新・ヒット商品の発想&開発方法

ロングセラー商品やヒット商品のアイデア発想と開発方法を探り、未来のヒット商品を生み出す。

ロングセラー商品⑩~ダノン「プチダノン」

2010年03月04日 | ロングセラー商品
今や世界45カ国以上で販売される世界ナンバーワンヨーグルトブランド「ダノン」。
その誕生は1919年、スペインで腸の感染症が大流行し、病に苦しむ子供たちのために、世界で初めて工業化に成功したヨーグルト「ダノン」に遡る。
日本での商品展開は1980年で、ヨーグルトメーカーというよりも、「プチダノン」として知名度を得て、離乳完了期の幼児を持つ子育て主婦に圧倒的な支持を広げてきた。
種類別は、牛乳を主要原料としながら牛乳・乳製品に含まれない「乳等を主要原料とする食品」に区分される。耳慣れない規格名でネガティブイメージを懸念するが、あくまでも品質設計を重視した結果だろう。シンプルでありながら飽きの来ない滑らかでクリーミーな風味とテクスチャーは、新鮮な生乳をベースに独自の乳酸菌を用いたヨーグルトやフレッシュチーズの製法を併せ持ったもので完成度は高い。
幼児をコアターゲットにしたニッチ商品で売上や利益の急拡大は見込めない。だが、核家族化・少子化が進んだ中、子育て、特に離乳完了期の食事において不安を持つ主婦達に”安心、美味しさ”と”育児ママ応援”いう「ダノン」ブランドへの高い信頼感を勝ち得たきた機軸商品である。
日本での商品展開から30年、じっくりとブランド力を醸成、強固なものとしてきた。「プチダノン」で育った幼児が母親として受け継ぐととともに、愛用していた主婦は祖母になり、「ダノンビオ」などの主力商品に商品スイッチし、ヒットを支えている。