「皇室問題INDEX」設立準備室

マスメディアによる皇室の偏向報道、ネットに流れる東宮家への誹謗中傷を検証しています。

■検証:週刊新潮「『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道」記事の信憑性について(2)

2013-06-21 05:22:07 | 日記
週刊新潮6月27日号(6月20日発売)が出ました。宮内庁長官と内閣官房長官が「事実無根」として求めた記事の修正には応じず、どころか、先週号の論調をそのまま継承し、補強する記事内容になっています。

●週刊新潮 2013年6月27日号:「雅子妃」不適格は暗黙の了解/「千代田」の迷宮

記事冒頭は、<「雅子さま」想定内のキャンセルに10秒絶句「陛下」の胸中>という大見出しを立て、東宮ご夫妻の被災地訪問延期の報告に陛下が絶句したことが、奇妙な臨場感を持って描かれています。誰が陛下のご様子を拝して『10秒』をカウントしたのか、またそれを新潮記者に教えたのか謎ですが、最高権威を利用してのえげつないバッシングであることは確かです(注1)。

この陛下の10秒絶句=雅子様への失望を証拠とし、前号で書いた内容が事実であるという論旨展開をするのです。すなわち、「次代は皇太子殿下に託すが、その後退位していただき、すみやかに悠仁様に継いでいただく」「それを可能にする典範改正案が宮内庁内で動いている」という前号記事のおさらいをしたうえで、記事はこう続きます。

>小誌は先週号で、宮内庁が官邸に要請した皇位継承を巡る「極秘プラン」を報じた。その根本にあるのは、両陛下が「雅子妃は皇后に不適格」と断を下されたという現実だ。

宮内庁と内閣官房が全力で否定した「極秘プラン」は、あくまでも事実であるとするわけです。それも、両陛下が「雅子妃は皇后に不適格」と断を下したために、その極秘プランが練られ、実現に向けて動いているのだと。

注1)記事では4月、5月、6月と3回も被災地訪問を延期したと叩いていますが、東宮ご夫妻の公務スケジュール(4月オランダ訪問、6月スペイン訪問)と雅子様がご病気療養中であることを考えれば、最初から無理があることが明らかな設定ではないでしょうか。バッシングを前提に、わざと無理なスケジュールを組んだ可能性が否定できないと思います。オランダ公務成功に焦った反東宮派は、国内公務ができないことを叩く仕掛けが必要だったに違いなく。いずれにしても、雅子様バッシングに被災地を利用するのは止めていただきたい。被災地への雅子様の思いが真摯なものであることは、被災地の方々に伝わっています。バッシングに利用することは被災地への冒涜です。


ところで、東京新聞6月16日号の「週刊誌を読む」コラムで、月刊『創』編集長の篠田博之氏は、新潮の前号記事について、次のように述べていました。

------(引用開始)

 今回の記事は、雅子妃の長期療養という事態にかんがみ、皇太子が即位後速やかに譲位するというプランが宮内庁を中心に進められており、皇室典範改正が検討されているという内容だ。これまでの皇太子夫妻たたきの流れに沿った論調ではあるが、気になるのは、水面下の動きが日付入りでやたら具体的に書かれていることだ。

 「週刊新潮」は、皇室の伝統を守るという保守的な立場から一貫して雅子妃バッシングを行ってきた媒体だ。恐らくそういう考えを持った皇室関係者が情報源なのだろう。それを考えると、今回、宮内庁が否定したのにあえて同誌がこの記事を載せたのには、ある種の思惑が働いているような気がする。同誌が次号の誌面でどんな対応をするか気になるとこころだ。

------(引用終り)

篠田氏が期待した「次号の誌面」は、前号の踏襲と補強だったわけですが。新潮の情報源である反雅子様派の皇室関係者とは、間違いなく陛下側近の千代田でしょう。陛下の絶句10秒をカウントできる立場にいるのですから。新潮は宮内庁の訂正要求を恐れておらず、「機密性の高い水面下」で実際に進められている動きであることに絶対の自信をもっているようです。

今週号の記事にも、さっそく宮内庁から訂正要求がありました。宮内庁が旧宮家の皇籍復帰を嫌い、虚偽情報を流したと書かれたことへの抗議で、それ以上の訂正要求はしていないようです。

>宮内庁は20日、週刊新潮6月27日号の皇室関連の記事に虚偽があるとして、週刊新潮編集部に抗議し、訂正記事の掲載を求めた。同誌記事への抗議は2週連続。記事は「『雅子妃』不適格は暗黙の了解『千代田』の迷宮」との見出しで、天皇陛下と麻生首相(当時)の虚偽のやりとりを、同庁側が外部に流した、などとする内容。同庁は「全くの事実無根で国民に誤解を与える」としている。
(宮内庁、2週連続で週刊新潮に抗議 2013年6月20日21時01分 読売新聞)

>宮内庁は20日、平成20年に当時の麻生太郎首相が内奏時に天皇陛下へ旧宮家の皇籍復帰を提案したのに対し、同庁側が「陛下は良い返事をされなかった」との虚偽の情報を流したとした週刊新潮6月27日号の記事について、「全くの事実無根」として文書で抗議し、訂正を申し入れた。宮内庁は今月13日にも、6月20日号の皇室典範改正に関する記事について同誌編集部に抗議し、訂正を求めていた。
宮内庁、週刊新潮に再び抗議 2013.6.20 22:09 産経ニュース


陛下側近の千代田から情報を得て記事を作成しているに違いない新潮、その新潮に2週連続で抗議する宮内庁。この両者の関係、それぞれの思惑は、いったいどうなっているのでしょうか。2つの見方ができるように思います。1つは、両者(千代田=宮内庁と新潮)が結託している、マッチポンプだと見るもの。両者の共通の目的は、「雅子妃は皇后失格」を広く国民にアピールし、かつ悠仁親王の即位の可能性を強く印象付けることと見ます。

もう1つは、新潮がジャーナリスト魂を発揮し、「機密性の高い水面下」で進んでいる陰謀の中身を国民に知らせようとしているという見方です。雅子様をバッシングし、紀子妃を讃えているのは、千代田=宮内庁(権力者)へのやむを得ないポーズと見ます。反東宮の急先鋒である新潮がそんなことをするはずがないとは私も思うのですが、真の保守、真の憂国者ならば、東宮ご夫妻こそが次期天皇皇后にふさわしいことを悟るはずだとの期待を込めて、仮説としておきます。

さて、よしりんの「ゴー宣道場」に、頼もしい記事が挙がっていました。

週刊新潮、事実無根「悠仁親王即位」記事の悪質さ (高森明勅

・不敬極まる八木秀次氏「秋篠宮摂政」論 (高森明勅)

・皇位継承問題に関わる 謀反が起こっている(小林よしのり)

・ヨタ週刊新潮皇室記事の、本当に注目すべき箇所(小林よしのり)


よしのり氏は、東宮援護の素晴らしい表現者であり、女帝女系推進派で(野田政権下で検討された女性宮家案については、当ブログとは見解が異なるようです)、新著『女性天皇の歴史(仮題)』 も近々出版されるようです。楽しみですね。

・テーマ「雅子妃殿下の行方」8月11日(日)午後1時 から『人事労務会館』で開催

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「SAPIO」のネット配信記事 (Dianthus)
2013-06-21 12:27:32
官房長官のイニシアチブのもと、宮内庁・内閣府がタッグを組んで、正面から、その取材姿勢のデタラメさ、ヨタ記事ぶりが、正面から否定された形の「週刊新潮」

個人的には、これまでの皇太子殿下や妃殿下をめぐる報道の流れから考えれば、まったくのデタラメ、ヨタ記事ではない、
むしろ、さる強いご意向に従った宮内庁の水面下の動きと連動しての、意図的な仕掛け記事だろうと思いましたが、
かといって、週刊新潮の体面を守ろうとして、これは確かな取材に基づく内容で、けっしてウソ記事ヨタ記事ではない、と正面から反駁するのも、かえってできないだろう、
週刊新潮の体面が傷ついても、黙って静かにしているか、あるいは真面目に謝罪するかも、と思っていました。

それだけに、今回INDEX様が言及されたような対応は、ある意味予想外。
さすがに正面切って争うところまで行かないにしても、自分たちの取材が正しいんだと言わんばかりの主張ぶりには
INDEX様の分析される①、あくまで雅子妃殿下と皇太子殿下のイメージを傷つけるためのマッチポンプと言うより
②、むしろ宮内庁の水面下の動きを牽制し、皇太子同妃両殿下を守ろうとの遠謀深慮?とも思えます。オランダ記事の書き方や動きを見ても、宮内庁内も一枚岩じゃないようですし。

ただ、あまりこの状態が続くと、策士策に溺れる、じゃないですが
けっきょくのところやはり、皇室全体の威信が傷ついて、皇室イラネの雰囲気に結び付きかねないと思います。

で、策士は何を考えているのか?と言うことで、SAPIOのネット配信について、少し。

宇多天皇『寛平御遺誡』、順徳天皇『禁秘抄』から語学、歴史まで
昭和天皇から今上天皇へ、そして次代へ 動き始めた悠仁様「帝王教育」のカリキュラム
(SAPIO 2013年6月号掲載) 2013年6月20日(木)配信
ttp://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20130620-01/1.htm

悠仁様の「帝王教育」が始まった?との記事なのですが、読むと、要するにこれこれの内容の帝王教育が、中学生になった悠仁様にはほどこされるだろう、という、あと6年も先のことを憶測する記事です。

ここで言及される宇多天皇、順徳天皇、それぞれの御代やご生涯について、個別に考えるとそれはそれで興味深いのですが、そこはおいておいて。

なぜ、6年も先の帝王教育が施されるだろう、という憶測記事が書かれるのか。

しかも、ネット配信という形で、誰にでも読める形で提供されたのですが、実はこれは先月号ともいうべきもの、すでにSAPIOの7月号は出ています。

そして、6月号には、これ以外にも皇室関連記事は複数出ており、そのうち皇太子退位論について論拠を挙げて否定的な見解を述べた大原康男教授の署名記事については、わざわざ宮内庁がまったく趣旨とは違う方向について、ホームページ上で抗議していました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SAPIO 6月号
12 歴史 太平洋戦争、GHQ占領下、戦後復興-現代皇室が紡いだ「天皇と弟宮」の物語/小田部雄次
13 役割の逆転 兄弟の「役割分担の逆転」はメディアと宮内庁が作り出した 皇太子殿下には「継承者」の自覚と資質が備わっている/大原康男
14 妃 「病気療養中の雅子妃」と「将来の天皇の母・紀子妃」変わる役割と増える公務の重責/山下晋司
15 帝王学 昭和天皇から今上天皇へ、そして次代へ 動き始めた悠仁様「帝王教育」のカリキュラム/久能靖
16 比較 家、予算、人員-すべてに明確な差がある 皇太子家と秋篠宮家の“格”はこんなにも違う/大島真生
ttp://www.shogakukan.co.jp/magazines/detail/_sbook_1409706113

「SAPIO」(2013年6月号)の記事について
平成25年5月20日

「SAPIO」6月号に掲載された大原康男國學院大學大学院客員教授の記名記事の中に,「今上陛下も皇太子時代,昭和天皇が新嘗祭の潔斎けっさい(身を清めること)をされた日に,当時の美智子妃殿下と手をつないでアイススケートをしておられたのがニュースで報じられ,問題にされたことがある。」との記述が見られますが,昭和天皇が新嘗祭の潔斎をされた日,すなわち新嘗祭当日に,両陛下(当時の皇太子同妃両殿下)がアイススケートをされていた事実はありません。

のみならず天皇陛下(当時の皇太子殿下)は,ご成婚以降の昭和期において,毎年,11月23日の新嘗祭には欠かすことなく拝礼されており,唯一の例外は,昭和35年に皇后陛下(当時の皇太子妃殿下)とともにイラン国,エチオピア国,インド国,ネパール国を,これらの国々の元首の我が国訪問に対する答礼として,昭和天皇の御名代のお立場で公式に訪問されていた時だけです。

両陛下がお二人でアイススケートをなさったご様子が報道されたのは,昭和46年2月7日,札幌冬季スポーツ大会開会式御臨席のために北海道に行啓された折の早朝のことであります。この日は新嘗祭の日でないことは勿論,他の宮中祭祀も行われていません。

この記事の記述は,皇太子殿下でいらした頃から,宮中祭祀を大切にお考えになり,臨んでこられた天皇陛下の御姿勢に誤解を与えかねない内容でありますので,大原教授及び出版社に対し,その誤りを正し,読者に周知されるよう申し入れました。
ttp://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taio/taio-h25-0520.html


さて、なんで今頃、「悠仁さまの帝王教育」などという昔の、しかも内容の薄い記事を、ネット配信するのか。

一つには、悠仁様ご即位のイメージを強めたい、という意図かもしれません。
ただの宮家の親王殿下ではなく、陛下の期待される将来の天皇たるべきご存在なのだ、そのための帝王教育が施される予定なのだ、という強調。

あるいは、宮内庁や内閣府に正面から否定されても、そのような流れのもとに宮内庁が動いているのだ、ということの強調?

そう思ってみると、もう一方で。これを実際に読んでみると、6年先の予測より、来年すぐさま中学生になられる敬宮様のことが、どうしても念頭に浮かびます。
先に敬宮様は、学習院初等科6年生として、修学旅行に奈良京都を訪れ、元明女帝の造られた平城京あとをはじめ、皇室ゆかりの寺社等を回られたと報じられていました。

宮内庁は、確かに「悠仁さまご即位」の路線を明確にしたがっている。
だから、「兄弟の「役割分担の逆転」はメディアと宮内庁が作り出した 皇太子殿下には「継承者」の自覚と資質が備わっている」という大原教授の署名記事を、全然的外れな、両陛下は公務も祭祀も大切にされている!という部分だけについて反論し、肝心な皇太子殿下の名誉を傷つける昨今のマスコミ報道と宮内庁の結びつきについては沈黙する。

一見すると、SAPIOのネット配信は、こうした宮内庁の意向に従っているようで
もう一つの効果もあるように思えました。

まあ、策士の遠謀深慮なのか、単に洞察不足ゆえなのか、わかりませんが。

返信する
顕在化した「乱」 (INDEX)
2013-06-22 18:39:29
Dianthus様

SAPIOの「ネット配信記事」ご紹介、ありがとうございます。先ほど読んできまして、唖然としました。

>動き始めた悠仁様「帝王教育」のカリキュラム/久能靖

これを実際に読むまで、「SAPIOのネット配信は、こうした宮内庁の意向に従っているようで、もう一つの効果もあるように思えました」と、Dianthus様が書かれた言葉が謎でしたが、読んでなるほどと思いました。幼稚園でも小学校でも罰則付き報道規制で「ふだんの様子」をひた隠しにされている悠仁さまに、この記事は空振りと言いますか、夢語りをしているとしか思えませず。

ところで、昨晩は、小林よしのり氏の「ゴー宣道場」から導かれ、田中卓(たかし)氏の「戀闕(れんけつ)の友へ」サイトを初めて訪れ、朝方まで読みふけってしまいました。それほど分量があるわけではないのですが、老い衰えた頭では、冷めた珈琲をすすりつつ、休憩を入れながらでなければ読み継ぐことができず。

・「戀闕の友へ」
http://www.seiseikikaku.jp/special/renketunotomohe/index.html

90歳というご高齢にもかかわらず、また皇學館大学の元学長で日本古代史の第一人者という近づきがたい学者様であるにもかかわらず、とてもわかりやすい文章で、読み始めると止まらない面白さがあり、ヘトヘトになりながら読み終えました。

このなかで、Dianthus様がご紹介くださった「SAPIO」6月号への言及がありました。田中氏は、次のように書いておられます。

>『SAPIO』は、「皇太子と秋篠宮『天皇家兄弟の宿命』」と題して、小田部雄次・大原康男・山下晋司・久能靖・大島真生氏の5篇を特集しているが、何れも労作である。中でも、大原康男氏の「兄弟の『役割分担の逆転』はメディアと宮内庁が作り出した/皇太子殿下には『継承者』の自覚と資質が備わっている」は一段と優れている。私はこの人の青年時代から懇意であり、志操も人柄も熟知しているが、この論文は情理を兼ねた秀作で、再読して思わず涙ぐむ箇所もあった。

上記のように田中氏が「いずれも労作である」と評価しているので、当初、久能氏はネット配信された「悠仁様の帝王教育カリキュラム」とは別の記事を書いておられるのかと思ったのですが、同じもののようです。この「内容の薄い記事」を、田中氏が労作としているのは腑に落ちません。

しかし、田中氏が最も高く評価しているのは、Dianthus様ご紹介の「皇太子退位論について論拠を挙げて否定的な見解を述べた大原康男教授の署名記事」です。宮内庁は、その最も優れた記事に、つまらないことで難癖をつけたわけですね。意図が透けて見えるというものです。

Dianthus様は、「オランダ公務決定へのプロセス」で雑誌記事を丹念に調べ、雅子様を叩くことで皇太子殿下に皇位継承失格の烙印を押そうとする動きを浮かび上がらせましたが、オランダ公務でいったん鎮静化したその動きが、また激しさを増してきているようです。それは秋篠宮ご一家を賛美する動きと一体で進められており、あまりに赤裸々なため、隠れていた「乱」が誰の目にも見えるようになってきた、といえると思います。

これに応じ、あまりに不敬であると、東宮ご一家を守ろうとする小林よしのり氏や田中卓氏らの動きも活発になってきました。「ゴー宣道場」に新コメントが挙がっています。

・週刊新潮の捏造・中傷記事の中の、一点の真実 (小林よしのり)

>来週火曜配信の『小林よしのりライジング』では、この週刊新潮の問題から見えてくる男系カルト派の追い詰められた状況と、恐るべき謀反の計略を明らかにする。週刊新潮や、週刊文春を始めとするマスコミ記者各位も、ぜひ読んでいただきたい。

という言葉で〆られており、頼もしい限りです。しかし、コメントの要旨は次の部分で、この見解の相違はどうしても気になります。

>『「女性宮家」創設も潰え、両陛下のご心痛は増すばかりだ。あまつさえ安倍内閣では、皇室問題は置き去りにされがちな現状も憂慮されているという。』 自然にさらりと書いているが、この個所は正しい認識である。両陛下のご真意は「女性宮家創設」であり、安倍内閣がそれを阻んでいるのだ!! これは真実であり、もはやマスコミでも公然と語られるようになった。安倍晋三には尊皇心がないのだ! 安倍晋三は自分の支持者である「男系カルト派」の者たちに媚びて、天皇陛下の願いを封殺している!(引用ここまで)

当ブログは、皇統問題をうやむやにする女性宮家案には反対であり、女性宮家案は両陛下の希望であるとマスコミに流させることは、両陛下の政治介入ではないかと憂慮しています。このトピのテーマとは少しずれますが、次のコメントで、この点について書いておきたいと思います。
返信する
愛子様の立太子と女性宮家案について (INDEX)
2013-06-22 18:55:05
皇學館大学の元学長で日本古代史の泰斗であられる田中卓氏は、ご自身のサイト「戀闕の友へ」において、じつに明快に愛子内親王の立太子について述べておられます。

・「皇室典範第1条の改正について」(2013年5月13日)より一部引用
http://www.seiseikikaku.jp/special/renketunotomohe/index.html#kai14

---------(引用開始)

 私自身のこれまでに公表してきた諸論文を基本にし、上述の諸雑誌の論旨を参考にして、現行の皇室典範を改めて見直すと、詳しく論ずれば問題は種々あろうが、最も重要な改正点は第1条である。現典範には、

 「第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とあるが、この「男系男子」の五字を「皇族」の2字に改めればよい。継承の受け皿を拡げるわけである。それだけで緊急の難関は解決する。

 「第1条 皇位は、皇統に属する皇族が、これを継承する。」具体的には、将来、皇太子殿下が即位せられる時、現行典範第8条に「皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。」とある規則のままに、「皇嗣たる」愛子内親王が「皇太子」となられればよいのである。

 「皇統に属する皇族」に、男女の別のないことは秋篠宮殿下のお言葉を俟つまでもなく、これは国民の常識であろう。そしてこのように典範を改めれば、産経新聞の憲法改正案の「第1章天皇」の「第3条」に提案する「男系の子孫」という言葉は、少なくとも、愛子内親王の場合までは生かされることとなる。私が産経案を「次善」と評したのはそのためである。(しかし、現状の讀賣新聞・自由民主党を含めた三試案の中でも突出している産経案は、恐らく国会で可決されるのは困難と思われる。)従って、憲法は現行(第2条)のままで、典範だけを私案の如く改正されるのが、「最善」の提案である。そしてこの場合は、一法律の改正であるから、現行憲法第96条の改正問題とは関係なく、実現は過半数でよい。

---------(引用終り)

 戀闕(れんけつ)とは「天皇への至誠の愛」を意味するということで、田中氏はまさにそういう心をもつ方。そういう方が、男系男子派を厳しく諌め、愛子内親王が皇太子になられればよいとしておられるわけです。「天皇皇后を崇敬し、女性宮家案を推し、愛子様の立太子を説く」小林よしのり氏の理論的支柱は、田中氏だったのだと納得しました。

 しかし私は、その純粋さに打たれ、学識の深さに戦きつつ、少しの疑問が残るのです。熱く純粋な「戀闕」ゆえに、見えないところもあるのではないかと。久能氏の「悠仁様の帝王教育カリキュラム」記事を労作とされ、疑問を感じられないところ等、いま起きている「乱」の影の部分、非常に穢い部分が、見えておられないのではないか。それが、女性宮家案を推すことに繋がっているのではないかと。

天皇皇后両陛下に至誠の愛を捧げながら東宮ご一家をお守りし、女性宮家案を推しながら愛子様の立太子を是とする。相反するようにみえるこれらのことが可能なのかどうか、今の私には疑問です。この疑問を解きたく、田中卓氏の著作を読み、女性宮家案の推進に警鐘を鳴らすアッサム先生の講義を受け、考え続けたいと思いました。

○田中卓氏の論考・著作
・「戀闕の友へ」
http://www.seiseikikaku.jp/special/renketunotomohe/index.html
・『高森ウィンドウズ』--「続・田中卓著作集」の紹介
第154回 http://www.nicovideo.jp/watch/1368685537
第155回 http://www.nicovideo.jp/watch/1369291871

○アッサム先生の講義
・ひばりに寄せて--講義を受けよう
http://nagamiya.sakura.ne.jp/index.html

とはいえ、「皇室典範の第一条を改正すべし」という意見は、田中先生もアッサム先生も変わらないのですよね。以下は、「ひばりに寄せて」からの引用です。

---------(引用開始)

>「いわゆる女性宮家問題に関するQ&A」 by Assam
Q1 今月5日に、内閣官房より、皇室制度に関する有識者ヒアリングの論点整理が公表されました。9日からパブリックコメントの受付も始まります。いわゆる男系男子派の方々が反対されるのは解りますが、直系長子優先主義採用を主張する立場の方がなぜ反対するのですか?

A1 今回の論点整理Ⅰ案は、いわゆる女性宮家創設案ですが、これは直系長子主義の採用とは全く無関係ですし、後述のように、かえって制度を混乱させると考えるからです。

Q2 しかし、今回の典範改正は将来における皇室活動の維持を目的としており、同論点整理13頁も、「安定的な皇位の継承を維持することは(略)引き続き検討していく必要がある」と明記していますから、まずは女性宮家を創設し、その後、時間をかけて皇位継承問題を検討すべきなのでは?

A2 あなたの仰ることは一見もっともなようですが、以下の理由から賛同できません。

①そもそも、将来皇室活動の維持が困難となるのは、皇室典範1条が皇位継承資格を男系男子に限定し、同12条が女性皇族は婚姻により皇族の身分を離れるとしているため、女性皇族の数が減少していためです。典範1条の問題と皇室活動の継続の問題は本来同一問題であり、両者を切り離して論ずること自体に無理があるのです。

②皇室活動の継続困難化は、皇族数の減少だけでなく、ご公務の肥大化も関係しており、ご公務のそれ自体の見直しも不可避なのですがそちらのほうは進んでおりません。

③皇族活動の維持を名目にしながら、ご公務経験も豊富な女王殿下方を当初から除外しており、名目との整合性に疑問が残ります。

④そして、これが最も大きな理由ですが、現在、未成年の内廷皇族はお一人だけであり、女性宮家創設が実現すると、その方も、内廷から出ることが確定します。
一度内廷の外へ出られた皇族が(例え女性宮家当主であっても)再び法改正により、皇位継承第一順位となることは容易なことではございません。内廷皇族とそれ以外の皇族方のお立場は、それくらい異なるのです。

つまり、現状で女性宮家創設が決まれば、直系長子優先主義の典範改正は(少なくとも近い将来においては)実現しないと考えるのが自然です。

⑤典範1条に手をつけずに、女性宮家を創設すると、皇位継承資格を有しない宮家という歴史上存在したことのない宮家が生まれますが、それには様々な弊害が予想されます。この点は既に拙ブログの始めの方で検討しましたので、ご興味のある方はご覧下さい。

⑥法的裏づけを持った制度が、一度出来上がると、恒久的に予算が付され新たな利権も生まれます。女性宮家制度を創設した後、様々な弊害が生じたとしても、もはや制度の見直しは困難になります。

以上の理由で、典範1条に手をつけずに、女性宮家を創設することには反対せざるを得ません。

---------(引用終り)
返信する
東宮バッシング問題は皇位継承問題にあらず (大我楼清風)
2013-06-23 01:32:53
INDEX様、Dianthus様、シロキジ様コメントありがとうございました。
私も二週続けての週刊新潮記事を見ながら、いくつかのことを考えました。

①現在皇室に確実に起きている「乱」を、週刊誌という「仮想社会」の問題にとどめず、「現実社会」の問題として「表に出す」必要があるのではないかということ。

多くの国民の目にふれることで、非常識な言動は淘汰されると思います。

その一方で、「公務できない妃と皇太子は去れ」あるいは「秋篠宮殿下の方が適任」という論が世間で力を得て、現実が一気に展開してしまうのではないかという危惧をぬぐい切れず、躊躇する気持ちもあります。

それにしても、「汚いことには目をつぶる」というか「ゴシップは相手にしない」という「良識的」なスタンスで、東宮バッシング問題や、典範改正問題の歪みをスルーしてしまう方が少なくないのは困ったものです。
たぶん、田中卓氏もそういう立場で発言しておられるのでしょう。

②東宮バッシング問題は皇位継承問題ではないということ。

誤解しないでください。皇位継承問題の中から東宮バッシングが派生しているのは間違いがないと思います。

言葉遊びをしているのではありません。
今週の記事の中に、「宮内庁が虚偽情報を流し、政府は宮内庁に不信感を持っている」というものがありました。

私はこのことから、宮内庁がひどく腐敗、混乱しているのは事実だろうと感じました。もしかしたら虚偽情報も流れているかもしれない、いわゆるガバナンスがめちゃくちゃなのでしょう。まあ、宮内庁関係者という出所付きで、毎週のように特定の皇族がたを中傷、誹謗する記事が出ているのだから、そんなことは言わずと知れたことなのかもしれませんが。

私は、東宮バッシングというのは、千代田の役人グループと、東宮の役人グループの権力抗争(とくに千代田の既得権益を守ろうとする動き)であろうと、改めて感じはじめています。皇太子殿下が即位してしまってはそれが守れないというわけです。

前にも言いましたが、いちばん緊張感がなく、「身内の勢力争い」にかまけているのが彼らなのでしょう。

東宮バッシングというのはその争いの一派生ではないでしょうか。

ちなみに、冒頭の「宮内庁が虚偽情報云云」というのは今回宮内庁が抗議した箇所ですが、私は先週の抗議と今週の抗議には共通点があるなと思いました。それは「政府」を巻き込んでしまったという点です。

だから、宮内庁は抗議を出さざるを得なかったのです。「政府」を巻き込む内容になっていなければ、抗議を出したかどうかわからないと思います。

③天皇生前退位、秋篠宮さまは即位を辞退して悠仁殿下につなげるという案は、新潮だけのヨタではなく、かなり広く議論されているのではないかということ。

週刊朝日(ちょっとはっきりしませんが)で橋本明氏が似たような内容のことを言っています。

④小林よしのり氏の女性宮家推進の意見について

これはINDEX様のコメントから、小林氏の文章を見て思ったことですが・・・

たとえ天皇陛下のご意志がその案であったとしても、それに頼るのは「制度と生身の混線」だということです。

歴史的視野を持って、冷静に制度改革を志向することこそが、我々に求められる正道なのではないでしょうか。
返信する
東宮バッシングは皇室制度の根幹を揺るがす (Dianthus)
2013-06-23 07:54:45
大我楼清風様

「東宮バッシング問題は、皇位継承問題ではない」について。

大我楼清風様のご発言の趣旨は、「東宮バッシングは、秋篠宮殿下による皇位継承争いではない」ということでしょうか。

まあ、何故ここまで執拗に皇太子殿下を軽んじようとするのか。
あるいは、悠仁親王への皇位継承をはやく確定したいのか。
(現時点では、次々世代の皇位継承権をもつ唯一の皇族ではありますが、それこそ皇室典範改正という可能性もあり、確定はしていない。
皇位継承が確定しているのは皇太子殿下お一人のみですので)

その答えとして、私は別の意見をもっていますが、でも、主体として誰の欲望なり思惑がこの事態を引き起こしているかを確定することに、意味はないと思っています。

この21世紀に、「男子を産まない」ぐらいのことで一人の女性の心を打ちのめし、容易に立ち上がれない闇に突き落とした、愚昧な人々と言われたくないから
皇統を継ぐことで、潤沢な予算がつき、種々の財産を相続し、人々から奉られ傅かれる、そんな立場に立ちたいから
皇統を継ぐ方に最も近い地位を保ち、そこにまつわるさまざまな役得利権を優先的に独占したいから

皇太子妃殿下の病の真の理由から目を背け、病んだ皇太子妃を妻とするからというつまらない理由で皇太子殿下を軽んじようとする、
現在の東宮バッシングの背景はさまざま考えられるし、
これを仕掛けた意志も思惑もいったいどこが主体なのかはわかりません。

ですが大切なのは、結果として何が起きているかと言うことでしょう。

東宮バッシング問題は、皇太子殿下ではなく、秋篠宮家に皇統を移すという、皇位継承問題に他なりません。

いや、この21世紀に、個人の欲望や思惑を濃厚に感じさせ、個人の能力や資質、ありように目を向けさせてしまう、
大我楼清風さまのお言葉を借りれば、「生身」に否応なしに光が当たってしまう
「皇位継承争い」をしかけ、「皇位継承」を問題化させてしまえば
必ずや、
「そもそも皇室制度は必要か」
「個人の資質=生身を問うなら、そもそも世襲によってその地位が決まる存在は、民主主義国家の制度として必要なのか」
という問いを引き起こすはずです。

その意味では、ことは単なる皇位継承問題ではない。皇室制度の存否につながる問題だろうと思います。

まあ、だからといって日本人が「天皇制廃止」という決断までできるかどうかはわかりませんが
少なくとも、現在のままに、「一夫一婦制のもとの男系男子継承」を厳格に貫けば、早晩破綻することになるので、同じ事です。
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皇太子妃、皇后の同伴について。 (auxilia)
2013-06-24 23:31:38
埃まみれの本を引っ張り出して綺麗にし、さらには読むのが遅いので、検証作業のお手伝いが全く出来ませんが、興味深い記述箇所を見つけました。




良子皇太后(美智子皇后のお姑さまが歩んだ道)
河原敏明 著
発行所 ネスコ(日本映像出版株式会社)
発売元 株式会社 文藝春秋
1993年3月8日  第1刷


218項
実は当初は、あのようにキメの細かい全国巡幸を予定していなかった。大都市を中心に数カ所(県)のつもりが、あまりの好評から、全国行脚となったものである。
翌三月二十五日、前橋、高崎方面から天皇の全国巡幸が正式に始まった。このときは良子皇后も同行された。

219項
陛下は二十九年夏の北海道を最後に、沖縄を除いた全国を巡礼された。
しかし残念だったのは、良子皇后が巡幸のすべてに同行されなかったことである。皇后が行かれたのは、はじめの栃木、群馬の両県と最後の北海道だけだった。

221項
良子皇后が巡幸に同行しなかった理由には、内気で消極的なその気質もあったのではなかろうかと推察される。天皇の巡幸の間、良子さまは、編み物や縫い物をしてお帰りを待っていたという。

231項
あのにこやかなお顔は慈愛そのものにみえるが、ご性格はシャイで無口と言え、積極的な行動をとるのは得意ではなかった。
戦時中数回、軍の病院に傷病兵たちの見舞いや皇族の妃たちと包帯巻きなどに励まれたが、その他恵まれぬ施設などに対してはご内帑金(見舞い金)を贈る形をとり、お身体を運ぶことは少なかった。


***********

著者の河原敏明氏は、昭和天皇の巡幸すべてに同行されなかった良子皇后に批判的に取れる記述をしていますが、天皇の公務に皇后が絶対に同伴するというものではなかったようです。
つまり、ご夫妻そろっての外出は、昭和の明仁皇太子と美智子妃が確立したスタイルであり、それが平成になっても続いているだけの事である。
そして平成のそれは、昭和天皇と香淳皇后とは別のスタイルであり、伝統を踏襲されているものではない、と言えるのではないでしょうか。

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「謀反」をどう捉え、どう対峙するか (INDEX)
2013-06-26 22:07:04
大我楼清風様

●田中卓氏のスタンスについて

誤解を招いてしまったようですので、もう一度説明させてください。田中卓氏は、東宮バッシングに非常に心を痛めておられ、とくに山折哲雄氏の『皇太子殿下、ご退位なさいませ』論文に驚き、「これを放置すれば、今後どのような不敬な発言が他誌に続発するかも知れない」と憂慮して、Webサイト「戀闕の友へ」を立ち上げた方です。以下に、この部分を引用します。

-------------------引用開始

・「戀闕の友へ」― 呼び掛け 青々企画代表 田中 卓 (第1回)
http://www.seiseikikaku.jp/special/renketunotomohe/index.html

=前文省略=
 尚、このウェブページを開く直接の切っ掛けは、最新号『新潮45』(3月号・2月18日発売)の山折哲雄氏の『皇太子殿下、ご退位なさいませ』という論文の出現である。
 言葉遣いは丁寧だが内容は不遜無礼、しかも歴史認識を誤る点も少なくない。わが国の歴史でも「廃皇太子」の事例は5例ほどあるが、すべて皇太子殿下ご自身に重大な事故か不祥事があった場合で、それも天皇陛下の御裁決による。臣下が公開の雑誌で、妃殿下の御体調を理由に皇太子殿下に辞退を勧告するのは前代未聞の珍事といわねばならない。
 私は直ちに雑誌の編集兼発行者に対して質問状をメールで送り(2月20日)、その返信メールも受領(2月28日)した。これで『新潮45』掲載をめぐる私自身の個人的な疑惑点は一応の結着をみたが、しかしこれを放置すれば、今後どのような不敬な発言が他誌に続発するかも知れない。それを憂慮して、このウェブページを用意したのである

-------------------引用終り

また、典範改正問題についても、本トピ「愛子様の立太子と女性宮家案について (INDEX)」で述べた通り、「第1条 皇位は、皇統に属する【男系の男子】が、これを継承する」を改正し、「第1条 皇位は、皇統に属する【皇族】が、これを継承する」に改めることを提唱し、「愛子内親王が皇太子となられればよい」と明言しておられます。先にご案内した下記をお読みいただければ、よく詳しく了解いただけると思います。

・「皇室典範第1条の改正について」(2013年5月13日)より一部引用
http://www.seiseikikaku.jp/special/renketunotomohe/index.html#kai14

悠仁親王誕生後、保守派論客で、愛子内親王の立太子を明言された方は他に知りません。その意味でも、大変勇気のある立派な方だと思います。

ただ、天皇皇后を絶対崇敬のご存在としておられ、女性宮家案に賛成しておられるところが、私には理解できないのです。ここまで酷い東宮バッシングを招いたのは、両陛下の責任も大きいはずです。というか、東宮家を冷遇しているのは天皇皇后のご意思ではないかと思わざるをえないエピソードが多すぎます。また、女性宮家案については、アッサム先生の講義にある通り、皇統問題をうやむやにし、愛子様立太子の道を不可能にするものとしか思われません。

●新潮と千代田グループの結託について

新潮の記事について、政府を巻き込んでしまったがために宮内庁は抗議を出さざるを得なかった、政府が抗議していなければ宮内庁が抗議したかどうかわからない、というのは同意です。たとえ抗議したとしても、ここまで強いものではなかったでしょう。先に「マッチポンプ論」を書きましたが、千代田(宮内庁)と新潮が結託している疑いは濃厚です。両者の共通の目的は、「雅子妃は皇后失格」を広く国民にアピールし、かつ悠仁親王の即位の可能性を強く印象付けることにあるでしょう。

新潮は政府と宮内庁の抗議を全く無視して、しゃあしゃあと第二弾(第一弾の補強編そのもの)を書いていますが、その強気の背後には、政府も宮内庁も超える、よほど強大なものがあるのではないかと想像させます。

●徳仁天皇生前退位と悠仁親王即位について

>新潮だけのヨタではなく、かなり広く議論されているのではないか

「広く議論」というのではなく、「八木秀次や橋本明など反東宮派の間限定」で企てられ、仕掛けられている陰謀だと思います。小林よしのり氏は「謀反」と言っていますが、まさにその言葉に値する動きで、マスメディアを使った謀反が起きていると言えると思います。

>小林よしのりライジングVol.43「皇室消滅をもたらす謀反が起こっている」
https://www.gosen-dojo.com/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=2252&comment_flag=1&block_id=736#_736

●小林よしのり氏の女性宮家推進の意見について

>たとえ天皇陛下のご意志がその案であったとしても、それに頼るのは「制度と生身の混線」だということです。歴史的視野を持って、冷静に制度改革を志向することこそが、我々に求められる正道なのではないでしょうか。

大我楼清風様のこの言葉に、深くうなずいたところです。田中卓氏や小林よしのり氏など、非常に優れた親東宮派の論客が、「天皇陛下のご意思」を尊重し崇敬する姿は、東宮様への侮辱を決して許さないとする姿勢に繋がるものでもあり、純粋で崇高なものを感じます。しかし、どこか違うという違和感も残るのです。昭和天皇がせっかく命懸けで「人間宣言」をされたのですから、絶対崇敬の対象とするのではなく、「誤ることもある愚かなところもある人間天皇」を認め、そこから「民主主義国における象徴天皇」を、共に築き上げていく覚悟や努力が必要なのだと思えてなりません。
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なぜいま、「平成の変」なのか (Dianthus)
2013-06-27 10:28:56
ここのところの、「秋篠宮家に皇統を」キャンペーンは、もはや乱とか変とか後世に言われるレベルに達しているのではないかと思われるのですが。

どうして平成25年の今に、一気に週刊誌ほぼすべてを巻き込んでこれが燃え上がっているのだろうと考えると、私としては、やはり昨年の、一代限り女性宮家に向けての皇室典範改正の頓挫ゆえ、と思えてなりません。

一代限り女性宮家創設というのは、Assam先生が明快にそのからくりを説かれ、INDEX様も賛同されているように

>皇統問題をうやむやにし、愛子様立太子の道を不可能にするもの

>④そして、これが最も大きな理由ですが、現在、未成年の内廷皇族はお一人だけであり、女性宮家創設が実現すると、その方も、内廷から出ることが確定します。
一度内廷の外へ出られた皇族が(例え女性宮家当主であっても)再び法改正により、皇位継承第一順位となることは容易なことではございません。内廷皇族とそれ以外の皇族方のお立場は、それくらい異なるのです。
>⑥法的裏づけを持った制度が、一度出来上がると、恒久的に予算が付され新たな利権も生まれます。女性宮家制度を創設した後、様々な弊害が生じたとしても、もはや制度の見直しは困難になります。

※※私にまとめると、要するに一代限り女性宮家を創設すると、敬宮様がご結婚によって外廷皇族となることが確定し、しかも、敬宮様がご結婚されるだろう20年後ぐらいまでは次の皇室典範改正がなく、
従って、やはり回避し得ない皇統問題を正面から問おうといざ皇室典範改正に取り組んだ時は、悠仁様のお子様、もしくは唯一の内廷皇族である悠仁様に一番血筋の近い眞子様佳子様のお子様が、女性天皇女系天皇の対象となる、ということ。 

さて、一代限り女性宮家創設の目的を上記のように読み解いた場合、なぜこの頓挫が現在のような、しつこく強硬なマスコミの流れを誘発するのか。

私は、政府に寄せられた、一般のコメントに案外その秘密があるのでは、と考えます。

一代限り女性宮家創設反対の理由として、表立って反対した政治家は、ほぼ「女性天皇女系天皇への道に繋がる」「男系男子を見直すことになる」と述べていました。

「皇統問題については、今回は不問」「悠仁様までのご即位を前提としたうえで、公務のための一代限り女性宮家創設」と繰り返されていたからです。

でも、一般の反対理由として、
「一番の問題は皇統問題なのだから、皇位継承権について論議しないのはおかしい」
「女性宮家創設ならば、女性にも皇位継承権を」「そもそも女性天皇女系天皇を」
存外このあたりの理由も多かったのではないか。何しろ、悠仁様ご誕生後も、新聞の世論調査では女性天皇女系天皇賛成、が8割でしたから。

敬宮様をベランダに立たせないためにはどうするか。

象徴天皇制にとっては(また伝統的な天皇の在り方からいっても)本末転倒な、
「公務や祭祀を馬車馬のごとくこなす皇配をもてないのは、天皇として不適格」「ゆえに皇太子殿下退位、または即座の生前譲位、もしくは摂政宮の設置」
キャンペーンの背後からは、そのような姑息な意志を感じずにはいられません。
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これは戦いだ (大我楼清風)
2013-06-29 05:25:56
INDEX様、Dianthus様コメントありがとうございました。

①Dianthus様へ

前回の私の「東宮バッシングは皇位継承問題に非ず」発言に対して、Dianthus様は、「その趣旨は秋篠宮さま発の皇位継承争いではない、ということでいいですか」とコメントされました。

明確に否定します。

確かに私の中では「秋篠宮要因」は相対的に低いですが、「宮様を庇う」のは私の本意ではありません。

私が言いたかったのは、いろいろ見てくると、東宮バッシングというのは、いちばん最初は「雅子さまへの反感」から発しているのではないか。その反感の中に、宮内庁職員による反感もあるようだ、ということです。

最初はいままでの「家風」に「そぐわない」雅子さまのなさりかたへの感情的な反感であったかもしれません。

しかし、いまや、東宮様に跡を継がせてしまったら、自分たちの居場所も大切にしてきたものもなくなってしまうというむき出しの自己保身の戦いに展開しているかのようです。これに保守系言論人が加担している、というのが実態でしょう。

その意味で、やはり皇太子殿下の「人格否定発言」の経緯にもう一回立ち返ることが大切なのかな、と思っているところです

実は、「平成の終わり」を前提に皇位継承についての議論が本格化し、また両陛下のご体調への懸念、心配が言われるようになって実態が見えにくくなっていますが、とにかく「雅子憎し」「雅子追放」がすべての基層にある、そうとらえた方がわかりやすい面があるのではないか、私はそう思います。

だから、「妃殿下がご病気なので皇太子は天皇に不適格」などという、妃殿下偏重の前代未聞の、ありえない暴論が出てくるのではないでしょうか。

などと、いちおう私の本意を説明しましたが、私は同時に、Dianthus様の、「いま起こっていることを伝えることが大切で、出所がどこかを詮索するのは意味がない」というご意見には全面的に賛成です。

とにかく起こっていることの禍々しさを伝える必要がある。

「美智子さまはご実家と疎遠だった」、「皇后・皇太子妃に求められる宮中祭祀の伝統」では明確に「意図的な嘘」が存在して雅子妃殿下を貶めているし、「ドレス新調を阻んだ圧力」も含め、こちらのブログで「検証」されていることは、多くの人に知ってほしい「真相」であふれています。

私は日本人に、正道に立ち返ってほしいのです。

もっともらしい議論に惑わされ、特定の個人をなりふり構わず貶める人権侵害、国のこと、皇室のことを優先して妻子を棄てろと迫る不人情を「是」とするかのような人がこれ以上増えてほしくないのです。

②INDEX様へ

田中卓氏のホームページの改めてのご紹介、ありがとうございました。

田中卓氏の「女系天皇でまったくかまわない」というご意見、「敬宮様立太子」の主張、改めて素晴らしいと思いました。こういう方がおられることはわれわれにとっても大きな励みになりますね。
(田中氏が現行憲法に批判的で、明治憲法回帰を主張されるところは、私とは全く相いれませんが)

でも、田中氏が週刊誌ベースで報道されるいちばん汚い部分に目をつぶっておられる(週刊誌報道を軽く見ている?醜聞ジャーナリズムは無視する?という「常識的」「冷静」な態度で?)のではないかという言い方はまだできるのではないでしょうか。
そして、そういう見方をする方は見識ある国民にも多くいると考えられます。

「汚さ」を知ってもらい、その不当を訴えるためにも、「東宮バッシング問題」を「表に出す」(見識ある方に取り上げてもらう)必要があることを改めて主張させていただきたいと思います。

③もっと重大なこと

毎週のように週刊誌をにぎわす東宮バッシングですが、その代表的なパターンが、「公務をされない(最近は、祭祀の後継者として期待できない)雅子妃殿下と、妃殿下のことにかまけて自覚の足りない皇太子殿下に皇后陛下が心を痛めておられる」「心配のあまり体調を崩された」「皇后陛下のご体調が心配です」というものです。

皇后陛下、天皇陛下のご体調を心配すればするほど東宮がバッシングされてしまうという、恐怖のスパイラルが成立してしまっている。これは大いなる欺瞞の構造だと思います。

その中に、「東宮がこのままでは国民の理解が得られない」「公務をされないでは国民の反感を招く」というものがあります。

これについては、皇后陛下が国民第一に考えておられることの証のように扱われていますが、正反対の見方もできるのではないでしょうか。

これは、手前味噌ながら私の「制度と生身の混線」論に基づくものです。

本来天皇・皇室と言うものは「制度」として存在していればそれで権威があった。国民は、「本家」「心の拠り所」として敬意を表した。
私はその権威がぐらついて、意図的か、あるいは迷走として「生身」が強調されている、と思ってきました。

でも、最近ふっと思ったのは、これは皇室の(とくにご自分もバッシングを受けた皇后さまでしょうか)国民に対する抜きがたい「不信感」のあらわれではないかということでした。

繰り返しますが、存在するだけで権威があり、役割を果たした皇室。国民の多くは21世紀の今でも、まだまだ、そういう素朴な皇室への敬愛の気持ちを持っていると思います。

しかし、皇后さまはその国民の素朴な気持ちを信じることができない。働かないと国民は何をするかわからない、自分たちとは異質なわけのわからないものだと考えていらっしゃるのではないか。

こう思った私は見当はずれでしょうか。

実は、天皇と国民との「紐帯(ちゅうたい=むすびつき)」というようなことがいわれ、日本は他の君主国と違い、支配者被支配者の関係というより、親と子のような関係が強調され、現在の私たちもそう思っている面がありますが、この部分もある意味グローバルスタンダード化しているのであって、うかうかしてると天皇に裏切られて捨てられてしまうことも考えないといけないのかもしれません。

かつて、昭和天皇も「無私伝説」の陰で、国民を信じずに(共産主義喧しい時代ではありましたが)、アメリカと取引し、天皇制護持のために沖縄占領、安保による基地提供を認めたという説もあります。冷酷なリアリズムの存在も理解しておいた方がいいかもしれません。

そういう中で、制度としてのご存在を静かに果たされているのが皇太子殿下であられることは、今更ながら涙が出る思いが致します。

御聡明な殿下は、当然ご自分が制度に守られて圧倒的に優位なお立場にあられることをよく理解しておられるはずです。だから下手な反論や小細工をいっさいなさらないのでしょう。

しかし、皇后さま(千代田)はこれが気に食わない。というか「獅子身中の虫」だと思っている。

天皇制護持のために、信頼できない国民を味方につけるために、生身が充実していない東宮ご一家は危険だ。東宮バッシングは、天皇制を守るための「とかげのしっぽ切り」の様相も呈しています。

③では、両陛下のお気持ちを中心に述べましたが、これと①の動きが一つになり、現在の「醜態」に至っているのだと私は思います。
(①で、東宮バッシングは「宮内庁の自己保身(のようなつまらないところに端を発している)」と言ったことと矛盾するようですが、「天皇制を守る」、というのは究極の自己保身でしょう。)

④これは戦いだ

たいへん失礼な言い方になりますが、「平成の終わり」は確実に近づいている。

上でも述べたように、ご自分の立場をはっきり自覚されている皇太子殿下が即位されれば、状況は確実に一変します。

「生身」強調の歪んだ皇室も正されるでしょう。

しかし、そうなったら、「男系男子継承」は保障されなくなり、「反感を買っている雅子さまが皇后」で国民の反発も高まり天皇制存立自体が危機に陥る。皇后さまの積み重ねてこられたものが否定される、と嘆く者もいるでしょう。
千代田・保守派勢力はそう考えている。

だから、絶対阻止でなりふりかまわぬ行動に出ているのが、まさに今の「乱」「謀反」の状態なのかもしれません。これは戦いなのです。

(「謀反」。しかも今起こっているのはまさに「天皇ご謀反」。制度と民主主義と国民に対する「謀反」です。)

彼らがそのつもりなら我々も戦わなければなりません。

しかしあくまでも正道を踏み外さずに戦う必要があります。

今日も、ご病気の妃殿下と手を携えて静かに役目を果たされる皇太子殿下のご存在を頼もしく思いながら、いち民草でも、できることをやらなければと思うのです。

(「検証」ページであるはずなのに、妄想ばかりを書いてしまいました。一部、言葉が過ぎた点、反天皇制的なのではと不快感を感じさせてしまった点があるかもしれません。失礼の段はひらにお許しください。)








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おわび (大我楼清風)
2013-06-29 05:46:30
熱くなって一気に書き上げて、あとで読み返してハッとしました。

③の、両陛下(とくに皇后陛下)が国民を信用されていないのではないか、というくだり。

これは、両陛下のお気持ちを批判する、というより、「仮説」として読んでいただければありがたいと思います。

このくらい「毒」のあることでも言わないと、酷い報道の垂れ流しは止まないと考えたのです。

「天皇ご謀反」という表現も同じです。

なんだかんだいっても、両陛下の広く大きなお人柄は素晴らしいもので、私などが批判するのはたいへん失礼なことでした。深く恥じ入り、反省する次第です。

ご両親思いの皇太子殿下のことを思っても、表現に失礼があれば、重ねて深くおわび申し上げたいと思います。
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