今日の一貫

水田作農家の収支構造

質問がありました
1ha未満層の稲作はおよそ、1戸6,4万円の赤字です。
この根拠です。

講演を聴いてくださる方にはいつもお示しするのですが、数字は農水省の統計、
H19農水省農業経営統計調査の水田作農家部門の数値です。
誰でもアクセスできる統計ですのでみてください。
下記のように出ています。

0.5 ha 未満     35    488   593   △ 105    49
0.5~1.0      72   1 019   983     36   101
数字は左から、水稲作付け面積  販売額  経営費 所得 地代収入にした場合の所得です。
単位は、面積はアール、金額は千円です。

この場合の経営費には、自家労賃、自己所有地地代は入ってません。
従って所得は本当の農業所得です。
ただ、一番右端の数字は、私が付け加えたものです。
水稲作付け面積に単純に10アールあたり1.4万円の地代を乗じたものです。

上記統計をベースに1.0ha未満層として計算し直すと、下記の数値になります。

1.0 ha 未満     46     642    706    △ 64    64

作付け延べ面積46アールは、加重平均です。
センサスで水稲作付け農家の1ha未満層、102.3万戸、47.5万haを使用しても同じ数値になります。

もうすぐ、10年センサスのディーテール結果が出て参ります。また20年度の農業経営統計調査の結果も出て参ります。皆さんで計算し直すのも良いかと思います。

コメント一覧

一行政マン
お答えありがとうございました
質問した者です。
1ha未満階層の所得と地代収入が偶々6.4万円で一致していたので「?」と思っていました。大まかな計算としてこうなるのが理解できました。
後は「次の課題」をどう解決するかということですね。一貫先生は、戸別所得補償については、「逆に構造改革がこれで進む(7/16)」と評される一方で、財源の有効活用という観点からはより良い手段があるとお考え(9/18)のようで、ここら辺が「次の課題」ということだと期待しています。
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