前回から
2005/06/21
2005年6月17日
支払計画表
私の債務者から電話がありました。債務者から電話がある時はいつも給料支払のことを連絡する時の"ついで"です。私の債務者は私が以前勤めていた会社の経理事務をしています(こちらも給料未払いということで私は訴訟を起こしています)。
「いつになったら支払うのですか?」
「それについてだけれど、来週中にも支払計画表を作成して渡したいと思う」
「支払計画しても実際に計画を実行しなければ意味ないと思います。現にアナタは私との約束を何度も破りました。この間の電話もアナタが"自ら再び電話する"と言ったので、私は"必ずお願いしますね"と念を押しました。しかし、結局アナタは電話をかけなかったでしょ」
「・・・・・」
「アナタの言う事は信用できないのです。何よりも給料債権差押は毎月必ず"計画的に"支払われるものです。給料は毎月出るものですから。アナタの会社の対応がおかしいだけなのです」
「それについてなんだけれど、実は他の人からも差押を受けているので、分配という事になりアナタの取り分が少なくなる。だから支払計画表を作ってそれに基づいて支払っていきたい」
結局、なんか"支払計画表"なるものを作る作ると言って私の話は聞かず、話自体が平行線のまま終えました。それにしてもこの時点で「他者からの差押」というのを初めて聞きました。本当なのでしょうか?
だんだんよく分からなくなってきましたので、一旦、民事相談員の人に相談してみる事にしました。
債権差押係
民事相談の受け付けにいくと、今日は何故か大盛況で10分待ちだそうです。そこでその10分の間に地方裁判所の債権差押係へ電話をかけて事実確認をしてみました。
「今のところ、他者からの差押の事実は認識できないですね」
「認識というと?」
「私どもの方としましては、第3債務者(会社)から"他者からの差押の事実"を書面で申立していただかない限り"認識できない"ンです。ご自身の場合、株式会社○○(私の第3債務者)からは申立自体されていませんので」
おいおい・・・こんな事まで「セルフサービス」なンですか? 裁判所同士がネットワークか何かでつながっていないんでしょうか? 教えて、エラい人!!
っつーか、この人、私が質問をしていないのにも関わらず、堰を切ったように話をしているんですけれど・・・
「(第3債務者が)申立をされますと、債権は供託所で供託される手続きに入ります。その手続きが終わると、供託所から債権者様への分配が行われるようになりますので、債権者様が直接第3債務者へ督促する必要は無くなります。
複数の債権者様への分配という事で、一人一人の支払われるお金が少なくなります。ですので、例えば2ヶ月、3ヶ月に1度という感じで"ある程度たまってから"支払を受ける事になります」
「なるほど・・・取りあえず、今の現時点で"他者からの差押の事実"は無いと?」
「そうです。認識できていません」
ということだそうです。
要するに、私の債務者はまたもやテキトーな言い訳っていうか、半ば嘘をついて私に話をしているという「悲しい現実」が確認できたわけです。
債務者が差押されているのは事実かも知れないンですけれど、何が差し押さえられているのか知らされてないし、もし給料債権だったらちゃんと手続きをしないと嘘って言われても反論は出来ないと思います。
大体、私は面倒くさい手続きもちゃんとしているんだから。手続き無しでも良いって言うんだったら、勝手に家を捜査したり無理矢理な差押とかをガンガンやっちゃうよ?
民事相談員
債権差押係さんの「怒濤の説明攻撃」を終えた私は、ちょうど10分くらいの待ち時間が終わったので、今度は民事相談員さんに相談をする事にしました。
「これこれ(今までの事情)、こういうわけでして・・・」
「うぬ・・・なるほどねぇ」
私はあまり口で理論立てて説明するのが上手くないので、判決調書とか「自分の言いたい事を書いた紙」を読んでもらいながら、タドタドしく説明するスタンスをとります。
「このような(裁判所からの)正式な命令があるのだから、命令通りにすれば良いだけの話だと思うンですけれど。ワザワザ命令自体を半ば覆すような"支払計画表"なるものを示す、というスタンスがどうも分かりかねますね」
「私もそう思うのです。・・・でも、裁判書記官さんは"出来ればこういったことは任意で行う方がお互いに良い"ともおっしゃいます」
「"支払計画表"というのはもうご覧になられましたか?」
「いえ、まだ債務者が作ってないので見てないです」
「それはご自身にとってどうなるものなのでしょうか?」
「想像すると、おそらく債務者にとって有利、私にとって不利なものになるのは間違いないと思います」
「そうでしょうねぇ・・・。取りあえずですねぇ、ここではこういうもの(判決調書等)を取る前の段階の方が対象でして・・・申し訳ないのですが弁護士や司法書士と相談されてみられてはいかがでしょうか」
うぬ・・・民事相談員レベルの話じゃないのか~
「ところで質問なのですが・・・裁判所というのはそんなに頼りないものなのですか?」
「えーっと、基本的には"セルフサービス"だと思っていただければ良いと思います。私のような給料債権差押の場合、裁判所は双方に手紙を出すだけ、ですので。督促も自分でしなきゃいけないんですよ」
「そうなんですか・・・」
なんか民事相談員に逆に質問されてるんですけれど・・・
そういえば、この間最寄りの警察署で相談した時も同じような事を質問されたっけ・・・。
っつーか、ミンナ裁判所に対して「夢を見過ぎ」です
私みたいなダメダメな人間&民間人だったら「知らなくても平気」なところがありますが「警察官」とか「民事相談員」「労働基準監督署の監督官」は業務で裁判所に関わっているんだから、少しくらいは知っていた方が良いと思います・・・。
つづく
前回から
2005/06/20
2005年06月16日
取立金請求事件の「第一回口頭弁論(判決)の調書」が送られてきました。
相手が異議申し立てや上告をしない場合に限り、今日から数えて2週間後(2005年7月1日)にこの判決は確定します(その後、異議申し立てや上告がなかったので2005年7月1日にこの判決は確定しました)。
この日、債務者から電話がありました。
「正規の手続きをとっているのは分かるのだが、今後に向けて話し合いたいのだが」
「何もお話しする事はありません。私にとって必要なのは話し合いではなく弁済です」
「それはよく分かっています」
「ではいつ、どれだけ支払うのでしょうか?」
「それについてはまた連絡します」
「いつ連絡するのですか?」
「今日の夕方には連絡します」
「そうですか。それでは必ず連絡してくださいね。待っていますから」
話が終わり、電話を切りました。
しかし、結局その日は連絡がありませんでした。
つづく
前回から
2005/06/13
2005年6月6日
「あー、どうしよう。間に合わない!!」
「裁判所に電話したげよっか?」
「ありがと。頼むわ・・・」
前回の失敗の反省も無く、またまた今回も時間に遅れそうになる私。月曜日だという事もあってか、エラく激しい感じで渋滞しているんですけれど。助手席の友達が裁判所へ電話をかけてくれました。
裁判所からは「なるべく早く来てください」とのこと。あー、なんか助かったという感じ。
裁判所に着き、急いで法廷へ駆け上がる私。多分10分遅れくらい(夢中で駆け上がったため時計を見忘れ正確な時間が分からないが)で審理がスタート。
あれれっ、また被告が来てないし。
今回は私の直接の債務者ではなく、債務者が勤務している会社の代表者(第3債務者)が被告です。債務者がナンダカンダ言って債務を支払ってくれないので、泣く泣く強制執行として「給料債権の差押」をしたのですが、今度は代わりに払ってくれるはずの会社が支払を全然しないので(と言っても5,000円ほど支払った)、会社を「債権をちゃんと払え」と訴えた・・・というわけで。
私は理論整然とお話する事が苦手なので数々の書類をあらかじめ提出していました。しかも被告はやって来ないということで審理は怖い程スムーズに進みます。
「この遅延損害金についてなのですが・・・」
「ハイ」
「取立金請求事件の場合、"請求しない"というのが慣例となっています。事務的な手続きも煩雑となりますし」
「そうですか・・・」
ああ、やはりそう来たか・・・と思いました。まぁ"裁判長の判断で減縮されるカモ知れない"と言われていてあらかじめ覚悟していたので、ビックリしませんでした。
「また、あらかじめ減縮する事によって"被告からある程度譲歩した(もちろんこの場にはいないが)"となり、争点も多少和らぐ事でしょう」
「そうですねぇ・・・」
「よって遅延損害金は求めないのと、支払われた5,000円を元本に充填し、請求額を32,500円と減縮する事でよろしいかな?」
ここで裁判長の判断に対して"一歩も譲らない"と「私が判決を不服として上告する」事になり、裁判自体が結局ダラダラ長引いてしまうだけなので、判断を飲む事にしました。
まぁ、遅延損害金の計算は私自身がしなくちゃいけないし、なによりもこの計算は面倒くさく、大体この訴え自体が「第3債務者(会社)に対して自覚を促す」意味合いが強い、ということもあります。
「はい、分かりました」
私が減縮という判断を飲んだため、裁判長がそれを受けて即座に判決文を読み上げました。
通常訴訟なのに少額訴訟並みに早ぇなぁ、オイ・・・。5分くらいで判決出ちゃったよ・・・。
取りあえずこの訴訟の調書が原告、被告に送達された後、何も無ければ2週間後に判決が確定します。
つづく
前回から
2005/05/30
突然電話が鳴り響く
2005年5月25日、AM10:48。突然私のPHSが鳴り響きました。誰だろうと思って出てみると私の債務者からでした。債務者から能動的に電話がかかってくるのはおそらくこれが初めてだと思います。いつもは私から督促の電話をかけていました。
債務者によると「金が出来たので取りにきて欲しい」とのこと。昨年の12月10日以降、およそ6ヶ月間一度も支払をしないばかりか「取りに来い」と無礼な事を平気で言い放つ債務者に怒りを覚えました。銀行口座に振り込むという約束はハナから守らない様子です。
しかし「法律では債権者が足を運び、手渡しで弁済を受け取るのが原則」と自分自身をなだめ、了承しました。
個人的な事にしたいンだってサ
夕方PM6:00、約束の時間に私は債務者の会社へ行きました。かつては私の勤め先でもありました。
私は5,000円の弁済を受け取りました。それからわざわざ領収証を作って手渡しました。私自身は別に領収証を発行する義務は無いです。債務者にとっては銀行振込ではないため弁済をしたのかどうかを示せないので不利です。
私に悪意があって領収証を発行せず「受け取ってない」「単にもらったんだ」と主張してしまうとこの人どうするんだろう・・・とチラりと思ったりします。
だけれど、のちのち火種になりそうなことを放っておくのは得策ではありません。少々面倒くさくてもなるべく争いが無いよう、領収証はちゃんと発行するようにしています。
私の債権者は「あくまでも個人的な事だから会社名を書くのはおかしい」と言いました。
しかし、私は「もう既にあなたの給料債権を差し押さえているので、あくまでも第3債務者の会社から弁済を受けていないとおかしい」と言って突っぱねました。本当のところはどちらでも良いのですが、今回はそろそろ自覚してもらう為にも給料債権差押を強調してみました。
大体、上記の通りワザワザ「お前の為に」領収証を発行してやってんだ! 文句言うな、ボケ!!
と、思いつつ。
私の債務者ははっきり言わないまでも「どうやらあくまで会社と自分の債務の関わりを避けたい」「できれば自分で一人でこの問題を片付けたい」ようです。私の債務者は会社で経理や事務をやっています。そのポジションを生かして、かつ経営者の不在がちなのを良い事に、今回の事を含めて会社には報告していないのでしょう。
ならば尚更3月12日に裁判所へ出頭しなかったのでしょうか。出頭しなかった結果、私の言い分がすべて正しいと認められました。言いたい事があれば出頭して法廷でお話ししてほしいと思いました。
「自分の都合の良いときだけ払いたい」「自分の保身を一番に考える」
そんなご都合主義が見え隠れしていました。私はこのような態度に終始気分が悪く早々会社を後にしました。
この人の為に人生を悪い方向へと狂わされたのですから。
初めて取立届を提出
さて第3債務者から弁済を受けた"事にした"私は、早速次の日地裁に行って「取立届」を提出しました。
この「取立届」は弁済を受ける度に地裁へ提出します。
取立届は郵送でも良いのですが、今回初めて弁済ですので記念に直接届けました。
請求の減縮申立書
それからさらに次の日、今度はいつもの簡易裁判所に行って「請求の減縮申立書」を提出しました。
"請求の減縮申立"は、この裁判所では数が少ないらしく、定型フォーマットを用意していないそうですので、例文を見ながら自ら作成しました。
前回お話ししたように私は現在会社を相手取って「取立訴訟」を行っています。第一回口頭弁論期日は2005年6月6日です。
それまでの間に弁済を受けましたので訴額を改めて計算し直し、訴額の減縮(=減額)しないといけません。
計算方法は次の通りです。
- 遅延損害金の年率は5%なので、
37,500円(元本)×0.05(年率)=1,875円(年間の遅延損害金) - 一日あたりの遅延損害金は、
1,875円÷365日(閏年の場合は366日)=5.14円 - 今回の日数は
4月26日から5月24日までなので、28日間。 - 先ほどの28日間に発生した遅延損害金は、
5.14円(1日分)×28日=143円(小数点以下は切り捨て) - 弁済を受けた場合、まずは遅延損害金から充填するので、
5000円(今回の弁済額)-143円(28日間の遅延損害金)=4,857円 - 最後に元本へ充填すると、
37,500円(元本)-4,857円(弁済額から遅延損害金を充てた後の残りの金額)=32,643円(元本)
となります。
つづく
前回から
2005/05/17
2005年5月2日
その21で「給料債権差押」を強制執行したにもかかわらず、2005年4月25日の給料日に差し押さえた給料債権が会社から私の口座へ支払われる事はありませんでした。結局私は今回も自腹を切って弁済をしました。相手も会社も誠意が無いのは明らかです。このままではズルズルと私が借金を払う事になってしまいます。
そこで今度は「取立訴訟(とりたてそしょう)」を行う事にしました。
まずは法務局へ
取立訴訟というのは「お金を支払いなさい」というものです。今までの「貸金請求事件」と違うところは"私には既に差押命令がある"ことくらいです。ま、言っている事は結局「金払え」なんでなんだかんだ言って同じなんですけれど・・・。
具体的には今回は「相手の勤めている会社に対して、給料債権を差し押さえているンだから、ちゃんと相手に給料を払いなさいよ。でなきゃ私に支払が無いでしょ!」ということです。相手に代わって私が会社を相手取ってお金を取り立てているという・・・。なんか複雑だなぁ。
そんなわけで、今回は相手の勤めている会社を相手取るため「商業登記簿謄本」を法務局から入手しました。これは会社を相手にするときに必要な書類です。一部千円なり。
いつもの簡易裁判所へ
"いつもの"ってところがイヤですなぁ・・・。まぁ、今年に入って何回も足を運んでいるので「既に顔なじみ」っぽい感じがしてならないです。職員さんも「また来たよ、この人」という顔をしているし・・・。仕方ないでしょ、お金を全然返してくれないんだから!
今回の「取立訴訟」についてはこの裁判所に予め「(訴訟の数が元々少ないので)訴状の定型フォーマット(いわゆる"ひな形")がないのです」と言われていましたが、地裁に行った時にフォーマットをもらっていたので、それをそのまま(一部書き換えて)使う事にしました。
「遅延損害金のところはどうすれば良いんですか? できれば請求したいのですが」
「どうしましょうねぇ。本当ならこちら(裁判所)としてはなるべく請求はお控えいただくようお願いしております」
「それはなぜですか?」
「遅延損害金は法律的にはもちろん請求出来るのですが、第一に"計算が非常にややこしくなる点"と、第二に"債権差押命令の金額を超えると請求出来ない"というのがあるからです」
「・・・」
「具体的に第二の点についてお話しすると、遅延損害金までを請求した場合、ある一定の期間を境に合計金額が債権差押命令の金額を超えてしまいます。
ですのでほとんどの方の場合、債権差押命令の金額に到達するまで(貯めるように)待っておき、到達した段階で一気にこの"取立訴訟"を行うのです。遅延損害金は請求しない方針で。この"取立訴訟"を行うのは個人さんはほとんどおられず、金融業社さんがほとんどですし。
ご自身のように1回1回請求する事はもちろん可能なのですが・・・手間と費用、時間もかかりますよね。もちろん第一の点の計算もかなり煩雑になってきますし・・・」
「そうですか・・・。でも私はお金を返してほしいというのもありますが、"本気です"っていうのを改めて示したいのです。多少判決でこの間のように減額されてもかまいませんので」
「わかりました。ではちょっと計算をしてみましょう」
と、いうことで遅延損害金を計算してもらいました(本当は自分で計算をしなくてはいけないのですが)。
「37,500円と年率5%ということで、一年間に1,875円の遅延損害金です。ということで、482,105円を超えるまでは250年以上かかりますので請求しても問題ないですね」
「そうですか。では請求します」
提出した訴状
提出した訴状です。2枚目と3枚目が「取立訴訟」っぽい書き方です。
"請求の原因"の3番に通常「債権差押命令の金額に到達するまで(貯めるように)待っておいた債権」をズラズラと書きます。私の場合は1回だけですので1つしか書いていません。
"請求の原因"の1番の「給料の手取り月額は"少なくとも**円"」に私は予想した被告の給料の金額を書きました。この金額の予想は「アルバイトの私がコレくらいもらっていたので、正規の従業員の被告がいくら何でも"私よりも少ない"という事は無いだろう」ということで。強制執行した際に「第3債務者に対する陳述催告」が債務者から提出されていればもっと正確な数字が書けるのですが・・・。
証拠書類 債権差押命令(甲1)
債権差押命令の正本を甲1としました。
甲1というのは原告の証拠書類の番号付けです。被告の場合は"乙"です。
証拠書類 送達通知書(甲2)
債権差押命令の送達通知書を甲2としました。
証拠書類 通知書(甲3)
"第3債務者に対する陳述催告"がなされなかった、要するに被告(私の債務者)の給料の明細を会社(第3債務者)が明らかにしなかった、という通知書を甲3としました。
つづく