新・ヒット商品の発想&開発方法

ロングセラー商品やヒット商品のアイデア発想と開発方法を探り、未来のヒット商品を生み出す。

ロングセラー商品⑦~明治乳業「エッセルスーパーカップ」

2009年04月05日 | ロングセラー商品
大容量、低価格、加えてプレミアムアイスクリームに劣らない美味しさが支持され、爆発的ヒットとなったのが94年発売の明治乳業「エッセルスーパーカップ超バニラ」である。単品で20億円売れればヒット商品といわれる中、翌年発売の「チョコマーブル」「ストロベリーマーブル」と合わせ2年で100億円を突破した。
当時のカップアイスは「バニラブルー」と「イタリアーノ」の2強時代。
「レディーボーデン」や「AYA」で培ってきた技術力を持つ同社は、この美味しさがもっと安い価格で実現できないだろうかと模索していた。バブルが終わり、”安くて美味しいものをたくさん食べたい”というニーズを的確に捉えて、「大容量で美味しい100円アイス」を開発コンセプトにしたのである。乳固形分が少なく植物性脂肪を使用するラクトアイス規格品だが、植物性脂肪13%、オーバンラン30に抑えることで後口の良さとプレミアムアイスクリーム並みの滑らかさを具現化した。
容量は通常カップアイスの約1.3倍の200ml、これまでにないボリュームが満足感を増幅した。さらに「スーパーカップ」のコンセプトを明確に伝えたのが新型容器である。主流であったメンコぶたから被せぶたにし、高級感、大容量を強力に訴求した。高コスト、安っぽいメンコぶたの見直しがヒットに結びついたと言っていい。開発コンセプトを明確に伝える3要素:ネーミング、デザイン、容器開発が訴求できた代表例である。