新・ヒット商品の発想&開発方法

ロングセラー商品やヒット商品のアイデア発想と開発方法を探り、未来のヒット商品を生み出す。

ヒット商品②~コカ・コーラ「い・ろ・は・す」

2009年10月18日 | ヒット商品
2009年5月の発売以来、わずか4カ月で1億本という爆発的売り上げを記録したのがコカ・コーラ「い・ろ・は・す」である。
百花繚乱の天然水市場、しかも小型PET市場でブレイクできたのは、100万台の自販機を持つ同社だから成し得たのだが、従来の開発コンセプト・マーケティング戦略にない、斬新な切り口が多くの消費者の注目を集めた。
まず、採水地、「森、自然」といった天然イメージ、内容成分を強調したネーミングではなく、日本古来の「いろは歌」と「LOHAS(ロハス)」を掛け合わせたものにしたこと。見慣れないネーミングが"新鮮"かつ"何の意味だろう"という注目を喚起した。本来、小型PET飲料の購入動機に成り得ない、「ロハス」(継続性のある環境負荷の低い生活)への思いが消費者の潜在意識を掘り起こした。身近なところで手軽に「ロハス」を実践できることが共感を呼んだのだ。
そしてコンセプトをより強固にしたのが環境に配慮した包装資材の採用だ。国内最軽量12g(従来比40%軽量)を実現したのはもとより、ラベルシュリンクも簡単に剥がせる巻きラベルにするとともにラベル自体も小さくした。軽量化にともなう耐久性は、リブ(多角形のくびれ)を入れることでクリアした。またラベルデザインはシンプルかつ洗練されたものに仕上げており、表示面積の制限を見事に克服している。
「飲み終わったらクシャッとつぶせる」という斬新なPromotionも秀逸だ。これまでの小型PET天然水のユーザーに留まらず、小・中学生や女性にも幅広く支持を広げたのが大ヒットの要因。容量を20ml増量し値頃感を訴求しているのも見逃せない。