今日の一貫

米価下落と農家支援策 NO1 生産調整の効果低下

22日午前7時20分からのニュースアップ。

「米価下落と農家支援策」の原稿を載せておきたい。
質問は基本的に次の4点。

Q1:米価の下落が止まらないといわれているが、その実態に関して

Q2:この背景にどんなことがあるのか?
コメ余りというが、米政策のどこに問題があるか?
(作況(99)は平年並みと決して方策ではない。しかし豊作でないのに値崩れするというのは本来あり得ない。)
q1:生産調整の効果が薄れてきたと言いますが。
q2:それにつけても今年こんなに急激に下がったのは他にも理由があるのか?

Q3:農業をどう支えていくかと言うことになるが、政府の支援対象農家を一定規模以上に絞った「品目横断的気鋭安定対策」に対して民主党の対策が参院に提出された。大泉さんはあるべき支援策をどうお考えか?

Q4:年金や格差問題に比べ農業政策についての関心は高いとは言えないようだが
今農業政策に向ける視線の重要性についてお考え・提言を

といったもの。



まず第1点
Q1:米価の下落が止まらないといわれているが、その実態に関して
A1:「コメ価格センター」という公設の米の入札機関がある。
主力銘柄の価格が出そろった。
10月10日の入札:落札加重平均価格は前年同月に比べ60キロ当たり前年同月比1,231円(七・九%)下落。
これまでも、米の価格は下落し続けていた。しかしその下落幅は例年(3%)の倍以上といっていい。
首都圏の大手スーパー:新潟産コシヒカリが5キロで前年比400-500円安の1980円。新米新潟コシが二千円を割り込むのは初めて。

続いて
Q2:この背景にどんなことがあるのか?
A2:
1,コメにも市場動向・需給動向が反映されるようになった
①これまでもコメは、需給動向を反映した価格だったのですが、それでも政府はかなりコメの価格を支えてきたのも事実です。コメはもともと供給過剰状況にあるが、そのため、たとえば、生産調整政策をして価格を支えてきました。また米価格センターの希望価格や入札回数制限などもそうした政策といっていいでしょう。これまで高値誘導をし、市場動向を反映しない高止まり価格といわれてきた。
これがこの間、生産調整の効果が薄れてきたことに加え、価格センターも様々に改革がなされてきました。そのことが、市場動向、需給動向を正確に反映する事につながった。

q1:生産調整の効果が薄れてきたと言いますが。
a1:
三つ言える
①生産調整以上にコメの消費量の減少スピードが速い。生産調整してもその分、さらに消費も減少しているという状況だ。生産調整の効果が薄れてきた。
②今年は適正な需給より20万トンぐらい上回っていると見られる。
背景には、お客に人気のある売れる米とそうでないコメとに分かれてきているという現象がある。売れる米を作ってる人々は、生産調整とは距離を置いている。もっと作りたいと考えている。
他方、売れない米は必然的に市場からはじき出されることになる。
そうした売れない米が過剰感を醸成している。
闇雲に生産調整するのではなく、売れる米を生産するような産地や生産者へ生産をシフトする、生産構造の再編成が必要になっている。
③ミニマムアクセス米として義務的に実に消費量の(7.2%)1割弱、77万トンもの中国産や米国産の米が日本市場に入ってきている。これまでは市場隔離政策によってその影響は少なかったが、今年に入り、USAライス連合会がSBSという仕組みで輸入しているコメ(カリフォルニア産「カルローズ」)を大々的に宣伝販売し、サラダ感覚の米といった形で市場浸透を図っている。このことによってただでさえ縮小している日本のコメ市場がさらに小さくなる可能性が、、ある。せっかく生産調整しても、、、市場が、、、、

q2はまた明日に
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