忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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単価1円

2004年09月20日 | 業界四方山話
スペースの大小こそあれ、どこの店にも必ず置いているのが特価商品だ。
同じ棚に積み上げられていても、その中の特価商品にはいくつかのパターンがある。

1■不良在庫を捌くため、赤字覚悟で値下げした特価商品。
2■問屋から安価で仕入れた、ちゃんと利益の出る特価商品。
3■決算期などにメーカーが放出するため、同時期に大量に出回る特価商品。

この中でショップ関係者の頭を悩ませているのが「1」だろう。
定価販売も出来ず、値引きすれば利益は1割取れるかどうかという薄利で20本販売しても、
ものの5本も半値で売ればチャラになってしまう。
仕入れ金額に応じた返品制度も、ベスト化に伴う廃盤・回収の制度もないゲーム業界において
新品ソフトの仕入れはハイリスク・ローリターンなのだ。

だが、大半の小売りが泣く泣く値下げをする一方、
メーカーに助け船を出してもらう大手量販店もある。
大手ともなれば仕入れる数も半端ではないため、不良在庫の数も半端ではない。
当然、特価販売によって生じる被害額も甚大だ。
これを放置すれば、以降のそのメーカーの新作の仕入れ数にも影響が出てしまう。
そこで登場するのが「1円仕入れ」である。

以前、少し前まで軽々と数十万本を売っていた人気タイトル、
「●●●」の新作が急に売れなくなったことがあった。
人気が下降気味であることは薄々感づいてはいたが、まさかここまで・・・と皆が思った。
私がたまに立ち寄っていた大手量販の特価ワゴンは、
いつもなら多種多様のソフトが並んでいるのだが、その時には「●●●」だけが山と積んであった。
ちょっと圧倒されるほどの本数に疑問を抱いた私は、販売元である▼▼▼の営業に問い合わせたところ、

「あぁ、アレですか。×××××さんの担当さんにえらい怒られまして、
 1980円で売っても損にならなくなるまで単価1円で卸したんですよ」

と教えてくれた。

定価4800円のソフトなら、通常の仕入れ値はだいたい3600円前後だ。
「●●●」の不良在庫が某店に100本あった場合、在庫金額は360000円、
これを1980円で100本販売すれば、162000円の赤字が発生してしまう。
しかし、メーカーから追加で100本、単価1円で仕入れればどうだろう。
在庫金額は360100円で本数は200本、1本あたりの仕入れ単価は1800円まで下がる。
これなら1980円で販売しても赤字は発生しない。
もちろん、この方法をとるには200本売るだけの販売力が要求されるわけで、
その辺の小売りが「うちもやってくれ」と言っても無理な話ではあるのだが、
1本2本の不良在庫で右往左往する小売り店にとっては羨ましい話だろう。

というわけで結論。
同じ値段なら小さい店で買ってあげよう。
コメント (5)
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