Johnny’s Dazed And Confused Days

〜ジョニーのぼんやりと混乱した日々〜

♪ サルビアの花 / もとまろ:1972年作

2023年02月01日 07時48分19秒 | 邦楽

懐かしい邦楽:010 〜 心にしみるけど、怖い曲


サルビアの花言葉

「尊敬」「知恵」「良い家庭」「家族愛」
因みに”紅いサルビア”「燃える思い」です。

1969年にリリースされた元ジャックス早川義夫さんのソロ第1弾アルバムに収録されていた曲が、1972年に競作曲となってヒットしました。 

今日ご紹介する曲は、1972年にレコード会社各社が競ってレコードを出した「サルビアの花」です。 特に深夜放送を聴いていた人なら誰でも知っていて、その切なげなメロディは多くの人の思い出の曲として心に残っているのでは・・・
当時はそれ程、深く考えずに、単純に「いい曲だなあ」と思っていたのですが、よくよく歌詞を眺めていると、その主人公に対してとても共感出来なく、サイコパスさえ感じてしまいます(;)

 

恐ろしい物語になってしまう!
そもそも、告白も出来ないでいるのに、サビに入った途端、いきなり好きな人のベッドにサルビアの花を敷き詰めているのがどう考えても不思議でなりません。
普通に考えれば、夢か妄想、あるいは留守の部屋に忍び込んで、彼女のベッドの上にサルビアの花を敷き詰めて、陶酔状態になっているとした方が、その後の異常な行動を考えるとしっくりします。
更に教会から出て来た花嫁の顔がこわばった事を考えると、彼女を知っているということになります。

そこで、さくっと簡単に物語ると・・・

僕には好きな女の子がいるが、中々、告白出来ないでいる。
僕の燃える思いを告げる為、紅いサルビアを彼女の部屋に投げ入れようと持っているがそれすらも出来ないでいる。
ある日、窓の鍵を掛け忘れたらしく、彼女の部屋に入ることが出来た。 そして、僕は彼女のベッドにサルビアの花を敷き詰めてそこに横たわる。 それはもう彼女を抱きしめている様に感じられた。

女性が部屋に戻ると何者かが侵入した形跡があり、サルビアの花びらが落ちていた。 「あの男だ!」と、何時もサルビアの花を持って、ジッとコチラを見ている気味の悪い男のことが頭に過った。

ドラマでよくある勝手な思い込み
自分の愛の方が素敵なのに、好きだった人(君)が他の人と結婚してしまう。
「こんなに愛してるのにどうして分かってくれないんだ!」と独りよがりの愛〜既にこの辺りから少し怖い🥶
君のベッドに紅いサルビアを敷き詰める〜ドラマなんかの精神状態がおかしい殺人者が部屋中に花を撒き散らしたり、部屋の中を真っ赤に塗ったりして陶酔する場面が浮かんでしまいます。

極めつけは、結婚式当日に教会の前に行き、遠くからじっと見守るならともかく、花嫁の目につく場所に佇み、フラワーシャワーの中を進んで行く新郎新婦を泣きながら追いかけて転んでしまい、その右手は伸ばすものの空を切ってしまう~こんな恐ろしい状況しか目に浮かびません(^_^;)


しかし、別の見方も・・・

歌詞の一部が?
1番の歌詞に腑に落ちない箇所があります。 他はみな“君”だのに、ここだけ“あなた”になってるんです。 別に“あなた”じゃなくて“君”であっても、違和感なく歌えるんですよ。 
そこで思いついたのが、ここでの“あなた”“君(花嫁)”でなく、教会でフラワーシャワーの中を泣きながら追いかけた“僕”なのではないかと・・・? 

しかし、“僕”であった場合、1番の告白出来ないでいる彼女が、それに続くサビで思いを告げなくてはならなく、2番のAメロで二人が分かりあえて、♪そして君のベッドに〜♫というサビに入り、どんなに君のことを僕が思っているのかが歌われる・・・
そして、3番からは、♪なのになのにどうして他の人のところに〜♫となり、物語としての辻褄を合わす事が出来ます。

何れにせよ、歌詞が抜け落ちているのではと、つい思ってしまう不思議な曲です。

 

 

サルビアの花 - もとまろ

サルビアの花 / もとまろ
いつもいつも 思ってた
サルビアの花を
あなたの部屋の中に
投げ入れたくて

そしてのベッドに
サルビアの紅い花 しきつめて
僕はを死ぬまで 抱きしめていようと

なのになのに どうして
他の人のところへ
僕の愛の方が すてきなのに

泣きながら のあとを追いかけて
花ふぶき 舞う道を
教会の鐘の音はなんてうそっぱちなのさ

とびらを開けて 出てきた
偽りの花嫁
ほほをこわばらせ 僕をチラッと見た

泣きながら のあとを追いかけて
花ふぶき 舞う道を
ころげながら ころげながら
走りつづけたのさ







4 コメント

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Unknown (naotomo3451)
2023-02-01 22:24:23
懐かしい曲です。独特な歌い方と歌詞の少し異常さに引き寄せられ、聞いていました。最近もYouTubeで聞いたばかりです。洋楽オンリーだった私が好きだった歌です。もとまろという名前も不思議でした。今日は解説頂きよく理解出来ました。有り難うございます!
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Unknown (sakaki45)
2023-02-01 23:41:17
「サルビアの花」は色々な人がカバーしていますが、
自分にとっては、やはり早川義夫さんのものが一番好きですね。
それも歌手活動を再開してからのピアノでの弾き語りを聴いたのですが、
声も深みが増し、情が籠ったような歌はインパクトありました。
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Unknown (ikenaijoni)
2023-02-02 06:55:47
@naotomo3451 さんへ
最初は普通にいい曲だなあと思っていました。付き合っていた彼女が別の男を選んだから悲観、でも教会まで押し掛けちゃあ拙いよな位しか思ってなかったんですけどね(^^)
よく見ると付き合っていた形跡が歌詞から感じ取れず、そうなるとこの“僕”の異常さが自然と浮き上がって来ました。
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Unknown (ikenaijoni)
2023-02-02 07:01:19
@sakaki45 さんへ
カバーする人が多いって事は、皆が名曲と思うが故のことなんでしょうね。
この曲、岩淵りりという女性歌手もシングルを出してるんですよ。
どうゆうわけか、この女性歌手の名前を「サルビアの花」とセットで覚えているんですよ。そんなに有名でもないのにどうしてなのかな?不思議です。
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