感染症疫学の風

感染症疫学について、薬剤師と一緒に語りませんか?

「ネタバレ」は楽しみを奪わない

2011年08月14日 | 本の話
本を読むときに、そのストーリーの最後がどうなるんだろう?と思い、わくわくしながら読み進む。それが本筋だとは分かっている。
先が気になって、どんどん進みたいから、つい、あらすじを追う様な読み方になってしまい、繰り広げられる会話の機微や情景を楽しむことなく、読み終えてしまう。

読み終えてから、すごく損した気持ちになる。

昔読んだ小説に出てくる「お母さん」。
「いつも、最後の部分を先に読み、それから改めてはじめから読み始める」。聞くと、「だって、安心して読めないじゃない。」と答える。

分かるわぁ~。その気持ち。

気に入った本は少し、時に数年、おいてからもう一度読みなし、その細やかな表現に初めて気がつくこともあります。

そんな私にとって、とても頷ける研究成果が発表されていました。

大学生を対象に、12の短編小説を使って、結末を知らない群と、あらかじめ知らされている群に分け、読書を楽しんだかどうかを評価したところ、知らされていた群の方がより楽しめた、というものです。

結果データはこちらにグラフがあります。


著者たちは「原因については不明だが、結末を知っていたほうが読書により深く没頭できるのでは」と推理しています。
「誕生日プレゼントは透明のセロファンに包まれている方が、婚約指輪はチョコレートムースに包まれていない方が、楽しめるように」とたとえられていますが、ちょっと微妙。

それにしても。
いろんな研究があるのですね。

「ネタバレにマイナスの効果はなし 研究で明らかに」の記事

研究の紹介はこちら
Association of physiological science のPress release


原文はこちら。
Story Spoilers Don’t Spoil Stories
Jonathan D. Leavitt andNicholas J. S. Christenfeld
Psychological Science, August 2011

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