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なぜスズキ自動車は燃費試験不正問題で信用を高められたのか?
一部引用
「車は家族で乗るものだから、3人分で計測した」という理由で、規定重量60kgの3倍である180kgの重量で計測し、
その数字をカタログに載せていた。それを規定通りに計測すれば、燃費値が良くなるのは当然だ――という話がネットを中心に広まった。
スズキは「それは事実ではない」と否定をしたが、「スズキならそういう発想をしてもおかしくない」
と世間が思い込むほどに、“消費者目線のメーカー”だというイメージが根強いことを示すこととなった。
結果的には、会長の引責辞任にまで問題は広がったが、スズキが国の定める測定方法でやり直したところ、
「カタログ値よりも良い燃費」であることが証明された。「測定方法を見直すべき」との声も上がり、
不正が発覚したことでスズキの信用が上がるという、奇妙な現象が起こった。
「ハート・ツー・ハートはますます大切になる。人間はみな同じ。言語や風俗、習慣、環境が違っても、心と心が通じ合うことが重要」
1983年、インドでの基本契約の記者会見で、鈴木修氏が語った言葉だ。
突き詰めれば、オサムイズムとは、すべてこの「ハート・ツー・ハート」に行きつく。
自動車の作り手であるスズキは、消費者とハートで向き合ったからこそ、
前述の「デマ騒ぎ」が炎上することもなく、燃費試験においても「数値に偽りなし」の結果を示せたのだろう 。