イノさんへ
先日CBC(カナダ放送協会)の労使紛争で、会社側が5,500人、全従業員の6割にあたるメディア ギルドの組合員をロックアウトし、放送が停止されていることをお伝えしましたが、ストライキと異なり、会社側による一方的な閉鎖です。 ロックアウトの間は、賃金を払わなくてすむので、その分一日百万ドルの資金が浮く勘定になります。 そしてCDを廻して軽音楽とBBCから横流しされた番組だけを流している管理職は、オーバータイムは貰えませんが、実質的な超過勤務ですからボーナスが貰えるとあって、親方楓の公共企業の経営管理職は結構な気楽な身分と思われます。 ケベックだけは別の組合になっているので、ケベック州とモンクトンだけは、英語とフランス語の地方番組が平常どおり流れていますが、全国ネットワークの番組となると、音楽に切り替わります。
争議の発端は、現在働いている従業員のかなりの人達が、身分を保障された正社員ではなく、オン コントラクト(パートの契約社員)、及びキャジュアル(臨時雇い)であるため、そうした人達の身分保障の改善を求めて、組合が要求を出したものです。
アナウンサー、リポーター、プロデューサー、テクニシャンの多くが、こうした不安定な雇用条件のもとで働いているのが実情で、いつクビになるか判らずハラハラしています。
多くのベテラン局員も、13週間の契約で働いており、それを3ヶ月毎に更新していくのですが、そうしたオン コントラクトやキャジュアルだと、長年勤めても年金もつかず、その他の福祉手当の対象にもなりません。 ということは、会社も年金基金に半分出さなくてもいいわけで、人件費を圧縮しているわけです。
NHKやBBCは、視聴者から受信料を徴収していますが、CBCの場合は、一部テレビの広告収入がある外は、すべて税金で賄われているのですから、政府から交付される予算で縛られます。 それも年々減少する一方ですから、幹部も、無い袖は振れないと素気無い態度に出るのでしょう。 もう少し形だけでも誠意のある態度を応対すればどうかと思います。 組合もその辺の事情は判っているのですが、面子の手前おいそれとは引き下がれないのでしょう。
迷惑なのは視聴者です。 税金を払っているのに、反対給付がないのですから。 「日本では鉄道がストライキをすると通勤者が駅を襲う」と聞いて、公共機関のストに悩まされているカナダ人は「それは羨ましい」と言います。
かつてはイタリアと並んでストライキの多いカナダでしたが、今ケベックでは、地方公務員のストライキ、デーケアや学校用務員のストライキと、いずれは納税者がツケを払わなければならない労使紛争が相変わらずです。
今週末バンクーバーに帰る時、エアカナダの山猫ストライキがなければよいがと願っています。 来る時は、パイロットの遵法闘争で予定していた便がキャンセルされました。 翌日エアフランスの事故がトロントで起こりましたが、無事が何よりですね。
シゲより (05-8-30)
先日CBC(カナダ放送協会)の労使紛争で、会社側が5,500人、全従業員の6割にあたるメディア ギルドの組合員をロックアウトし、放送が停止されていることをお伝えしましたが、ストライキと異なり、会社側による一方的な閉鎖です。 ロックアウトの間は、賃金を払わなくてすむので、その分一日百万ドルの資金が浮く勘定になります。 そしてCDを廻して軽音楽とBBCから横流しされた番組だけを流している管理職は、オーバータイムは貰えませんが、実質的な超過勤務ですからボーナスが貰えるとあって、親方楓の公共企業の経営管理職は結構な気楽な身分と思われます。 ケベックだけは別の組合になっているので、ケベック州とモンクトンだけは、英語とフランス語の地方番組が平常どおり流れていますが、全国ネットワークの番組となると、音楽に切り替わります。
争議の発端は、現在働いている従業員のかなりの人達が、身分を保障された正社員ではなく、オン コントラクト(パートの契約社員)、及びキャジュアル(臨時雇い)であるため、そうした人達の身分保障の改善を求めて、組合が要求を出したものです。
アナウンサー、リポーター、プロデューサー、テクニシャンの多くが、こうした不安定な雇用条件のもとで働いているのが実情で、いつクビになるか判らずハラハラしています。
多くのベテラン局員も、13週間の契約で働いており、それを3ヶ月毎に更新していくのですが、そうしたオン コントラクトやキャジュアルだと、長年勤めても年金もつかず、その他の福祉手当の対象にもなりません。 ということは、会社も年金基金に半分出さなくてもいいわけで、人件費を圧縮しているわけです。
NHKやBBCは、視聴者から受信料を徴収していますが、CBCの場合は、一部テレビの広告収入がある外は、すべて税金で賄われているのですから、政府から交付される予算で縛られます。 それも年々減少する一方ですから、幹部も、無い袖は振れないと素気無い態度に出るのでしょう。 もう少し形だけでも誠意のある態度を応対すればどうかと思います。 組合もその辺の事情は判っているのですが、面子の手前おいそれとは引き下がれないのでしょう。
迷惑なのは視聴者です。 税金を払っているのに、反対給付がないのですから。 「日本では鉄道がストライキをすると通勤者が駅を襲う」と聞いて、公共機関のストに悩まされているカナダ人は「それは羨ましい」と言います。
かつてはイタリアと並んでストライキの多いカナダでしたが、今ケベックでは、地方公務員のストライキ、デーケアや学校用務員のストライキと、いずれは納税者がツケを払わなければならない労使紛争が相変わらずです。
今週末バンクーバーに帰る時、エアカナダの山猫ストライキがなければよいがと願っています。 来る時は、パイロットの遵法闘争で予定していた便がキャンセルされました。 翌日エアフランスの事故がトロントで起こりましたが、無事が何よりですね。
シゲより (05-8-30)