閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

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秘録石原完爾

2014年03月25日 | 書評 伝記
秘録石原完爾/横山臣平/芙蓉書房出版/1971

石原完爾と同期生だった、横山臣平氏が、石原完爾の業績を後世に伝える目的で書いた本。
いわゆる石原完爾本は、突出した発想、能力に焦点を当てて、凄い人だと理解させる目的で書かれたものが多いが、この本は、最も活躍しだ満州事変時代以外に、2・2・6事件、内地への左遷、予備役、立命館での講演など東条英機との対立時代のこと、形勢悪化を悟り東条首相に作戦指導したこと、敗戦後直ちに声明を発し、マッカーサーに建白書なるものを提出したことなどについて記述があり、不遇の時代、石原完爾が何を思い、行動したか、この本一冊でわかるようになっている。

今でこそ、埋もれてしまった人のようだが、当時は国民的英雄だったことを知れば、現代人はこの稀代の英雄のことについて、もっと学ぶべきだろう。
ちなみに、東京裁判に付随する酒田での出張法廷にて、石原完爾が語ったことは、当時のアメリカ関係者をあっと言わせたに違いないし、その後、石原完爾のその時の陳述をベースに敗戦に至る経緯を執筆した歴史書が存在している。

もし、この人が、開戦前から国家の参謀だったら、少なくともあのような形での敗戦ではなかったかもしれないし、そう思わせるような凄み、鋭さが石原完爾にあるのは確かだろう。

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