goo blog サービス終了のお知らせ 

N2 ToolBox(跡地)

跡地です。引っ越しました。http://d.hatena.ne.jp/nosen

Programming in Scala

2009-06-03 07:37:32 | ブックレビュー
Programming in Scala: A Comprehensive Step-by-step Guide

以前からScalaには興味があったのですが、本格的にはまったのはこの本を読んでからです。
これは名著です。名著と言わざるをえない。
技術書もいろいろ読みましたが、徹夜で読みふけったのはこれが初めてです。
かなりぶ厚い本ですが、1ページめくるごとに新しい発見があって、まったく厚さを感じさせません。

文体は簡潔にして明晰であり、とても理解しやすいものです。

一見 複雑に見えるScalaの機能が、いかに一貫性のある、シンプルな思想に基づいて作られているのかがわかります。

これを読めば、きっとあなたもScalaが好きになる!

おすすめです。

魍魎の匣

2008-04-17 08:57:05 | ブックレビュー
最近S君の薦めもあって、京極夏彦をよんでいます。
昨夜は魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)を読破しました。
大層面白い本で、ついつい明け方まで一気に読んでしまい、現在大変眠い状態です。
前作の姑獲鳥の夏も面白かったですが、2作目になってさらに磨きがかかっている感じです。
文庫版でありながら持ち歩くのが億劫になるほどの厚さの分量でありながら、
冒頭から終盤まで、無数の伏線を織り交ぜながら一気に読ませる物語の構成力はただごとではありません。
この文庫自体がかなり四角い箱です。中には、物語を綴る言葉が一部の隙もなくみっしりと敷き詰められております。

京極夏彦の描く世界観は、心身二元論の世界です。
世の中には物質だけが存在し、心はその影のようなものだとするのでも、
世の中には精神しかなく、世界は精神が描き出す夢のようなものだとするのでもなく、
精神と物質の両方が、確かに存在するのだという世界観です。

いま、私たちの目の前に広がっている世界。
この世界は、目を開けば意識に上り、目を閉じれば消えてしまう。
ここから、私たちの意識が自分の外部にあるなにものかに依存することがわかります。
しかし、目を閉じていても、夢の中ではその世界のイメージを再生することが
できます。ここから、私たちの意識には自分たちの外にあるものには依存しない
なにものかも紛れ込んでいることがわかります。

私たちが世界をみるとき、半分は自分の外の対象をみていますが、
半分は自分自信をみている。

意識とは、心と物との間の関連クラスなのです。

京極夏彦の小説は必ず妖怪をモチーフにしますが、妖怪はこの関連クラスの中に湧くものらしい。妖怪を一種の道具として、この関連クラスの存在を認めなければ癒されることのない苦しみを癒していく、というのが本作に限らず京極夏彦の小説のテーマのような気がしています。

そういう意味で、おどろおどろしくもありますが、本質的にはとても優しい、救済の物語であるともいえます。実際私も忙しくて大変な状況のなかでかなり癒されました。

なにを言っているのかわからない人は、ぜひご一読を。難しいこと考えずとも文句なしに楽しめます。

アジャイルプラクティス::64.0kg

2008-03-10 02:02:15 | ブックレビュー


金曜日にXPJUGにおじゃましてかくたにさんと木下さんのサインをGET
してきました!木下さんの体験談が生々しくて面白かった。。

私ももう3年くらいアジャイル開発に取り組んでいますが、
難しいと思うのは、アジャイル開発はチームで取り組むべきものなので、
アジャイル開発が成立するためには、自分だけでなく、他の開発者や、お客様もアジャイルプラクティスを実践する必要があるという点です。
この、他の人をうまく巻き込むところがなかなかうまく出来なくて
苦労している訳ですが、すくなくとも他の人を巻き込むためには自分自身は
アジャイルプラクティショナーである必要はあるはずです。

その先にどんな苦労があるにせよ、最初の一歩は自分自身の信念とか、
問題意識とか、そういう熱い思いを動力源にして踏み出さなくてはいけない。

プラクティス4番の「機雷がなんだ、全速前進!」

私はこの言葉が大好きです。すごく勇気づけられる。

ソフトウェアプロジェクトは機雷だらけなわけですが、困難にめげず、いつもプロ意識をもって、
成功に向かって前進していきたい。そういう気持ちを後押ししてくれる本です。

うちのプロジェクトのメンバ全員に読ませたい。
そして、400字詰め原稿用紙5枚分の感想文を書かせたい。

ブックレビュー: RESTful Webサービス

2008-01-16 22:18:58 | ブックレビュー

全然別の本を買いにいったのに、つい衝動買いしてしまった本です。RESTというアーキテクチャには随分前から興味をもっていたのです。

RESTful Webサービスというのは痛快な発想です。なぜなら、大手のツールベンダが大げさに宣伝する、SOAP+WSDLみたいな重たいWebサービスに対し、そんなものいらねぇ、プログラム言語に最初から
ある機能とHTTPがあれば充分、と正面から挑んでいるからです。

世にツールベンダのためとしか思えない標準のなんと多いことか!

それはともかく、本書は、Webサービスのみならず、Webアプリケーションを構築する作業に携わる人は一度は目を通しておいた方がよい本だと思います。

世のもっとも普及しているHTTPクライアントはWebブラウザなので、URLに適切な構造を持たせるとか、GETとPOSTを使い分けるとか、HTTPの使用を活かした形でサーバ側のサービスを構築することで、ユーザがWebブラウザにどんな操作をしようとも、サーバが適切に振る舞うように構築できるようになると思います。

私としては、PUTメソッドの意味がちゃんと分かったのが大きな収穫でした。


アート・オブ・プロジェクトマネジメント

2007-03-28 01:16:44 | ブックレビュー


アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法

ひさしぶりにじっくり時間をかけて読みました。内容濃すぎです。
プロジェクトマネジメントの道に迷ったとき、何度でも読み返したい本です。

リーダシップとはなにか、コミュニケーションとは何か、
計画や目標設定とはなにか、といった、お仕着せの理論では絶対に
学ぶことのできない根本的な問題に真正面から、しかも実践的にぶつかっています。

ここでは、紹介しきれないくらいの名言が満載です。
ちょっと最近ひさしぶりに超忙しいこともあって、
今はまだ頭が整理しきれないので、また機会があったら
感想をかいてみたいです。

Eclipseプラグイン開発徹底攻略

2007-03-05 21:25:47 | ブックレビュー

Eclipseプラグイン開発徹底攻略

Amazonで注文してたやつが届きました。
内容はもりだくさんで、読むのは大変そうですが、ちょうどEclipseプラグイン
の勉強をしたいと思っていたところだったのでいいタイミングでした。
内容については、書いている人達が全員知り合いなので、公正なレビューは出来ない
ですが、Eclipseプラグインに関してここまでまとまった情報を凝縮した
書籍は類をみないのではないでしょうか?
とにかく執筆は大変そうだったので、まずはたけしゃんをはじめとする
著者のみなさま、お疲れさまでした。

いきなり役にたつプラグインを作るのは難しいので、
まずは気楽にばかばかしいものをいくつか作ってみたいです。
技術的に可能かどうかわからないですが、以下のようなものを
つくってみたいと考えています。

1. 残業禁止プラグイン
定時になると勝手にワークスペースを終了する。
10分前になると蛍の光が流れる。

2. 居眠り防止プラグイン
一定時間キー入力がないとランダムにファイルを削除しはじめる。

3. アンチコピペプラグイン
コピペをしようとすると警告を出す
(本当にコピペしますか?張り付けようとしているコードを理解していますか?)
あるいは、他のユーザに通知する。
(XXくんがコピペしましたー!!)

4. ファイル共有プラグイン
winny感覚で欲しいコードがすぐ手にはいる。
大問題になりそうだ。

5. デスノートプラグイン
ユーザIDを書かれた者は、死ぬ。
アンチコピペプラグインとセットで使うと効果大。

6. 出会いプラグイン
忙しいあなたの変わりに世界中のEcilpseユーザのなかから
出会いをさがします。サクラ機能つき。

7.ショートカットキー養成プラグイン
マウスが使えなくなる。

8.福本プラグイン
メッセージに適当に"..."とか"!!"を挿入する。



ブックレビュー: Java 並行処理プログラミング

2007-01-13 12:03:43 | ブックレビュー


前から洋書の方を買おう買おうと思っていたら翻訳版がでたので、
去年の年末ぐらいに買いました。

内容はとても素晴らしいです。
翻訳もこなれた日本語になっていて、読みやすい。

いままでスレッドとか並行処理に関してここまでわかりやすく、かつ
幅広く解説した本はなかったのではないでしょうか。


この本を読んで、スレッドに関する私の理解は実はそうとう中途半端
だったことが判明し、反省しきりです。
いままで仕事でスレッドが絡むプログラミングをしたこともあるのですが、
あれは本当に大丈夫だったのだろうかと不安に駆られました。

今まで私の中で謎の存在だった
java.util.concurrentパッケージがかなり便利なこともわかりました。
これを使わない手はないですね。

普段あんまりスレッドとか触らない人でも、Javaプログラマを
名乗るのであれば、一般教養として読んでおきたい一冊ですね。

ブックレビュー:成功する要求仕様 失敗する要求仕様

2006-12-24 14:18:04 | ブックレビュー


タイトル: 成功する要求仕様、失敗する要求仕様
原題: Just Enough Requirements Management
著者: Alan M.Davis
訳: 高嶋優子
監修: 萩本順三/安井昌男

要求開発とか、要件定義を題材にした書籍は既に数多く出版されています。
私の読んだ範囲では、それらは以下の3つのカテゴリに分類できると思います。

1. 特定の技法の紹介
2. 要求開発に関するTips集
3. そもそも要求開発とはなんぞや、みたいな考え方を述べる

1. と2. はボトムアップ型のアプローチで、
内容が具体的なので読んだらすぐ役立ちそうに見えるのですが、
ある特定の技法なりTipsは大抵は特定の状況にしか通用しないので、
いざ現場に適用しようとすると意外とこまってしまうことも多いように
感じています。

3. はトップダウン型のアプローチで個人的には興味をもっていて
好きなトピックなのですが、なにぶん抽象的で難解になりやすく、
現場に適用するにはかなりの応用力が必要になります。

さて、今回紹介する「成功する要求仕様、失敗する要求仕様」は上記の
分類のうち、3.に分類される本です。
しかし、今までの本よりも、
格段にやさしく、わかりやすく、具体的に要求開発のポイントが
述べられていると思います。

この本の思想の中心となっているのは、原題にある「Just Enough」
ということです。要求開発は、コストをかけすぎず、かつ適当すぎず、
「ちょうど良い」レベルで行うとよい、という主張です。

この考えは私も完全に同意です。
そもそもなぜ要求開発なんかやらなくちゃいけないのか、
いきなりコードを書き始めたらいけないのか、というと、
要求開発をやらないと開発したものが実際に必要とされているものと
異なるリスクがあまりにも高くなってしまうからです。
私は、要求開発でどれくらい頑張らなければならないかは、
ソフトウェアの構築のコストに反比例すると思っています。
極論すると、ソフトウェアの再構築作業が5秒で終わるなら、
別に要求開発なんかやらなくてもそんなに問題ないはずです。
期待したのと違うものが出てきたら、やり直させればよいのですから。

現在の技術レベルでは、いろんなツールとかを駆使すれば
オープン系のシステム開発のシステム開発の構築コストは言うほど高くは
ないので、要件定義に投入するコストも「それなり」の方がむしろ
Betterだと思います。
要はシステムのふるまいを全て厳密にきめようと頑張っているあいだに、
実際に作りはじめてしまった方が良い場合もあるよね、ということですね。

それ以外に紹介されている具体的な要求開発のやり方も
私のチームでやってる要求開発のやり方と大体同じだったので、
今後、うちのチームの要求開発の教科書にしようかと思っています。
この本には過度にコストをかけることなく、うまくリスクを軽減しつつ、変更を受け入れつつ
要求開発を成功に導くにはどうしたらよいか、実践的なアドバイスが満載です。

だから、要求開発にかかわるすべての人が、まずはじめに本をよんで欲しい本です。
うしろにくっついてる参考文献リストも素晴らしいので、まずこの本を起点に、
必要に応じて他の本を読んで行ったらよいと思います。

結局要求開発のポイントは、本書の第6章「まとめ」でたった7ページでまとめられている
ことがほとんど全てだと思います。私はそのことが早く、システム開発の業界の常識に
なってくれたらいいと思っています。



ブックレビュー:りっぱな犬になる方法

2006-12-15 07:01:36 | ブックレビュー
りっぱな犬になる方法 バイリンガル版
きたやま ようこ 著
渡辺 真子 訳

この本は、しょうらい 犬になってみたいと おもっている、
もしくは、自ら意図して いないのにある日 とつぜん 犬になってしまった、
という人のために、犬として、りっぱに生きていくための方法を
ほんものの犬からの 生々しい取材に 基づいて解き明かしています。

人間として生きていくのが なかなかしんどい 昨今のご時世、いっそのこと
犬として生きてみようか、と思う方も多々おられるかと思いますが、
そういう方は この本を読んで、考え直していただきたい。
少なくとも、りっぱな犬というものは りっぱでない 人間よりもずっと
りっぱだ、ということが分かるはずです。
りっぱな犬になるというのは、思ったほどかんたんではないのです。

むしろ、いきなりりっぱな犬をめざすというよりも、
りっぱな犬のりっぱなところをみならって、少しでもりっぱな人間に
なろうと どりょくするほうが現実的と言えます。

とくに、りっぱな犬ならできるのに、おおくの人間ができていない、
つぎのことを、できるように どりょく したらいいとおもいます。


ねているときにはゆめをみよう
おきてるときにはゆめをもとう


かいしゃでは りっぱな肩書をもっている、りっぱでない人間のみなさん、
しんきくさい はなし ばかりしてないで、すこしは ゆめを
かたってみませんか?