今日の一貫

セントラルフルーツ 西利 京野菜かね正の農業参入

京都市の流通業者や農産物加工業者が農業参入をすすめている。
日経新聞が報じているが、いずれも京都市。
場所は、合併京丹後市の丹後国営開発のうち200haを利用。
もともとこの場所、02年に農地開発終了。
開発したはいいが、一部が雑草化など利用がままならなかった地域。
市は農業企業誘致を進めていて、04年以降外食(ワタミ)や食品卸会社など8社が入植し、入植やレタスなどを栽培している。
しかし、2社が既に撤退、1社が計画中断しているという。

ちなみに紹介されてるのは、いずれも川下に需要ニースがある会社。

①青果小売り大手、「セントラルフルーツ」の農業生産法人「八百一の郷」
06年京丹波町に丹波農場08年4月京丹後に丹後農場08年4月北海道倶知安町に北海道農場三農場合計の生産額は年間約一億円

②漬物製造小売り「西利」06年京丹後市で農業に参入。

③野菜卸・小売りの京野菜かね正(京都市、土明周史社長)の農業生産法人、「かね正アグリシステム」
06年参入。玉ネギ、ニンジンなどの作付け規模は今年が約10ヘクタール。


ちなみにその日経記事を掲載しておこう。

農業再生に挑む(4)京丹後増産へ参入誘致――もうかる経営、企業が模索(北風南風)2008/11/03, , 日本経済新聞 朝刊,
 京都府北部の京丹後市で企業による農業参入が活発になり始めた。丹後半島周辺の丘陵地に広がる日本最大級の国営開発農地を借り、野菜を作る。独自の販売ルートを持つのが各社の強み。府や市も企業参入を積極的に支援。野菜の増産で農業を復興するプランを打ち出している。
 青果小売り大手、セントラルフルーツ(京都市、田中勝三社長)の農業生産法人「八百一の郷」は昨年四月、京丹後に丹後農場を開設した。計約六ヘクタールの畑でブロッコリーやカリフラワー、サツマイモなどを栽培する。採れた野菜は同社が買い付け、全国二十九の百貨店に出店している青果専門店「八百一」で売る。
 豊作で相場の暴落と作物の廃棄を繰り返してきたのが野菜流通の歴史。同社が扱う青果もほとんど市場経由だが、農場から直接買い付ければ売り場の個性が増し、産地の手取りも少しは安定する。若いころ、実家で農業に従事した田中社長は、「企業がかかわることで、個人でも経営が成り立つ農業のモデルを作りたい」という。
 二年前に京丹波町に丹波農場、今年春には北海道倶知安町に北海道農場を開き、三農場合計の生産額は年間約一億円になりそう。年百億円を優に超すセントラルフルーツの売り上げに占める比率はまだ小さいが、従業員の独立も含めて産地での契約農家育成につながる効果を期待する。
 漬物製造小売りの西利(京都市、平井達雄社長)も二年前に京丹後市で農業に参入。大カブなどを栽培する。同市内に漬物工場があり、周辺農家から原料の野菜を年間二億円近く買いつけている。「技術は農家が上だが、いろんな作物の栽培を試せる。育てたものを消費者に届ける喜びもある」(平井社長)。
 同市で実際に耕作されている農地は約三千六百ヘクタール(〇五年)で、十年間で二割も減少した。国が開発し、府農業開発公社が地権者との間に立って就農者に貸している国営開発農地(約五百ヘクタール)でも、賃借権の返上が二十ヘクタールから五十ヘクタールにのぼる年もある。
 高齢化や経営不振を理由に離農が続く。農協も広域合併やリストラでかつてのような元気がない。食味ランキングで特Aの評価を受ける産地なのにコメ余りで生産を増やしにくい。農業再建に向けて市が狙いを絞ったのが、まとまった農地を提供できる国営開発農地への企業誘致だ。
 〇四年の居酒屋のワタミを皮切りに八社を誘致した。すでに二社が撤退もしくは計画中断状態にあり、農業参入は楽ではない。市は〇六年に十七億円ほどだった野菜生産額を二十億円以上に増やし、七十億円台に落ち込んだ農業全体の産出額を再び上向かせる目標を掲げた。農地探しから補助制度紹介まであらゆる支援を惜しまない。
 野菜卸・小売りの京野菜かね正(京都市、土明周史社長)の農業生産法人、かね正アグリシステムは地元農協からライスセンターを無償で譲り受けて、野菜の集出荷・貯蔵センターに改造する計画を提案。市も賛同し、国や府とともに総額三億円近い補助金を出すことを決めた。
 二年前に参入したかね正の玉ネギ、ニンジンなどの作付け規模は今年が約十ヘクタール。目標とする営農規模の三十五―五十ヘクタール達成には契約農家の確保も不可欠で、いまが正念場。「もうかるところをみせないと、地元の農家はついてこない」と話す土明社長は、量販店や総菜製造会社などユーザーとの商談に追われつつ、年間百日近く京丹後に足を運び現場に檄(げき)を飛ばす。
(編集委員 樫原弘志)
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