福島第一原発事故(997)-IAEAと秘密指定条項 福島、福井 共有情報非公開にー
国際原子力機関(IAEA)と福島、福井両県が結んだ相互協力の覚書に、IAEAか県か一方が要求すれば、共有している情報を非公開にできる条項が含まれていることが分かった。この条項については、県議会でも問題視されず、「特定秘密保護法の先取りにつながるのでは」という批判の声もある。IAEAとの覚書は、福島県が昨年十二月、福井県が今年十月にそれぞれ交わした。福島県では、除染や放射性廃棄物の管理については県、放射線による健康影響調査については県立医科大がIAEAと締結した。覚書の詳細として「実施取り決め」文書があり、文書には「他方の当事者によって秘密として指定された情報の秘密性を確保する」と記された条項が含まれていた。福井県でも原子力分野の人材育成に関してIAEAと協力を結んだが、その覚書にも秘密指定の文言があった。(東京新聞31日)
このようなことの意味が分からない。「国際原子力機関(IAEA)と福島、福井両県が結んだ相互協力の覚書」は秘密事項にするかもしれない文書がありますよ、と言いたいのか。日本の国民には秘密にして、国際的な代表者は知っていますよ、と言いたいのか。そもそも、原発事故が長引いているのは秘密にして、心配ないと国民にウソをついていたからで、収束できなくて様々なことを発表せざるを得なくなった。もう少し早く、初期処置をしていれば、収束できたかもしれないのである。しかも、全てが遅く、今となっては収束のしようがない。廃炉が決まっても、廃炉への一歩も踏み出せていない。そういうことに懲りず、また秘密の文書をつくろうとしている。私としては秘密にすること、しかも国民に知らせず、外国の代表者は知っている、そういうことは許せませんね。第一原発でも安全装置を外し、予備電源がなかったり、そもそも20mの台地につくるはずが途中で10mにしてしまったり、秘密にするということはそういうことをすることであり、また、堂々としたものであれば、秘密にする必要がないわけである。(中ノ島賢)