今日の一貫

安倍政権の人気が下がるわけ

安倍政権、何故人気が下がるか。
一言でいえば、「小泉保守」との違いが明確になってきたせい。
日本の戦後保守が依ってきた経済成長基盤が不明確になっている点にあると思う。
なかには、「小泉さんは長島で、安倍さんは王だから実績を作りましょう」と、違いを意識させないようしている側近もいるという。安倍は小泉と違いがあってもいいが、しかしことは日本の保守主義に関わること。

「保守」概念、自由主義、新自由主義、リベラルなどと並んで、よく分からない。分からない理由は、アメリカの概念とヨーロッパの概念が違うため。これらに関しては、佐伯啓思、西部すすむ氏らが昔から主張してるので譲ろう。

要は、日本の保守。
日本保守は、「核の傘・経済成長・日本型ノウハウの構築」を内容とするものとかねてから思っている。そこに、国家や靖国はない。
しかしそれが変わってきているのは、分かる。変わっても保守、というのも少々変だが、アメリカとの関係、は確かに不動ではない。それは二番目の経済成長を図るための手法の一つだったかも。保守本流の中心命題は「日本人の古層をベースにした経済成長」。

事実、日本の保守は、経済改革優先の吉田路線が本流。佐藤政権が安泰だったのも経済政策が順調だったから。田中角栄人気も背景は日本型保守。しかし、日本型保守は、勤勉実直という日本型美意識を背景に持ったもの。田中型の腐敗臭を嫌った。
小泉政権は、不況からの脱出をかかげた関係上、思想的にはともかくとして、やはり経済成長路線を掲げざるを得なかった。現政権でも、中川秀直氏の「上げ潮」戦略がそれ。
小泉政権も実は経済回復政権、そのための構造改革政権だった。安倍さんもその路線を当然引き継ぐものと思われていたのだが、、、しかし。
特に地方での落胆は大きい。

小泉政権では、経済成長手法が、日本型経営や政官業協調した中央集権的手法から、市場原理に基づく新自由主義的手法に変わっただけ、という見方も可能。
この変化で日本の保守は変わったという人もいるが、私は基本は経済成長路線が、若干アメリカよりになったために、日本型ノウハウの構築がどうなったか危惧する立場からの批判があるだけと考えている。
地方が埋没するといってた人も、効果がすぐに地方にまわらないという、即効力がないといった批判でしかなかった。
おそらく成長手法が変化し、それに対応する日本型ノウハウはこれから作られるのだろう。これが我が国の古層からでてくるところが日本型保守なのだが、、

安倍政権に、それがあまり見えない。所信表明では「成長力強化」を謳ってはいる。
が、憲法改正、防衛、外交など国家の枠組みが安倍流保守の中心と皆思っている。
確かに小泉政権の仕上げというならそうなるのだろうが、重点のおきかたが大事。

新自由主義的な改革を継承するかどうか、するといってるのだから、とすれば、その点に関するリーダーシップを見せることがまず第一。経済改革はまだ途上のはず。
「格差」という言語で「ぶれてしまってる」のではないか。仲良し、和、が、業界協調的姿勢と受け取られてないか?規制改革や民活への姿勢も弱い。むしろ規制はつぶすといわないと経済成長路線が不明確になる。

日本型ノウハウを構築する古層との関係。日本人の勤勉実直を再生する家族の有り様や地域の有り様がその次の課題。日本の保守の一つ、日本的ノウハウの構築が必要。イノベーションはこうした脈絡に位置づけられるべき。教育再生会議も、いじめから見える「家族の問題」や「地域の問題」をもっと論じさせるべきなのだ。食育も、いまは怪しげ。「家族の問題」を扱うべき、栄養士さん達の利権にしてはいけない。もっと日本の伝統的食習慣ができてきた背景をこそ学ばせるべき。これこそ地域に根付いた保守としての食育だろう。

国家や外交、防衛は、こうした幹をはっきりした上で、次の大きな保守の幹に育てる努力が必要。努力でOKのはず。
また、閣僚のカネの問題は要注意。日本人はこうしたことを許さない清潔な気概がある。
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