福島第一原発事故(618)-汚染水の流出は東電公表より早かったー
東京電力福島第1原発事故で発生したセシウム137などの放射性物質を含む汚染水は、3月26日に海への流出が始まり、4月中旬ごろまで原発近くの沿岸に高濃度でとどまった後、海の渦に流されて拡散したとの解析結果を、電力中央研究所の津旨大輔上席研究員らが25日までにまとめた。東電は「流出は4月1日から」としているが、もっと早い段階から汚染水が漏れていた可能性が出てきた。また津旨研究員らは海への流出量を3500テラベクレル(テラは1兆)と推計、東電発表の3倍以上となった。東電による海水の測定データも含めて調べると、少なくとも5月末まで漏れ続けたと判断した。(共同通信25日)
東電の発表はいつも遅く、嘘が多く、軽く発表している。政府も東電に呼応する様に同じだが、そのために被曝にあった人も多くいるし、野菜や魚類の汚染もないはずがあったりしている。この汚染水の海への流出にしても、発表の1週間前から流出し、濃度も3倍もあったということである。そのためにどれだけ、住民、農家、漁師たち等に大迷惑をかけ、取り返しことのない状況にしてしまったのである。(中ノ島賢)
ただ、原発が安全といわなければ、原発関係の仕事で食っていけない実態があったということである。
原発の危険性を主張したら、業界、学会から弾き出される風潮があり、それが今回の事故を誘発したといえる。
原発が電力会社の独占になってきた過去の実情が、時の政治権力、通産省の指導機関と馴れ合い支えあう関係を強め、チェック機能が甘いまま放置されて現在にいたった結末が、今回の事故に結びついた構図が浮きぼられている。
小泉二世が「原発の事故については、長い自民党政権の責任も重い」と反省の弁を述べていたが、まさに自民党は原発被害者に土下座して謝っても謝りたりないだろう。
長い自民党政権の罪ばかりでなく、原発の危険性を見過ごしてきた歴代の野党もその罪の一端を引き受けなくてはならないだろう。
また、一般国民も原発を見過ごしてきた罪の一端を担うべきものだろう。