朝、看護婦さんの母の呼ぶ声で目が覚める。
「お母さん、息してません。お父さん呼んでください。」
慌てて父に電話をかける。
「お父さん、お母さんが息してないみたい。」
それから、看護婦さんが心臓マッサージをはじめる。
当直医がなかなかこない。
10分後(5分位かもしれないけれど、以上に長く感じた。)医師がやってくる。
5分位だろうか、心臓マッサージをして、瞳孔もひらいている状態だったので、私に「臨終を告げていいですか?」と、聞いてきた。
「…。」私は無言。そんなの嫌だ。
医師「5時43分、ご臨終です。」
手早く器具を片付け退室。
私は諦め切れず、1人母の心臓マッサージ。
そのうち父もやってきた。「お母さん、おかあさん。」
その間も私は「お母さん、ここに戻ってきて、お願いだから、お母さん戻ってきて。」と、叫びながら、心臓マッサージ。
父に「もう、お母さん、静かにねかせてあげよう。」と、言われ、6時50分、泣き喚きながら手を止める。
自分の失態に母に謝る。
「ご免ね、お母さん、気付いてあげられなくて。○○(inazo_の本名)って呼んだのに、私、気付かないでバカみたいにねてたんでしょ。ご免ね、ご免ね。」
母はまだ温かく、眠っているようだった。
私が眠りにつく前に、色んな会話をした。
私:「この頃、お父さんってよく呼ぶけど、私の名前呼んでくれないね。」
母:「そぉーお?」
(2、3分後)
母:(私の顔をじっと見て)「○○ちゃん、○○さん。」
私:「久しぶりに呼んでくれたね。嬉しい。ありがとう。」
(母のおでこに私のおでこを合わせてスリスリ。)
(母、嫌がる)
私:「ごめん、ごめん。触られるのいやか。」
私:「フルーツの缶詰があるけど、食べる?」
母:「頂戴。」
私:「ラフランスと黄桃があるけどどっちがいい?」
母:「…。」
私:「ラフランス?黄桃?」
母:(黄桃でうなずく。)
私:「分かった。ちょっと待っててね。」(黄桃の缶詰をもってくる)「はい。」
母:「美味しそうにたべる。」
私:「おいしい?」
母:「おいしい。」(美味しそうにパクパクと食べる)
私:「いらなくなったら、いらないって言ってね。」
母:(うなずく。半分ほど食したところで)「もういい。」
私:「ごちそうさま。」
母:「はい。」
私:「お母さん、病気が治って元気になったら、また旅行行こうね。」
母:(うなずく)
私:「今度は桜見に行くよぉ。」
母:(うなずく)
母:「あ~ああ~…♪」
私:「何の歌歌ってるの?」
母:「わかんない。」
私:「私が歌ってあげるか?」
母:「歌ってぇ。」
私:「何の歌がいい?」
母:「わかんない。」
私:「わかんなきゃ歌えないじゃん。」
私:「明日も仕事だから、そろそろ寝るかなぁ。」
母:「はい。」
私:「おやすみー。」
母:「はい、おやすみー。」(間をおいて)「来てー、来てー。」
私:「いやーだよ。おやすみー。」
母:「おやすみー。」
そんな事を繰り返しながら、母は1人で何やら話していたが、そのまま私は寝に入ってしまった。
結局これが最後の会話となってしまいました。
私って、なんて冷たい人間なんだろう。なんてバカな人間なんだろう。
素直に行ってあげればよかったのに、どんな時でも油断できない状態だったのに、
つい油断してしまって…。
悔やんでも悔やみきれない。
「お母さん、息してません。お父さん呼んでください。」
慌てて父に電話をかける。
「お父さん、お母さんが息してないみたい。」
それから、看護婦さんが心臓マッサージをはじめる。
当直医がなかなかこない。
10分後(5分位かもしれないけれど、以上に長く感じた。)医師がやってくる。
5分位だろうか、心臓マッサージをして、瞳孔もひらいている状態だったので、私に「臨終を告げていいですか?」と、聞いてきた。
「…。」私は無言。そんなの嫌だ。
医師「5時43分、ご臨終です。」
手早く器具を片付け退室。
私は諦め切れず、1人母の心臓マッサージ。
そのうち父もやってきた。「お母さん、おかあさん。」
その間も私は「お母さん、ここに戻ってきて、お願いだから、お母さん戻ってきて。」と、叫びながら、心臓マッサージ。
父に「もう、お母さん、静かにねかせてあげよう。」と、言われ、6時50分、泣き喚きながら手を止める。
自分の失態に母に謝る。
「ご免ね、お母さん、気付いてあげられなくて。○○(inazo_の本名)って呼んだのに、私、気付かないでバカみたいにねてたんでしょ。ご免ね、ご免ね。」
母はまだ温かく、眠っているようだった。
私が眠りにつく前に、色んな会話をした。
私:「この頃、お父さんってよく呼ぶけど、私の名前呼んでくれないね。」
母:「そぉーお?」
(2、3分後)
母:(私の顔をじっと見て)「○○ちゃん、○○さん。」
私:「久しぶりに呼んでくれたね。嬉しい。ありがとう。」
(母のおでこに私のおでこを合わせてスリスリ。)
(母、嫌がる)
私:「ごめん、ごめん。触られるのいやか。」
私:「フルーツの缶詰があるけど、食べる?」
母:「頂戴。」
私:「ラフランスと黄桃があるけどどっちがいい?」
母:「…。」
私:「ラフランス?黄桃?」
母:(黄桃でうなずく。)
私:「分かった。ちょっと待っててね。」(黄桃の缶詰をもってくる)「はい。」
母:「美味しそうにたべる。」
私:「おいしい?」
母:「おいしい。」(美味しそうにパクパクと食べる)
私:「いらなくなったら、いらないって言ってね。」
母:(うなずく。半分ほど食したところで)「もういい。」
私:「ごちそうさま。」
母:「はい。」
私:「お母さん、病気が治って元気になったら、また旅行行こうね。」
母:(うなずく)
私:「今度は桜見に行くよぉ。」
母:(うなずく)
母:「あ~ああ~…♪」
私:「何の歌歌ってるの?」
母:「わかんない。」
私:「私が歌ってあげるか?」
母:「歌ってぇ。」
私:「何の歌がいい?」
母:「わかんない。」
私:「わかんなきゃ歌えないじゃん。」
私:「明日も仕事だから、そろそろ寝るかなぁ。」
母:「はい。」
私:「おやすみー。」
母:「はい、おやすみー。」(間をおいて)「来てー、来てー。」
私:「いやーだよ。おやすみー。」
母:「おやすみー。」
そんな事を繰り返しながら、母は1人で何やら話していたが、そのまま私は寝に入ってしまった。
結局これが最後の会話となってしまいました。
私って、なんて冷たい人間なんだろう。なんてバカな人間なんだろう。
素直に行ってあげればよかったのに、どんな時でも油断できない状態だったのに、
つい油断してしまって…。
悔やんでも悔やみきれない。
きっと優しいお母様は、疲れているあなたを、寝かせておいてあげたかっただけなんです。きっと最後は、あなたの名を呼んだのではなく、体を離れた魂は、あなたの寝顔を静かに見守っていたのです。きっと、「ありがとう、ありがとう」っておっしゃっていたと思います。優しくあなたのおでこをなでながら・・・・。
目覚めたあなたがとても悲しむのを知っていらっしゃったから、できるだけ長く眠らせて置いてあげたかっただけなんです。
お母様は、何よりもあなた方家族の幸せのことが心配だった・・・
静かな眠りから覚めたあなたの悲しみを思うと、起こしたくなかった・・・
あなたがお母様のご臨終に、気づかなかったのではなく、お母様が、眠らせてあげたいと思っていたから、目覚めなかったのです。
お母様は、あなたの幸せを願っています。
だから、お母様のことで、自分を責めてはいけません。
お母様との思い出を、悲しいものに変えないで・・・
泣くのを我慢しろというのではありませんよ。泣いていいんです。
でも、自分を責めてはいけません。
それが一番お母様にとってつらいことですから。
お母様は、優しい娘が静かに眠るお部屋で、静かにあなたの眠りを見守っていたのです。
私は、きっとそうに違いないと思います。
ワタシの母親の亡くなったときのこと、
もう17年も前のことですが、いまだに鮮明に覚えております。
最後の瞬間は勿論のこと、最後の会話までハッキリと覚えています。
それを思い出すたびに、17年経った今でも胸が苦しくなります。
でも、このときのことはずっと忘れたくないと思ってます。
細部にわたり覚えて、そして思い出すことが、
亡くなった母にとって供養になると思うからです。。。
誰も悪くなんてない。
ワタシも母が倒れる数ヶ月前からの体調不良など、
聞かされていたのですが、「病院行ってみたら
」と軽く言うだけで済ましてしまい、
それが大事になってしまったのを悔やんで悔やんで悔やみ通しでした。
でも自分を責めて苦しんでいる姿を母が見たとき、
どう思うのだろうと考えた瞬間、母の今までの言葉が頭の中を駆け巡りました。
「自分がしたいと思う仕事を頑張りなさい」
「自分を大切に思ってくれる男性を信じて付いていきなさい」
「長女だからシッカリとしなきゃ」
「家のことを助けてくれたら嬉しいのに」
などなど、いろんな言葉が駆け巡りました。
責めてたら何も始まらないと思うようになり、
徐々に気持ちが楽になってきた次第です。
んー、それにしても悔やまれてなりません。
母は酸素を鼻から入れていたのですが、それを嫌がって直ぐにはずしてしまうのです。
素直にしてくれる時もあるのですが…。
あの日も、何度してもはずしてしまいました。
いつもより酸素の量も安定していたので、ついそのまま寝てしまった。
せめて、酸素が入っているのを確認してから眠ればよかったと…。
今更何を言っても始まらないのですが、本と悔やまれます。