函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

函館港イルミナシオン映画祭開催期間中情報をリアルにお届けする「イルプレ」です。

無防備

2009年12月06日 | Weblog
最後に『無防備』。

ずばり命をテーマにした作品だと思います。
見所はやはり最後の出産シーン。
妊婦の役を演じた今野早苗さんは、市井昌秀監督の奥さんでもあり、実際に妊娠していながらの撮影でした。
初めて出産シーンを見たというお客様も多くいたようで、会場は緊張感に包まれました。
 
本作品を撮影するにあたって抵抗はなかったのかという質問もでましたが、今野さんは「普段から夫である市井監督の映画に対する熱い気持ちを聞いていたため、とまどいは無かった。むしろ、自分が子どもを産む姿を残すことで命の大切さを伝えられるのならば本望である」とのことでした。
 
命の大切さと、大事な人への愛情を感じられる心暖まる作品です。

ポチの告白

2009年12月05日 | Weblog
続いて『ポチの告白』。

この作品は上映時間、三時間一五分という映画祭最長の記録を残しました。
このことについて高橋玄監督は「普通の役人がどのようにして黒く染まっていくか、その様子を淡々と表現するためにはどうしてもこのように長い時間が必要だと考えました。そして、資料では伝わりきらないであろう警察犯罪の実態を、視覚的に表して伝えたいという思いが込められています。」とおしゃっていました。

また、警察役を演じた野村宏伸さんからは「初めて脚本を読んだ時、あまりのリアルさに驚きました。今までの映画とは違い、二〜三ヵ月稽古をした後に撮影をするという流れを繰り返して完成させました。長い時間をかけただけ、思い入れのある作品となりました。」というコメントをいただきました。

イエローキッド

2009年12月05日 | Weblog
続いては『イエローキッド』です。漫画のようになれるのではないかという妄想と、そうそう上手くはいかない現実とが切れ目もなく繰り返される映像に混乱したお客さまも多かったようです。
 
なんといっても音に圧倒されました。
サンドバックを激しく殴る音、階段を駆け上がる靴音、人の叫び声、様々な音が大音量で会場に響き渡りました。
あまりの迫力に、会場では息を飲む声が聞こえてきました。真利子哲也監督は撮影当初から、劇場で多くの人に見せられるような作品にしようと考えていたそうです。
そのため、音に関してはかなりこだわったとのことです。また、アメコミを使うことによってたくさんの色を使うことを狙ったとのことでした。スタッフも、ほぼ二十代前半という若さ溢れる作品でした。

掌の小説

2009年12月05日 | Weblog
本日のメイン会場である金森ホールでは、『掌の小説』、『イエローキッド』、『ポチの告白』、『無防備』の四本が上映されました。

はじめは『掌の小説』です。全四話からなるこの映画は、それぞれが独立しているのではなく、第一話から第四話まで流れるように展開していき、まるで一本の映画を見ているようでした。

印象的だったのは、第一話『笑わない男』での妻の台詞です。「足が寒くてしょうがないから、足を握っていてくれませんか?」と繰り返す彼女は、足が寒いことではなく、寂しいという気持ちを伝えたかったのでしょうか。

上映後は第三話『日本人アンナ』の監督である坪川拓史さん、出演された菜葉菜さんにお話を聞きました。「監督が話ごとで異なるということですが原作からの作品選択や撮影はどのように行われたのですか?」という質問に「作品の選択はそれぞれの監督が好みで決め、話し合いの後に決定しました。また、原作に忠実である方と自分なりにアレンジを加えた方など様々でした。」と坪川監督。「どの作品の撮影も四人の監督がそろった状態で進められました。チームの団結力は強いものでした。」と菜葉菜さんからコメントをいただきました。

公式パーティー

2009年12月05日 | Weblog
本日の最終かつメインイベントは牛頭BARと称したオープニングパーティー。
林海象さんの乾杯の音頭と共に始まりました。みなさんおいしい食べ物に囲まれ会話を楽しんでいる中、あがた森魚さんのコンサートが行われました。

一曲目は「港のロキシー」。あがた監督の同名映画の主題歌です。ゆるやかな曲調で始まりました。二曲目は「オー・ド・ヴィ」。函館港イルミナシオン映画祭のシナリオ大賞からうまれた本映画祭にゆかりのある映画です。『つむじ風食堂の夜』の監督でもある篠原哲雄監督の監督作品で、あがたさんも出演されています。三曲目は「佐藤敬子先生は残酷な人ですけど」。あがたさんの小学校の恩師にあてた曲で、佐藤先生には様々な夢を教えていただいたとのことでした。

演奏が終わった後も、大きな拍手とアンコールが湧き、更にもう一曲演奏されました。最後の曲は「大寒町」。函館であがたさんと言えばこの曲でしょう。
みなさん、食事を楽しみながらも、リズムにあわせて体を揺らしたり、手拍子をしたりと、素晴らしい演奏と歌声に聞き入っていました。

その後、二日目以降の監督、プロデューサー、女優さん方が挨拶をされました。会場はたくさんの拍手であふれ、暖かい雰囲気に包まれていました。

また、あがた森魚さん主演の『あがた森魚ややデラックス』は3日目の一六時〇〇分よりクレモナホールにて上映されます。是非、ご覧ください。

映画祭開会式

2009年12月05日 | Weblog
今回の映画祭の開会式はお客様が大勢押し寄せ、ホールはあっという間に満員と
なりました。

上映の後、シナリオ大賞授賞式が行われました。
グランプリ(函館市長賞)に小林和世さんの「川霧の街」と、土橋章宏さんの「スマイリング」、準グランプリに下小城愛紀さんの「ベンジョ虫さん」、審査員奨励賞には園田新さんの「記憶代理人」が受賞されました。
 
小林和世さん「映画・ドラマ好きの趣味が高じて、様々な人に自分の作品を見てもらいたくて応募しました。」

土橋章宏さん「感情をテーマにして人とのつながりを伝えるためにこの作品を作りました。」

受賞者は皆、喜びの声や今後の目標を熱く語っていました。また、審査員の方々は皆今年の応募作品のレベルの高さを評価する一方で、脚本家たちに自分にしか書けない独創性のある作品を作ってほしいと激励していました。

つむじ風食堂の夜

2009年12月05日 | Weblog
続いては「つむじ風食堂の夜」です。

大人になって、ある程度の幸せを感じている反面、心にぽっかりと穴が空いているような感覚を持っていて、戸惑いを感じた事のある人は多いのではないでしょうか。

今の自分と、思い描く理想の自分もしくは将来の自分に葛藤しながらも、新しい自分を探し出していく「私」を見て心が暖かくなりました。

上映後は主演の八島智人さんと、監督の篠原哲雄さんに撮影の思い出や映画に対する想いなどを話していただきました。
最後の一言では、篠原監督は「函館は映画のイメージにぴったりの場所だった。「ここ」とは何かという小さな哲学的題材から、多くの人が共感してくれるような映画を目指して作った」と函館での撮影に対する思いを語ってくれました。

八嶋さんへのインタビューでは、印象に残ったシーンとこれから映画を見る人たちへのメッセージをお聞きしました。
「一番最後のシーンでいろんなことがあった私でしたが、最後は父親を認め改心で
きたというときの私の顔が自分自身でも印象的であったので皆さんに見て欲しいです」と答えていただきました。

ありがとうございました。

若い人

2009年12月05日 | Weblog
今年のオープニングを飾ったのは、函館初ロケ作品の「若い人」(一九三七年)です。

舞台はミッション・スクール(遺愛女学院)。
男性教師・間崎を間に挟んでの女子生徒・恵子と女性教師・橋本の微妙な関係が描かれていました。

自由奔放な恵子に手を焼きつつも、決して彼女を見はなさない間崎。そんな間崎になつく恵子。一方、それが気に食わない橋本。

印象的だったのは、対象的に描かれた恵子と橋本の性格です。
自由奔放な性格で思春期ならではの瑞々しさをもった恵子は、父親を持たないことにコンプレックスを持ち、行き場のない思いを間崎や母親にぶつけます。
一方、橋本は理屈っぽい性格で、なかなか恵子のように自分の気持ちを素直に表現することができません。
もしかしたら、橋本は心のどこかで恵子に憧れていたのかも知れません。

恵子と橋本に挟まれて戸惑う間崎ですが、間崎の気持ちは結局はっきりしないまま映画はエンディングを迎えます。
そのエンディングのあっけなさに、幕が下りた後の場内はしばしどよめきに包まれました。

上映後に、映画をご覧になったあがた森魚さんからコメントがありました。
「男女の描かれ方が、今の私たちから見ればモヤっとしている。しかし、この時代(昭和一二年)だからこそ撮れた映画だと思う。今このような映画を撮ろうと思っても撮れない」

"時代とともに人間の描かれ方も変わる"ということを実感した映画でした。

たくさんのご来場ありがとうございました!

2004年12月06日 | Weblog
2004イルミナシオン映画祭の全プログラムが終了しました。
たくさんのご来場、本当にありがとうございました。そして当映画祭のために駆けつけて下さったたくさんのゲストの方々、ボランティアでお手伝いをして下さった全ての皆さま、函館ロープウェーさんをはじめとする各関係者の皆さまにスタッフ一同心よりお礼申し上げます。

そして本日、低気圧による悪天候のためロープウェーが運休となってしまい、スケジュールが大幅に変更となりました。天候のためとはいえ、観客の皆さまには多大なるご迷惑をおかけしましたことをこの場を借りて深くお詫び申し上げます。特に「丹下左膳余話 百萬両の壺」にお越しいただいた皆さまには、いきなりのトラブルにもかかわらず快くご協力をいただいたことに感謝するとともに、改めてお詫び申し上げます。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございませんでした。

明日からまた、来年に向けて発進です。よりよい映画祭とするために努力していきたいと思います。前夜祭を含め4日間という短い期間でしたが、ご覧になっていただいた全ての方々に感謝いたします。本当にありがとうございました。また来年お逢いしましょう。

なおここで紹介されていないプログラムに関しましても、これからも順次アップするつもりでいますので、もしよろしければご覧下さい~。

永瀬正敏&宮崎あおい登場!

2004年12月05日 | Weblog
 永瀬正敏さんゲスト決定!?お知らせを受けたとき、私たちスタッフは色めきたちました。「うおーーー!」まさに咆哮です。ま、ま、まさか、あの濱マイクがっ!ミステリートレインが!長い長い映画祭のミーティング後に受けたその吉報は、スタッフの疲れを吹き飛ばしました。そして今日。永瀬さんは飛行機に乗り遅れそうになり羽田空港を疾走しながらも駆けつけてつけて下さいました。しかも急遽、宮崎あおいさんも来函決定?わーーー!こんな幸運があっていいの!

 大勢の観客の方々で埋め尽くされたクレモナホール。あまりの反響の多さに、整理券を発行したのはイルミナシオン映画祭史上初。みごと整理券を手にされた幸運な方々は、上映後今か今かと永瀬さん&宮崎さんの登場を待ちわびてました。まずは宮崎さん登場!うわーー、可愛い!思わず歓声があがります。まるでお人形のようでした。そしていよいよ永瀬さん登場!女性の方々の目がキラキラしてるのなんのって!そういう私もキラキラでしたが。(恥)

ということで、舞台挨拶のもようをレポレポ。

---ようこそおいで下さいました。

宮崎…お呼びいただきありがとうございます。またここに来れて嬉しく思います。パコダテ人のときは3週間滞在しましたが、それ以降ドラマや映画で北海道にくる機会が増えたんですよ。

永瀬…こんなにいっぱい観に来ていただきありがとうございます。監督も喜んでいると思います。10周年おめでとうございます。

---『ラブドガン』に出演された感想は?

永瀬…ちょうど少し休もうかと思っている時期にこの話をいただいて。ドンパチものらしいしどうかなぁと思ったのですが、脚本を読んで胸キュンとなりまして、出演をきめました。

宮崎…2回目を見たときに「カッコいい映画だなー」と思いました。撮り方が面白くて、その画のなかにいられることが嬉しいと思いました。

---『ラブドカン』のエピソードなどを。

永瀬…現場に入るたび驚いていました。あおいさんが縛られているときに上からハサミが降りてくるとか。監督の頭にあって脚本にはないので、毎日が驚きでしたね。

宮崎…現場では監督の指示でスタッフとは話をしてはいけないことになっていて、本当に孤独でした(笑)

…最後に一言ずつお願いします。

宮崎…またこの映画祭に来れたらいいなと思います。今度は雪が降る時期にここに来たいです。楽しみにしています。

永瀬…次は「パコダテ人2」でお会いしましょう。(館内爆笑)

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 時間が足りなくてほんの少ししかお話が伺えませんでした。ロープウェー最終便のバカ!…と観客の皆さん誰もが思ったことでしょう。でもね、イルプレを見てる人だけに朗報!なんとコレを書いているこの席に永瀬さんがいらっしゃいます!ちょっとだけコメントをいただきました。ラッキーです!わたしもドキドキ。

---函館の印象はいかがですか?

 夜景がキレイでしたねぇ。あれが100万ドルの夜景ですか。飛行機からみた夜景もとてもキレイでした。

---『ラブドガン』思い出に残っているシーンは?

 うーん、全部ですねぇ。これと決められない。それはどの作品でも同じです。

---宮崎あおいさんの共演は初めですか?

 そうです。めっちゃくちゃ可愛いですよ!自分の感性をしっかり持っている役者さんでした。

---岸部一徳さんはいかがでしたか?

 あの人の雰囲気というか演技は真似できないですよね。凄い人ですよ。

---苦労した点は?

 最初監督から、ハヤマダは天才だからと言われて。でも僕は凡人なので天才を理解するなんて難しい。だから試行錯誤しながら演じました。

---函館のファンの方に一言お願いします。

 映画祭初の整理券を配っていただけるほど多くの方に興味を持っていただいて本当にありがとうございます。機会があったらまたぜひ来たいと思います。

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ナマ永瀬さんはとてもいい匂いがしました…。(未だ夢の中)
 永瀬さんはお酒が飲めないそうなのでウーロン茶。普段は何を飲んでいるのですか?とお聞きしたら「お茶とか、あ、珈琲好きです。あとコーラとか。ソフトドリンクなら何でもイケます」とのこと。できることならソフトドリンクになりたい…と真剣に思った私です。結局二時半くらいまでお付き合い下さいました。またいつか映画祭にお越しいただけることをスタッフ一同心よりお待ちしています!