迷悟在己

痴呆寸前が巷間を漂いながら日々の雑感を書きます

やまぶきの花

2019-07-02 07:17:39 | 日記


かはづ鳴く 神奈備川に影見えて 今か咲くらむ山吹の花

絵の具に入っていたやまぶき色。
単に黄色と言っても、古来私たち日本人が用いて来た表現では、柿色、柑子、朽葉、藤黄、欝金、玉子、などなど、幾種類もある。
そのなかでもやまぶきの色はやはり「やまぶき色」です。
子供のころ使ったぺんてるやさくらクレパスには「ピンク」とか「ブル-」などという表記はありませんでした。
同じ青でも「群青」とか「藍」、あるいは瑠璃色とか白青など微妙な違いがあって、単に「ブル-」などという表記では不十分なんですが、
われわれの年代だって瑠璃色といわれてすぐ連想できません。
新聞、テレビなど、マスゴミはこうした日本的な伝統を潰してしまいたい勢力ですから、
われわれ自身が伝統を失ってしまわないように努力していかねばならない。

本来私たち日本人が使っていた色彩感覚も消滅の方向に向かっているようです。
何しろ学校で教えないので、親やじいさんばあさんが教えてやらなけりゃならん。
その親だってじいさんだってほとんど知りません。私も含めて。
あらためて勉強しなけりゃならんが、その表現を用いる機会がないのでなかなかむずかしいのです。

やまぶきの黄色、深い鮮やかな黄色です。わたしはこの色が好きで、自然、やまぶきなる花も好きなのです。
5枚花弁の、実のなるのではなくて、八重の方です。
どう言うのかねえ、所謂「やまぶき」です。
自然界にある色ですよ。
一口にやまぶき色というけれども、やまぶきという花を知らなければ想像できません。
近江地方で使う「べんがら」も、知ってればああの色か とすぐわかります。説明は要りませんね。

色の勉強も奥が深いです。

さて、どうしても庭にやまぶきがほしいわたくしは、近所の公園から一刺し失敬して、植えました。
これが見事に水が合ったと見えて、ずいぶん大きくなりましたのです。
花も水が合わなければ枯れてしまいますので、彼に合ったものと見えます。




これは菜花の里で撮った5枚花弁のやまぶき