今日の一貫

長野県農協青年部 講演

長野県農協青年部様
長野県あずみ農協盟友様

26日の講演会ではお世話になりました。
有機米が今後どの程度価格が下がるか、、という質問、当ブログにありました。

予測は困難なものがあります。
わが国では価格維持政策を建前としてますので、セーフティネットをはれない状況にあります。下がるはずがないと言いつつ、毎年下がり続け、挙げ句の果てにある日突然の大幅ダウンが繰り返されると思います。これよりも、低米価誘導策の方がはるかにモデラートですし、かつセーフティネットもきっちり張れる政策なのですが、、、

それはともあれ、下がると言うことを前提に経営計画を立てることは重要な事です。そんな中で有機米がどれだけ通常の米とは違った動向を見せるか、、というご質問かと思います。

肝心なのは、有機米で普通の米との違いをどう出せるかです。
有機米は、これまで特定の農家しか作れないと言うことで希少価値がありました。
しかし、最近は農協単位で作り始めるところも出てきました。
そうなると市場での希少性は薄れ、やはり価格は下がります。
有機米の有利な点はあくまで希少性にあると、私は考えています。
有機米を訴求できるお客の層が今後厚くなる必要もあります。重要なのはそのためのマーケテイングがどの程度できるかではないでしょうか。

価格を取るなら、市場に出ない「幻の米」にしてしまうことでしょう。
政府の米価維持作をあざ笑うかのように、今日の価格低下を誘導しているのは、川下でバイイングパワーを持つスーパーです。スーパーが販売シェアー6割を持っている限り、市場での下落は避けられません。
そこで「幻の米」ですが、その点、信州みゆきのマーケテイング戦略は、当を得た戦略と思います。当日、みゆきの組合長さんとお会いしましたが、当初から単協販売を手がけた農協だけにマーケティング力にみがきがかかっています。
あすみも私は良いイメージがあると思っています。カントリーを作るときに計画に関与した経験がありますが、当時のあずみは、米に限らず農村全体としてブランドを作れる良さがありました。要は、マーケテイング力です。

またこのごろつとに思うのですが、、、米は主食・日本の命、、といった発想はもう近頃の米には当てはまらないのではないかと言うことです。
米がなかったら、そばやうどんや、パスタやハンバーガーを食べるだけです。
これは、93年の大冷害で実証されたことですし、03年の冷害でも再現されました。米価格下落がこの秋の話題になってますが、消費者の関心は、小麦価格の高騰で、そばやうどんやパンが高くなってることです。
それでも消費者は、大変だーなどとは言いません。

コメは、あまたある炭水化物系の食品の一つ、あるいは「おかず」の一つ(というと言い過ぎかも知れませんが)として考えられるようになってきたのでしょう。ですからUSAライス連合の、「野菜サラダとしての米」が売れることになります。五穀米が売れるのもそうした事情でしょう。駅弁には、菓子餅が入るケースがあります。デザートのつもりのようです。

これからの米は少量でも説得力のある個性的な米を作ることが重要なのだと思います。
あと10年後に米は600万トン程度の生産量になるでしょう。自給率は下がりますが、米には希少性が出てきます。
それをさらに増幅するには、全国どこでも同じようなコシヒカリ系統の米を作る、、、のではなく、、
食卓を考え、、そこにどのような形で米を登場させるか、、、そうしたことをイメージした米の未来を考えてみてはと思っています。

そのためにも、米の品種改良は民間でも考えられるべきですし、当面。農家と米屋さんや外食産業との連携融合が必要だと思います。


追伸
りんご
シナノスイートをお送りいただきありがとうございます。
おいしくいただいております。

これからはこうした商品のネット販売・通販の拡大が良いのかとも思います。

コメント一覧

あづみのうか
ご返答ありがとうございます。

安曇野の行政も現在「地域ブランド」の確立に力を入れていますが、なかなか進んでいないようです。

今年は本当に考えさせられます。これを機にしっかり考えながら農業経営をしたいと思います。
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