忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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「仮面ライダー剣/デカレンジャー」に見る子供向け映画の実力

2004年09月07日 | 作品紹介(映画・ドラマ)
自慢じゃないが、昔私は「怪獣博士」と呼ばれていた。
「ウルトラマン」関連の本や図鑑を暇さえあれば読んでいた子供だったので、
気が付けば怪獣の写真を見ただけで
名前、身長、体重、出てくる回のタイトルまでスラスラと言えた。
あれから●●年、もう二度と劇場で観ることはないだろうと思っていた
「仮面ライダー」を観ることになった。
断っておくが、今回の鑑賞はあくまでも事故である。

今回観てきたのは、「仮面ライダーブレイド」と
「特捜戦隊デカレンジャー」の豪華2本立てだ。
子供の堪え性の無さを考慮してか、2本通しで観ても2時間弱と短めになっている。


■DVD:「特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE」


映画は「デカレンジャー」から始まった。
40分ほどの内容なのだが、これが予想以上に楽しめた。
子供向け映画であることをポジティブに解釈し、
「カッコ良ければ何だっていただくさ!」とばかりに
それはもうあっちゃこっちゃからいただきまくっている。
パワーゲイザーみたいな技出したかと思ったら衣装まで「KOF」っぽかったり、
犬の着ぐるみを着た隊長はまんま「ブラッディロア」だし、
「キルビル」のカメラワークや「アンダーワールド」の演出など、
(両手に銃を持って足下を円形に打ち抜き床を落とすとこなんかまんまだ)
元ネタがバレることも覚悟の上のような潔さがあってかえって好感を持った。
「バカ殿」出演時と寸分違わぬコント調芝居で押し切る石野真子や
すっかり特撮映画御用達女優となった新山千春など、
それなりのキャストも揃っているが、肝心のデカレンジャーの面々が
揃いも揃って不細工なのは一体どういうことなのか。
最近の戦隊モノはイケメン揃いをウリにしていたはずではないのか。
「子供がせがむから」を大義名分にして劇場に足を運んだお母様連中も、
この程度では納得しないと思うが。


■DVD:「劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE」


「デジカレンジャー」の終了後、休みなしで「仮面ライダー」が始まった。
最近の「ライダー」がシリアス方面へ向かっていることは聞いていたが、
冒頭からもう暗い。
「デカレンジャー」が振りまいたご陽気ムードが一変する。
ストーリーは、引退した旧ライダーと新たに任命を受けた新ライダーとの
確執がメインになっており、反発し合ったり協力したりするところは
この手のジャンルの定番とも言える展開だ。
少し気になったのが、
新ライダー達がどういう基準で採用されたのか、
(それが分からないと後半の展開が唐突過ぎる)
が説明されないなど、シリアスなフリをしている割には設定が甘いことだ。
「デカレンジャー」はあれぐらいでいいと思うが、
「ライダー」がこの程度では許されないと思う。
「ライダー」の製作スタッフには、
『我々は「デカレンジャー」の製作スタッフとは違う』という意識が
少なからずあっただろうし、そんな意気込みも感じるのだが、
上辺を除けば中身の薄さは同レベルだ。
だったら、潔い分だけ「デカレンジャー」の方が良いと思う。

不必要なまでに人が死にまくるのも違和感を覚えた。
「怪我でいいだろう、怪我で」と思う「死」もいくつかあり、
大人も楽しめる作品を目指したいのも分かるが、
ベースとなる支持層は小学校以下の子供達なのだということを
今一度肝に銘じて欲しいと思った。

上映後、ライダーがオロナミンCを配っていた。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:仮面ライダー&特捜戦隊デカレンジャー
    配給:東映 
   公開日:2004年9月11日
    監督:石田秀範(仮面ライダー)
       渡辺勝也(デカレンジャー)
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント (2)
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