前回、「茨城の正月料理」ということで紹介した料理の中で、「田楽餅」というものがありました。
豆腐・味噌・卵・砂糖で作ったペーストを、切り餅に塗って焼いたもの とのこと。
茨城県央地域を中心に食べられてきた伝統食だそうです。
またこれとは別に、最近テレビ(ケンミンショーでしたか)でも紹介された「しょーびき(しょーぴき)餅」
こちらは茨城県西地区を中心に食べられてきたというお餅の食べ方。
正月から既に1週間以上経ってしまいましたが、せっかくなので再現してみました。
(1) 田楽餅
前回も紹介した「いばらきの味-郷土料理献立集 食・彩・百・景」(茨城県衛生部成人病対策課 編集・発行 1995年1月発行)の記事を参考に作ってみました。(分量など詳細は上記文献をご参考下さい。多分県内の図書館だったらあるかと思います)
① 水を切った豆腐(木綿豆腐)、味噌、砂糖、とき卵を混ぜます(あれば、香りづけに柚子)。
豆腐はすり鉢でよくすりつぶすようです。写真のすりつぶし方は足りないかもしれません
※味付けは好みで良いのかと思います。卵が多いとゆるくて垂れやすいので注意。
② ①を切り餅に塗って、オーブンで焼いて出来上がり
※上の文献では囲炉裏端で焼くことを想定しているのか、「切り餅の両面に塗って表面が乾くまで焼く」となっていますが、オーブントースターで焼いたので、片面だけ塗っています。
(2) しょーびき(しょーぴき)餅
「しょーびき」は「塩引き」からきているかと。「しょーぴき」と「び(B)」音が「ぴ(P)」音になることもあるのは、茨城弁ならではですね♪
これは、焼いた塩鮭の切り身をほぐして、焼いたお餅に挟んで食べるというシンプルなものが一般的のようです。
①塩がうんと効いた辛塩鮭の切り身を焼いて、身をほぐす。
※最近は辛塩鮭は見かけないので、普通の塩じゃけでも良いと思います。塩気が足りなかったら塩を足せばOKではないかと思います。
辛塩鮭は焼くと、写真のように塩が表面に析出します。
かなり塩辛いので、食べる時は、量はちょっとで良いかもしれません。
② 焼いた切り餅に、①を挟むようにして食べる。
左:しょーびき(しょーぴき)餅
右:田楽餅(お豆腐はもう少し滑らかにした方が、見た目は良いですね)
しょーびき餅は、鮭&米で王道の味です。
田楽餅も、滋味豊かでとても美味しい。
また並べると赤と黄色で、きれいですよね。
めでたい色の組み合わせもお正月らしいです。
お餅に、鮭や、豆腐・卵・砂糖・・・と、昔は大変なごちそうだったはず。
今でももちろん美味しくて、伝統的に食べられていた土地の方にとっては、
「これがなければお正月でない!」
という方も多いのはないでしょうか。
「知らなかった」という方、まだ切り餅が残っていたら、お試し下さい。
うちも今年作ってハマったので、来年もまたお正月には作って食べます
(市川)