今日の一貫

小室直樹先生談「日本の行く末は大丈夫か」

今日は、お台場のホテルで起床。8時30分から講演。
昨晩頭痛がひどく、一晩で治るか心配だったが、どうにか立ち直った。
会議、修論指導の後すぐに電車に飛び乗り、米業界のお偉方に捕捉されてしまった。その後、お台場まで。
気力でなおした感じもしないでもない。講演は、2時間と長丁場なだけに、立ちっぱなしで持つか、昨晩は心配もしたが、どうやら切り抜けた。
人間の気力はすごいと思う。とはいえ、私の気力はそんなにすごくはないのだが)。講演のテーマは「農からみる日本」2時間はあっという間だった。

ところで、昨日入試シーズン、「入試に対する緊迫感が社会には少なくなった」、と書いた。そうは書いたのではありますが、小室直毅大先生の御言葉を思い出した。「入試センター試験罪悪論」や「学校群罪悪論」という御主張。
熾烈な受験の若年齢化にすぎないというご高説だ。要するに、「社会から受験の緊迫感はなくなってはいない」「若年齢化しただけ」ということになるのです。

「15歳の春は泣かせない」制度にしたら、「12の春に泣くだけ」、12の春に泣かないためには、6歳の春に泣くだけ。
大学受験の熾烈な競争を、高校受験の熾烈な競争に転嫁し、さらにいい中学に入るためというので、中学受験を熾烈にしたという御説。
中学に入るときにはもう、どの大学を受けるかといった受験の有り様は決まっており、受ける大学もセンター試験で序列化しているから選びやすい、となる。中学にはいるために、「お受験」という特権コースすらある。

この説、先生の近著「日本国民に告ぐ」ワック出版1600円の310Pに載っている。

ところで小室先生、いつも、日本社会を「アノミー」でご説明されておられる。
「アノミー」概念は難しいのだが、私も先生に倣って、日本農村は「アノミーだ」といったことがあったが、そもそもアノミーを説明しなけりゃならなくて、あまり関心を持ってはもらえなかった。
受験戦争は人々を「急性アノミー」に陥らせる。依って立つ価値観がなく、「問題に条件反射するだけのネズミをたくさん作った」と先生はおっしゃる。
受験戦争の良くないところは、同世代に人間を全部敵に回すこと。連帯感が欠如する。
だから、熾烈な受験戦争を戦い抜いてきた団塊は、大学にはいるととたんに「連帯ごっこ」をしてしまったのだろうか。会社に入っても連帯ごっこの延長だったのかも。
因果応報、日はまた巡る。なんのこったーこりゃ。反省反省だ。

アノミーに陥らないためには、「人間にとって必要と思うことは教育では押しつけること」とおっしゃる「日本の品格」藤原正彦先生の武士道と近似した論だ。
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