かれた、今後15年間の世界の教育の課題を協議する世界教育フォーラムへの出席だった。
ところが、フォーラム当日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相はボコバ氏との会談で「日本が(朝鮮人)強制労働の歴史を無視したまま登録しようとしている」と登録見通しに憂慮を示し、反対の考えを伝えた。
翌20日には、朴槿恵大統領がボコバ氏と会談し「遺憾なことに、日本は一部の施設で非人道的な強制労働が行われた歴史から目を背け、世界遺産に登録するよう申請した。世界遺産条約の精神に背き、国家間の不必要な対立を招く」と直接、反対を訴えた。国会外交統一委員会の羅卿●(=王へんに援の旧字体のつくり)(ナ・ギョンウォン)委員長も同日、ボコバ氏に会い登録反対の意向を伝えた。
韓国は「登録対象施設の一部で日本の朝鮮半島統治時代に朝鮮人が動員された」と登録に反対。日本は「(推薦の)対象とする1850~1910年とは異なる時代の出来事だ」と説明し、むしろ“無用な政治問題化”を懸念している。
朴大統領から反対を直訴されたボコバ氏は、韓国の主張を世界遺産委員会に伝えると答えたという。一方でボコバ氏は、「日韓が直接話し合ってよい結果を出すべきだ」との立場を朴大統領、尹外相、羅委員長にそれぞれ示し、3日間の滞在日程を終えて韓国をあとにした。
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ボコバ氏の胸の内は分からないが、言葉どおり「日本とうまく話し合ってくれ」といったところではないだろうか。
現に、日韓の歴史認識をめぐる問題で韓国が第三国で騒ぐたびに、米国などでは「日韓で話し合って」という反応が出る。韓国の主張に対する疲れも見え隠れする。
こうした複数回の「直訴」について、韓国でもごく少数ながら「やり過ぎ」との意見がある。「1日前に尹外相が同じ憂慮を表明したのに。わざわざ大統領まで出てくる必要があろうか。中立であらねばならない事務局長(ボコバ氏)の(決定への)介入は難しい。効果は期待できず、日本の反発だけを招く(朴大統領の)憂慮表明だった」(東亜日報22日付コラム)との見方だ。
安倍晋三首相の米上下両院合同会議での演説に対する執拗(しつよう)な“反対”に続き、今度は世界文化遺産への登録を何が何でも“阻止”しようとする韓国。冷静な見方を示した東亜日報のコラムではあるが、一方で「韓国外交官らの現実的な目標は、登録条件として過去に朝鮮人徴用があったという事実を十分に知らしめること」とも指摘している。
結局は、韓国が満足しない登録は受け入れられず、譲れないのだ。■
毎度うんざりの韓国の対応である。こうした「韓国疲れ」について、産経の黒田ソウル駐在客員論説委員も書いている。
<【から(韓)くに便り】
慰安婦問題…日本非難を触れ回る韓国に米国でも“うんざり感”>
http://www.sankei.com/world/news/150524/wor1505240012-n1.html
■先日、日本でのさる講演会で「韓国は疲れますよねえ。うんざりという感じですが、黒田さんは韓国に長くいて疲れませんか?」といわれた。日本でよく聞かれる質問だ。韓国の執(しつ)拗(よう)な反日現象に刺激され、日本で広がっている反韓、嫌韓感情の一端である。
安倍晋三首相の訪米に対する韓国の“妨害工作”も日本人の対韓感情をさらに悪くしたに違いない。歴史認識だろうが慰安婦問題だろうが、ともかく「日米関係になぜ韓国がしゃしゃり出て日本の足を引っ張るのか?」というのが大方の日本人の気持ちだろう。
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ところが「韓国には疲れる」という話は実は日本だけではなく、米国でも出ているらしい。韓国の新聞がワシントン発で伝えていたが、日本との首脳会談を拒否し関係悪化を続ける韓国に対し米当局者や研究者たちの間で「いい加減にしろ」という気分が広がっていて、それが「コリア・ファティーグ(韓国疲れ)」といわれているのだそうだ。
慰安婦問題を押し立て、日本に謝罪させようと米国で官民挙げて日本非難を触れ回っている韓国に、米国でも舞台裏では“うんざり感”が出ているというわけだ。
それでも“安倍たたき”に手ぐすね引いていた韓国マスコミは、無難に(?)終わった安倍首相の米議会演説に対して、相変わらず親韓派の米議員などを動員し批判のコメントばかり伝えていた。まるで米国全体が安倍演説を批判しているかのように。
安倍首相の訪米は日米同盟強化が最大目的だったが、韓国では米国と日本が仲良くすることが韓国の損であるかのような受け止め方がされていた。安倍首相のすることには何でも非難、反対する韓国マスコミの“安倍たたきキャンペーン”のせいだ。
日米韓協力体制の維持、強化を願う米国としてはこんな韓国の現実無視、現実歪(わい)曲(きょく)はさぞ頭が痛いだろう。・・・・・・・・・・■
馬鹿と韓国につける薬はない。