今日の一貫

紹介 農業成功マニュアル 斉藤訓之

今年もいろいろな方からいろいろな本をいただいた。
礼状を書かないままなので、せめてもの罪滅ぼしに、この欄で少しずつ紹介しようと思い立った。

今週は、22日に規制改革会議3次答申が出て、閣議決定まで一段落の週。
この欄で制度的な諸問題を語っているが、結局は、スリムで筋肉質の産業構造にできるかが課題。現場での様々なアイディアの紹介が大事になってくるのだろう。

それはともあれ、新しい順に行こう。

斉藤さとし著『農業成功マニュアル』SHOEISYA斉藤「さとし」は「訓之」
40代の外食ジャーナリスト。

目次は以下の通り。
買いたくなるようだったら是非手にしてみてほしい。

とはいえマニュアル本だから、ほんとかどうかは、諸説あるところ。
本人は「農業は万流」と布石を打っているが、私のみるところ、、農業成功体験者の取材をよくしているようだ。
成功者の成功ノウハウをもとにまとめてるとこが良いし、よい農業生産法人の見分け方も納得できるところ。

農業はいろいろ、、いつもその流儀が正しいとは限らない、とも。
メンターを捜しが重要。だからといってひとつの農法にこだわらない。
経営ノウハウを説きながら、社会・自然・地域との関係を大事にノウハウを説いている。相対感を持った経営書。
とかく農業書にはこれが絶対、これしかない、といったたぐいの本が多いが、経営は所詮、社会に浮かぶ泡沫。その辺の事情をよく知っている。

特徴は第3章か。
4章では、五感と第六感を使って、、とも。
もっともだ。

第6章は余談か?あるいは、動機付けか?
「自給率が低下したのは戦後農政が勝利したから」とも。
心は、農業を本気にやっている農業経営者は、おかげで海外農業にも目を向けることができるから、、といった逆説。グローバルな視点が重要だから、、これからの農業経営者は、「海外と日本の双方に貢献」できるという。

日本の産業の競争力はいずれもグローバル化で鍛えられたのだが、それをおこたったため「技術で国際的なイニシアティブをとる機会を逸した日本」と手厳しい。「鎖国をといて文明開化」を訴える。


以下目次
はじめに

第1章 農業の基礎知識
はじめに知っておきたいこと
  農業の現状
人付き合いが就農の決め手
  就農までの道
事業をはじめるにはカネがいる
  必要なお金
作物は農協に売るだけではない
  作物を売る方法
農業をはじめるために必要な5つの要素

第2章 あなたが知っている世界との違い
畑や田んぼは自然ではない?
  「自然」と「農」の違い
お金をかけてお金を得るのが農業
  「農」と「農業」の違い
自然のリスクと向き合うビジネス
  「農業」と「他産業」の違い
あなたが行こうとしている所はどんな所か?
  「農村」と「都市」の違い
あなたがやろうとしていることは何か? 
  「サラリーマン」と「経営者」の違い

第3章 就農への道 成功に近づくための4つの手順
就農する地域の特徴を見極める
  地域を決める
「人付き合い」は成功への近道
  師匠と仲間を探す①
メンターを見極める6つのホイント
  師匠と仲間を探す②
農地は買うのではなくて借りる!
  圃場を探す
土地に適した作物を育てる
  圃場の作物と種類を選ぶ

第4章 成功する経営の鉄則
急いで就農しない
  就農に必要なお金
成功するマネジメント
  確かな数字で適切に判断する
具体的な収支計画の立案へ
  経営の実態を考える
成功する経営者はここが違う
  他産業とは違う
農業特有の感覚をつかむ
      
第5章 優良な農業法人からスタートする方法
農業法人とは何か?
  農業法人の現状と種類
優良な農業法人を見つけ出す
  就農相談会攻略法

第6章 これからの農業
天下統一前夜の日本農業
  「多主少作型」から「少主少作製」へ
日本農家の海外進出か世界を救う
  高い志を持って
世界に目を向ける
  「とうしても買いたい物」だけが売れる時代
消費者が食べたいものを売る

コメント一覧

齋藤訓之
ありがとうございます。
http://www.saitosatoshi.com/
先生、ご無沙汰いたしております。齋藤訓之でございます。

本はお叱りいただくつもりでお送りしておりましたので、
先生にこのように取り上げていただけるとは思ってもみず、年が明けてから拝見しました。失礼いたしました。

過分なお言葉、恐縮しております。ありがとうございます。
また、書いておりました私の手の内や心、すべてお見通しのようでさらに恐縮しております。

なお、農村におけるリーダーの役割等につきましては、こう言ってはかえってご迷惑になるかとも存じますが、
先生のご著書やご講演でうかがったお話にも多く学ばせていただきました。
手紙にはそのお礼も書くべきでした。ありがとうございます。

お忙しいなか読んでくださり、紹介まで書いていただき、本当にありがとうございました。
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