N2 ToolBox(跡地)

跡地です。引っ越しました。http://d.hatena.ne.jp/nosen

組織のビジョンに関する4つのレベル

2004-11-30 01:30:07 | 意見
近頃職場の事情で組織のビジョンとは何か?
についていろいろと考える機会がありました。

組織のビジョンとは、仕事をする人を勇気づけ、
奮い立たせるものでなければならないと思うの
ですが、世の中そんな良くできたビジョンばかり
では無いようです。そこで、ビジョンに4つのレベル
を考えてみました。
後の方になるほどレベルが上がります。

1. 愚痴レベル
現状に対する不満をただつらつらと並べたてて
いるだけのレベル。典型的なダメサラリーマンにありがち。
僕も知らず知らずのうちに
愚痴レベルの発言をしていることがある。
自戒の意味をこめて。

2. 妄想レベル
単なる愚痴から一歩進み、
「もっとこんなふうになったらいいのに」という
妄想を描き始める。ただしあくまで妄想なので、
現実味はほとんどない。残念なことに、ほとんどの
経営者のビジョンはこのレベルにとどまっているようだ。
ありがちなのは、「X年後に売上XX億!!!」という妙に具体的
な妄想を抱くパターン。
裏付けのない数字を並べたてるだけなら小学生でもできる!

ある下校中の小学生の会話:
小学生A:「オレ、将来100億稼ぐ~」
小学生B:「じゃオレ、150億~」

彼らとしょぼい経営者の間の違いはわずかである。

3. 構想レベル
妄想から脱し、どうやったらビジョンを実現できるか
構想するレベル。

4. 戦略レベル
ビジョンを実現する方法に関して具体的なアクションプランを
たて、現状がビジョンにどれくらい近付いているかを
確認する手段までを確立している段階。

妄想レベルまでは誰でも簡単に到達できるのですが、
そこから先に進むのはなかなか難しい様です。
戦略なきビジョンなど、ビジョンと言えないと思うのですが。

ブックレビュー:9つの性格

2004-11-21 22:35:02 | ブックレビュー
書名:9つの性格 エニアグラムで見つかる[本当の自分]と最良の人間関係
著者:鈴木秀子
発行所:PHP出版
1,429円
ISBN4-569-55756-2

エニアグラムというのはある種の性格タイプ論で本書は
その解説書です。
性格タイプ論というと血液型性格診断のようなものを想起
してうさんくさいイメージを持たれる方も多いと思いますが、
エニアグラムはゼネラルモータース、AT&T等で導入された
実績のある、割と科学的裏付けのあるもののようです。
特にアメリカで普及しているとのことです。

エニアグラムの源流ははるか2000年前のアフガニスタンに
遡ります。そこからイスラム世界に伝搬し、神秘主義的
宗派であるスーフィー派で秘儀中の秘儀として一子相伝で
伝承されていたそうです。
ほとんど北斗神拳のようなノリですね。

エニアグラムの伝えるポイントは以下の2つです。
  • すべての人は必ず9つの性格タイプに分類できる
  • 9つの性格タイプは世界中で均等に分布している

アメリカで心理学者が調べたところ、この主張は大体
裏付けがとれているそうです。

9つの性格タイプの詳細はこちら
を参照して頂ければと思います。

それぞれのタイプは、違うものをエネルギー源として生きています。
たとえば、タイプ3なら「成功」、タイプ5なら「知識」など。
それらは人にとってプラスに働くこともあれば、マイナスに
働いて「囚われ」となることもあります。
本書ではどちらかと言うとこの「囚われた状態」を詳しく
記述することによって、各タイプの人が自分の良くない状態を
客観的に見ることができるようになり、辛い状態が少しでも
楽になることを主眼に置いています。
エニアグラムの良い所は、単に分類することが目的ではなく、
人が自分自身の本質を理解することによってより良い人生を
歩むことができるようになることを狙っている事だと思います。

自分がどのタイプか判断するために、
簡単な診断テストも記載されていますが、最終的には各タイプに関する
詳しい記述を読んで自分で判断しなくてはいけません。
前述の通りこの本は「囚われ」を中心に構成されていますので、
各タイプともボロボロにけなされています。
おそらく、その記述内容が一番イタイのが自分のタイプです。
僕はテストではタイプ5とタイプ8が同数だったのですが、
記述を読むと明らかにタイプ8でした。

あまりにも的確で容赦ない指摘に、
しばらくへこんで立ち直れませんでした。
でも自分探しの旅としては、イラクに行くより安全だし、
値段も1,429円とお手頃です。

ちなみにタイプ8は
「強さを求め、自己を主張する人」
だそうです。

有名人で他にタイプ8と想定される人には、
ピカソ、ニーチェ、ラオウなどがいます。

自己と他者をよりよく理解し、互いの価値観を認め
あうために活用することができます。
ややこしい会社の人間関係をほぐすのにも役立ちます。
はっきり言ってめちゃめちゃ深いです。だまされたと思って
一回読んでみてください。

Be Curious first... critical second.

2004-11-11 23:15:53 | その他
Killer Phrase Posters: http://whatagreatidea.com/poster.htm

一緒に仕事をしているコンサルタントの方に教えてもらった
サイトです。クリエイティブな発想を台無しにするキラーフレーズを
列挙したポスター(PDF)をダウンロードできます。
曰く
  • うまくいくもんか!
  • 時間がないよ!
  • 予算がないよ
  • 上司がうんといわないよ
  • そんなこといつもやってるよ
  • 子供だましだよ
  • 委員会に諮ってみよう
  • こないだそれを言ったやつはもうここにいないな
  • いいアイデアだけど僕たち向きじゃないな
  • No!

要はアイデアには、最初は好奇心をもって可能性を検討しましょう、
批判するのはあとにしましょう、ということ。

まったくもってその通りです。でも、批判することが
自分の仕事だと勘違いしているお偉い方々も大勢います。

僕も同じにならないように、早速このポスターをプリントアウトして、
職場の机の前に張りました。

その他の使い方としては、朝早く出社してこっそり物分かりの悪い
お偉方の机に張ってまわるというのもありかと思います。

大体会議って言うのは本来批判し合う場ではなく
共同創造の場であるべきですよねぇ。

Eclipse Technology Project

2004-11-08 23:01:41 | オープンソース
Eclipse Technology Projectって怪しげなプロダクトが
沢山あって、良く分からないですよね。
僕の後輩のKという男が書いている

このエントリ
はいま立ち上がってるプロジェクトを概説して
くれてます。

個人的にはGMTとかオムレツとか、MDAがらみはもうちょい成熟してこないと
怖くて手が出せない感じです。

Web Standard Toolってのは面白そうですね。
もし将来的にMaven2と統合されれば、Maven2=ビルド、Eclipse=ソースコード編集
っていう住み分けができそう。

Maven2:プラグインの解決

2004-11-05 07:10:57 | オープンソース
Maven2の小ネタをまた一つ。

Maven2ではプラグインはGoalを実行する時に必要に応じて自動的に
ダウンロードされるようになります。
(そのためMaven2のディストリビューションはかなりコンパクトです)
現状ではゴールの実行時に以下のような流れで処理が行われます。

  1. ゴールを実行するプラグインが既にロードされているかチェックする

  2. ロードされていなかった場合、ローカルのリポジトリにプラグインの
    jarがあるかチェックする

  3. ローカルのリポジトリにプラグインのJarが無い場合、
    リモートリポジトリからダウンロードする

  4. プラグイン用に新しいClassWorldsのClassRealmを作って、
    プラグイン自体のjarと依存するjarを追加する


ダウンロードするJarファイル名は、11/4日現在、

maven- + [pluginId] -plugin-1.0-SNAPSHOT.jar

という名前で決めうちになっており、ソースコードには

これは全然イケてない。ArtifactIDもバージョン名の展開の仕方
も、もっとましな方法を考えないとね


という意味のことが書かれています。
このせいで、genappプラグインとか、1.0に存在するけど2
でまだ出来てないプラグインを実行しようとすると、
jarはダウンロードできるけど、META-INF/plugin.xmlという
m2におけるプラグインの設定ファイルが読めなくてエラーになります。

それはともかく、面白いのは上記手順のうち2, 3, 4はMaven2自体でなく
Maven2が採用しているコンテナであるplexusがやってくれているという
ことです。Mavenは「このプラグインはまだロードしてないから適当に
ロードしといてね」とお願いするだけで、その後の面倒な
処理は全部plexusが引き受けてくれます。

plexusには必要なJarをMavenリポジトリから探して来てClassRealmを
作ってくれるコンテナAPIの実装が存在するのです。

つまり、Plexusを使うと、jarの依存関係をバージョン間の依存まで含めて
実行時に自動的に解決し、必要があればダウンロードまでしてくれる
アプリケーションを簡単につくることが出来そうです。
もうJar地獄とはおさらばですね。

FieldInjectionがplexusの最大の特徴かと思っていたら、
なかなかどうして、ユニークな機能を持ってるもんです。
ちょっとAvalonっぽい雰囲気も漂わせてます。

Maven2というコンポーネント

2004-11-02 03:22:27 | オープンソース
随分久しぶりになってしまいました。

職場で風邪がアウトブレイクしていて、体調が最悪だったのと、
心も風邪をひいていて、やる気が燃え尽きていたのが原因です。
まだ完全に復調していません。ほんと先週は最悪でした。
1年ぶり位で熱をだして仕事に穴をあけてしまいました。

金でなんとかなるならやる気を買いたい今日このごろです。

愚痴ばっか言っててもしょうがないんで、久しぶりにMaven2について
調べたことを少々。

Maven1.0は、完全にコマンドラインベースのアプリケーションとして
作られていて、基本的には起動してgoalを実行したらVMも終了という
流れになっていました。
これはantの様なビルドツールとして使う分には問題ないのですが、
eclipseなどのIDEに埋め込んで使ったり、サーブレットコンテナと
同一VMで起動したい時にはよろしくありません。
特にクラスパスがらみで底の見えない穴にはまりこんでしまうこと
請け合いです。現に職場で僕の近くの席の人が見事にはまって
ました。

Maven2はそれ自体がコンポーネントとして他のアプリケーションに
埋め込まれることを前提に、よく考えられて設計されている様です。

第一に、ClassWorldを使用してプラグインごとにClassRealmを分けて
いるため、クラスパスの問題はずっと少なくなります。

第二に、プラグインとPOMのライフサイクルが
慎重に区別されています。
POMがMaven#executeメソッドの実行中のみ生きている
情報なのに対し、プラグインの情報というのは適切にキャッシュされ、
複数のビルドで共有されるべきものです。

Maven2ではV1のようにプロジェクトのパラメータをシステムプロパティ
で与えることをせず、すべてPOMのなかに閉じ込めています。
そしてPOMファイルはMaven#executeメソッドの引数で与えることができる
ので、異なるプロジェクトのビルドを同一VMで連続して行ったとしても、
パラメータが混じっておかしなことになることがありません。
余計なプラグインの情報を読み直すこともありません。

第3に、ビルド実行中に保持されるビルド固有のデータは、全て
Maven#executeメソッド(ビルドのエントリポイントになるメソッド
のローカル変数として初期化される
MavenSessionクラスのインスタンスの中に保持されます。
ぱっとソースを眺めた印象では、おそらく、
Maven#executeメソッドはマルチスレッドで実行しても問題
ないのではないかと思います。
複数プロジェクトのビルドを並行して行うような熱いことが
普通にできてしまいそうです。

(実際に動かして確認してないので、話半分で読んでくださいね)